心に響くオリジナルカクテルの季節感や印象を大事にしたい

大通りから少し入った場所に、ひっそりと佇む2階建ての一軒家。都会では珍しい趣きに、道ゆく人も思わず歩みを緩める。「バーリィ浅草」は、扉を開ける前から期待に胸を膨らませてくれるバーである。

この店の創業者は、独創的なカクテルを数多く生み出した故・佐野繁雄氏。現在のチーフバーテンダーである木村誠氏は2代目。佐野氏とは昭和の時代、六本木の「福鮨」のバーで働いていたという。そして一緒にここを立ち上げているのだ。

「佐野はとても季節感を大事にしていました。だからこそ自分も四季にこだわりたいのです。なぜなら人は季節の移ろいと共に味覚を記憶することが多いからです。だからオリジナルのカクテルは季節感や印象をとても大切にしています」

ここではフルーツカクテルはもちろんのこと、木村氏が自ら創作したという器からも季節を感じることができる。2階席には窓もあるので、夜空を愛でながらの一杯も悪くない。

文/野田 伊豆守