旅の醍醐味は、その土地が持つ歴史と偶然に出会うことにある。沖縄の地で、かつて米軍のコーラ瓶を溶かして生まれた琉球ガラス。その不屈の精神と創造性は、令和の現代において、意外な形で進化を遂げていた。
男の書斎や食卓に新たな物語を添える逸品として紹介するのは、RGC株式会社(琉球ガラス村)が手掛ける「mado」シリーズである。
驚くべきことに、この器の原料は「廃車となった自動車の窓ガラス」なのだ。

戦後から続く、琉球ガラス「再生」の系譜
琉球ガラスの起源を知る者は多いだろう。戦後、物資が極限まで不足していた時代、沖縄の職人たちは駐留米軍が捨てた廃瓶を拾い集め、それを溶かして日用品へと変えてみせた。
混じり込んだ気泡や厚みのムラは、いつしか「味わい」として愛されるようになり、今や日本を代表する工芸品としての地位を確立している。
現代の沖縄が抱える「資源」への眼差し
「mado」シリーズは、その再生の精神を現代の視点でアップデートさせたものだ。
現代の沖縄は、車社会である。役目を終え、スクラップされる車たち。その窓ガラスに着目したのが、地元のリサイクル企業「拓南商事」と、琉球ガラス村の職人たちであった。

かつて誰かの旅路を見守り、風雨を凌いできた透明な板。
それが一度砕かれ、千度を超える灼熱の炉で溶かされ、職人の息を吹き込まれることで、再び「景色を映す窓」ならぬ「光を運ぶ器」へと生まれ変わる。
この背景にあるストーリーこそ、成熟した男が選ぶべき道具に相応しい。
素材本来が持つ「二つの静寂」を愉しむ
この「mado」シリーズを手に取ると、まずその絶妙な色調に目を奪われる。
ラインナップされているのは「アイスグリーン」と「スモーキーブラック」の二色。驚くことに、これらは着色料を一切加えていない、素材そのものが持っていた色なのだという。
無垢なる「アイスグリーン」と「スモーキーブラック」
サイドガラスの個性をそのまま活かしたアイスグリーンは、南国の海を閉じ込めたような清涼感がある。一方でスモーキーブラックは、都会の夜を彷彿とさせる静謐な佇まいを見せる。
どちらも、人工的な染料では決して出せない、工業製品としての中庸さと、工芸品としての温もりが同居した不思議な色気を持っている。


特に「タンブラー ダイヤ」は、表面の凹凸が光を乱反射させ、酒を注げば琥珀色の液体に複雑な陰影をもたらす。
一日の終わりに、独り静かにウイスキーを愉しむ。その傍らにあるのが「元は車の窓だった」という事実は、最高の酒の肴になるだろう。


日常に「SDGs」という名の粋を取り入れる
昨今、耳にしない日はない「SDGs」という言葉。だが、それを声高に叫ぶのは、男の美学に反する。
大切なのは、選んだものが結果として地球に優しく、かつ自分の審美眼に叶っているかどうかだ。
「不完全な美」という名の贅沢
ライフスタイルショップ「BASIC AND ACCENT(ベーシックアンドアクセント)」にて展開されるこのシリーズは、単なるリサイクル製品の枠を超えている。
職人がひとつひとつ手作業で仕上げるため、形には微細な個体差がある。その「不完全な美」こそが、大量生産品に囲まれた現代生活における究極の贅沢と言える。

道具は、使い手がその物語を理解して初めて完成する。役目を終えた窓ガラスを、捨て去るのではなく、価値ある工芸へと昇華させる。
その選択は、資源を巡らせるだけでなく、我々の暮らしに「持続可能という心地よさ」を、さりげなく、そして確かに持ち込んでくれるのだ。
手に馴染む、男の定番品として
「mado」シリーズは、全国のBASIC AND ACCENT店舗やオンラインストアで購入が可能だ。
ラインナップと手に入れる悦び
- mado タンブラー S ダイヤ:3850円
- mado タンブラー L ダイヤ:4180円
この価格で、沖縄の歴史と現代の技術、そして職人の魂を買い求めることができるのは、ある種の奇跡かもしれない。
自分へのご褒美としてはもちろん、背景を知る友人への贈り物としても、これ以上語り甲斐のある品はないだろう。
窓から外を眺めるように、この器を通して未来を眺める。そんなゆとりある時間を、ぜひ貴殿の書斎にも迎えてほしい。

【商品概要】
製品名:mado タンブラー
公式HP:BASIC AND ACCENT 公式サイト
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