男という生き物は、なぜこれほどまでに「速さ」と「精密な機械」に惹かれるのだろうか。サーキットに響き渡る高回転エンジンの咆哮、一分の隙もないカーボンボディ、そして勝利のために削り出されたパーツの数々。
今回紹介するのは、そんなモータースポーツの最高峰「F1」の世界観を、あろうことか「クラフトジン」という液体に封じ込めた逸品、「F1 GIN(エフワン ジン)」である。

既成概念への反逆。「食事」のためではなく「香り」のために
これまでのジンの多くは、料理の脇役に徹するためにボタニカルの個性をあえて抑え、調和を重視して設計されてきた。
しかし、「F1 GIN」が目指したのは、既存の枠に収まらない「本当に美味しい飲み物」としての自立である。
名護の農園で出会った「原点の香り」
転機となったのは、名護市勝山のシークヮーサー農家を訪れた瞬間だった。市場に出回る品種改良されたものではなく、代々守り続けられてきた、ゴツゴツとした表面の「原種」に出会ったとき。
その場で皮を剥いた瞬間、あたり一面に広がった驚くほど力強く、みずみずしい柑橘の香り。


「この香りを、そのまま閉じ込めることができたら――」
その衝動が、プロジェクトの原点となった。
理想を追求する中で、ピールのカット方法から向き、処理のタイミングに至るまで、あらゆる試行錯誤が繰り返された。
しかし、従来の蒸留工程では素材の量に限界があり、目指す香りの強さに到達できないという壁にぶち当たったのである。
非効率を極めた独自技術「トリプル製法」の衝撃
そこで辿り着いたのは、伝統的な酒造りの常識では考えられない、あまりにも非生産的な手法だった。
「香りはどこまで行けるのか」という挑戦
蒸留中に素材を3回も入れ替える独自の「トリプル製法」。
シークヮーサーのピールを入れたバスケットに蒸気を通す「バスケット法」を用い、素材の輪郭を崩さずに幾層にも香りを重ねていく。


この作業には、入れ替えのたびに蒸留機を停止し、内部の圧力を抜くという、危険を伴う非効率な工程が必要となる。
大規模な工場では到底不可能な、小規模蒸留所だからこそ実現できた「狂気」のセッティングだ。
最も香り高い瞬間だけを重ねて抽出することで、シークヮーサー本来の鮮烈な香りを、余すことなく引き出すことに成功したのである。
沖縄の風土が織りなす「立体的」な味わい
このジンを支えるのは、シークヮーサーの鋭さだけではない。ベースとなるボディには、沖縄の豊かなテロワールが緻密に組み込まれている。
「生黒糖」と「島こしょう」の旋律
宜野座村産のサトウキビ一番絞り汁のみを使い、釜焚きで仕上げた「生黒糖」。その芳醇な甘い香りと、生チョコのような質感が、ジン全体に奥行きと丸みを与える。

そして、糸満市産の島こしょう「ピィパーズ」が、繊細な立体感を司る。やわらかな甘い香りと、ほのかなスパイス感が、シークヮーサーの酸味や黒糖のコクと重なり合い、喉を通った後に長く美しい余韻をもたらすのだ。

一口飲んだ瞬間、鼻を抜ける圧倒的な果実感。それは、効率をすべて捨て、香りのためだけに情熱を注いだ結果に他ならない。
光を断つ「ステンレスボトル」という合理的な選択
最後に触れておきたいのは、その外装だ。ジンといえばガラス瓶という常識を捨て、あえてステンレスボトルを採用したことにも、明確な理由がある。
ガレージでも、キャンプでも。シーンを選ばない自由

日光は、繊細な「本物の香り」を容易に変質させてしまう。その外敵から液体を完全に遮断し、最良の状態で届けるための「遮光」の哲学。
そして、ガレージで愛車を眺める時間や、過酷なキャンプの夜など、どんなシーンにも溶け込む堅牢さ。
日常にも、非日常にも自然に寄り添い、どこでも最高の一杯を楽しめる自由。それもまた、この「F1 GIN」を構成する重要な一部なのだ。

伝統的な「琉球の素材」と、常識を覆す「トリプル製法」。そしてF1の「設計思想」が一つに溶け合う。
このボトルを開栓する行為は、沖縄の深い森と、世界の頂点を目指すサーキット、その両方を同時に旅することに他ならない。
【商品概要】
製品名:F1 GIN
公式HP:Makuake プロジェクトページ
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