ウイスキーは、ときに特別な夜のためにある。しかし本来は、日々の時間に寄り添う“静かな相棒”であってよいはずだ——そんな価値観を、改めて思い出させてくれる一本が誕生した。
福岡・朝倉の地に根を張る新道蒸溜所が、初のブレンデッドジャパニーズウイスキー「SHINDO The Blended 2026 – Non Peated」を世に送り出した。
発売は2026年6月15日。すでに国際的なコンペティションでGOLDを受賞していることからも、その完成度の高さは折り紙付きである。

土地の記憶を、グラスに落とし込む
この一本の核にあるのは、「THE QUEST FOR THE ORIGINAL(独創性の追求)」という揺るぎない理念である。
新道蒸溜所で仕込まれたモルトウイスキーと、同じく自社で手がける朝倉蒸溜所のグレーンウイスキー。それぞれの個性を尊重しながら、あえて“日常に寄り添う味わい”へと昇華させた。

特筆すべきは、原料に地元・福岡県朝倉産の大麦「はるか二条」を使用している点である。北部九州の風土に適応したこの品種は、醸造適性に優れ、安定した発酵と高いアルコール収量をもたらす。
つまりは、土地の恵みそのものが、このウイスキーの骨格を形作っているのである。

軽やかさの裏に潜む、緻密な技術
グレーンウイスキーの製造においては、減圧蒸溜可能な単式蒸溜器とハイブリッド式蒸溜器を併用。低温下での初溜により雑味を抑え、さらに銅との接触によって不要な香味成分を丁寧に削ぎ落とす。
こうして生まれるのは、驚くほどクリーンで軽やかな原酒である。

一見すると飲みやすさに重きを置いた設計に見えるが、その裏側には、香味設計に対する執念とも言える緻密さが潜んでいる。軽やかさとは、単なる“薄さ”ではない。削ぎ落とした末に残る、精緻な輪郭なのである。
調和という名の美学
ブレンドの妙は、この一本において最も雄弁に語られる部分である。グレーン由来の透明感ある口当たりに、モルトのコクとミルキーな甘みが静かに重なる。
さらに、バーボン樽のバニラ香、ワイン樽の果実味、ミズナラ樽のオリエンタルなニュアンスが、過不足なく溶け合う。

どれか一つが突出することはない。だが確かに、それぞれが存在している。その絶妙な均衡こそが、このウイスキーの魅力である。
ストレートでは繊細な構造が浮かび上がり、水割りやハイボールでは一転して、驚くほど滑らかに喉を通る。飲み手の気分や時間帯に応じて表情を変える懐の深さは、まさに“日常酒”としての理想形と言えるだろう。
一杯のなかにある、豊かな余韻
グラスに注げば、まず立ち上るのはバニラの柔らかな甘い香り。そこに、夏みかんを思わせるほのかな苦味を帯びた爽やかさが重なる。口に含めば軽やかで華やか、そして麦由来の優しい甘みがゆっくりと広がっていく。


やがて、焦がしバターのようなコクが余韻となって現れ、静かに消えていく。その一連の流れは、派手さとは無縁でありながら、確かな満足感を残す。
“特別ではない贅沢”という選択
高級酒を大切に取っておくのも一興である。しかし、本当の贅沢とは、良質なものを日常に取り入れることではないか。
新道蒸溜所が提示したこのブレンデッドは、まさにその思想を体現している。気負わず、だが確かな品質を感じながら飲める一杯。それは忙しい日常の中で、自分自身を取り戻すための“余白”となる。
夜の帳が下りたあと、静かにグラスを傾ける。その時間に、理由は要らない。ただ旨い。それだけで十分である。
「SHINDO The Blended 2026 – Non Peated」。この名を覚えておく価値はある。

【商品概要】
製品名:SHINDO The Blended 2026 – Non Peated
価 格:5940円(税込)
発売日:2026年6月15日(月)
公式HP:SHINDO LAB 公式 WEBサイト
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