洗練された雰囲気が物語る
銀座仕込みのもてなしと酒

銀座百点の中に出ている広告が格好良くて、「ビルの前を通るたびに、いつかここで働きたい、そう思っていました」と話すオーナーバーテンダーの田中利明氏。表参道のハナエモリや御茶ノ水の山の上ホテルに勤めた後、憧れの資生堂「ロオジエ」に勤め、名バーテンダー・上田和男氏のもとで修業を積んだ。

ロオジエとはフランス語で〝柳〟を指すOsierが由来で、当時のロオジエは壁や床、バーテンダーのボウタイも柳色。そんな銀座ならではの洗練された空間で経験を積み、平成5年(1993)に当地に店を構えた。今年、オープンから27年目を迎える。

「バーは30年でやっと一人前、そんな話を若い頃先輩から聞きました」と田中氏は朗らかに話すが、ピシリとした真っ白なバーコートや、清潔に整えられた店内を見ていると、「職人」という言葉がピタリとはまる。カウンター越しに話していると、こちらが襟を正してしまう、そんな雰囲気のある店である。

写真/黒田 雄一