ワイン用語の基礎知識を学ぼう
甲州種(こうしゅうしゅ)
山梨県勝沼を代表する白ブドウ。降雨量の多い日本の気候に適した品種で、繊細な白ワインができる。
マスカットベリーA
ヨーロッパ系ヴィティス・ヴィニフェラであるベリー種とアメリカ大陸系のヴァイティス・ラブルスカであるマスカット・ハンブルグ種をハイブリッドしたもの。虫害や多湿に強い。ラズベリーのような赤いベリー形の香り・味わいを持つフレッシュな赤ワインを造ることができる。
ヴィティス・ヴィニフェラ
世界中で「ヴィティス」と呼ばれるブドウは60の種があるが、その中でワインに適するヨーロッパに生えているヴィティス・ヴィニフェラは約1000種。さらに高級ワインを産み出す国際品種は20種(カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネなど)足らずにすぎない。
白ブドウ(しろぶどう)
ブドウの果皮に色がついていないもの。白ワインを造る。
黒ブドウ(くろぶどう)
ブドウの果皮に濃い色がついているもの。一般的には赤ワインの材料となるが、白いワイン(シャンパンのピノ・ノワールやピノ・ムニエ)などの材料となることもある。
アルコール発酵
酵母の作用により糖がアルコールと炭酸ガスに転化すること。
マロラクティック発酵
アルコール発酵の後、乳酸バクテリアの働きによってワインの中の舌を刺すようなリンゴ酸が、まろやかな乳酸に転化すること。
酵母(こうぼ)
野生酵母はブドウの果皮表面や醸造所に何百万も存在している。そのためブドウ果粒が破砕すると発酵は自然に始まる。発酵に最適な酵母を選択し、培養したのが培養酵母。適正な野生酵母がない生産地では培養酵母を使用する。また、瓶内二次発酵のスパークリング・ワインでは、高圧化でも活動できる培養酵母を使用する。
澱(おり)
酵母はアルコール度が15度に達すると死滅し、「澱」と呼ばれる沈殿物となる。
樽(たる)
オークで作られる。発酵用や熟成用に使用されるが、日本では熟成用に使用するのが一般的。近年、日本のヨーロッパ的ワインを目指す造り手はフランス産オークを使用する。
樽熟成(たるじゅくせい)
発酵の終わったワインを樽に入れ、熟成させる。
瓶熟成(びんじゅくせい)
瓶の中で熟成させる。生産者によっては樽で熟成させた後、瓶でも熟成させる場合がある。
濾過(ろか)
ワインを瓶詰めする前の最終段階の作業。ワインに含まれている不必要な粒子を取り除く。やりすぎるとワインの個性を奪ってしまう。
コルク
ワインボトルの栓。
スクリューキャップ
コルク臭を避けるため世界に先駆けて、ニュージーランドやオーストラリアで使用が進められた。特に白ワインに有効。
コルク臭(仏語「ブショネ」)
コルクを漂白する際に使用した薬品が変化し、臭いを発し、それがワインに移った臭い。ワイン造りが悪いわけではない。
タンニン
ブドウの果皮、茎に存在する渋み。またオーク樽は熟成中にワインにタンニンを与える。ワインに含まれるポリフェノールはタンニンの一種。
剪定(せんてい)
ワイン用のために凝縮したブドウ果実を得るためには、葉の落ちた冬季に剪定をして、芽の数をコントロールする。
整枝(せいし)
剪定したブドウ樹の枝を整えて仕立てる。ヨーロッパでは棒仕立て、株仕立て、垣根仕立てなどが行われる。日本の甲州は棚仕立てに整枝される。
ミクロクリマ(微気候)
ブドウの質を左右するブドウ畑の微細な気候。
テロワール
ブドウ畑の地勢、気候など。現在ではワインの質を決定する大きな要因のひとつと考えられる。
ワイン・テイスティング
さまざまなメソッド(方法)があるが、基本は色、香り、味わいでワインを識別すること。ワイン名を隠してテイスティングすることを「ブラインド・テイスティング」という。
ヴィンテージ
ワインに使用するブドウの収穫年のこと。収穫年を表記することで、その年々によって味や出来の違いを理解できる。ワインにおいては「ヴィンテージ=古い・年代物」という意味ではない。
ノン・ヴィンテージ
ヴィンテージ(収穫年)表記がないもの。複数の年にまたいで収穫したブドウで作られたワイン。主に低価格ワインなどがノン・ヴィンテージである場合が多く、農作物の出来に左右されず安定した品質のワインをつくるための目的がある。
オールド・ワールドとニュー・ワールド
「オールド・ワールド」とは昔からワイン造りが行われているヨーロッパを指し、それ以外を「ニュー・ワールド」という。
酒石酸(しゅせきさん)
ワインに含まれている酸の一種。長く置かれたワイン・ボトルの中で結晶化してガラスの粉のように見えることがある。特に健康に害はない。
二酸化イオウ(にさんかいおう)
醸造時の酸化防止、ワインの劣化防止および酸化防止等に使用されるが、使用量は厳しく制限されている。白ワインの方が赤ワインよりも使用量が多く認められている。
自然派ワイン(しぜんはわいん)
化学肥料未使用、農薬の使用を控える、醸造時に化学薬品を使わないなど、自然に優しい手法で栽培・醸造されたワイン。低農薬、オーガニック(認証団体により認定)、無農薬、ビオディナミ(月の運行により、栽培・醸造の作業を決定)など。
川上善兵衛(1868~1944年)
新潟県上越市で岩の原葡萄園を興し、「日本ワインの父」と呼ばれる。
シャトー
フランス・ボルドー地方にワイン畑を持つ生産者に使用される敬称。