「いい音楽はジャンルに関係なくいいんです」

70年代~80年代のロック、ポップスを中心としたロックカフェ「STRAWBERRY FIELDS」。渋谷の東急ハンズ前のビル2階に店を構え、夜な夜なロック好きが集まるレコードバーだ。店に入ると壁一面にずらりとならんだレコードたち。ディスプレイのひとつひとつもロックのテイストがあふれるものばかり。

ロック一色の店内だが落ち着いた雰囲気。

BGMはもちろん、店長の陶山哲典さんのコレクションでもあるレコードがメインだ。陶山さんによれば、68年から74年にかけての時期は、ロックが最も熱い時代だったという。「ロックという音楽が生まれ成熟していく完成期。名盤といわれるアルバムはほぼこの時代に入っています」と語る。

時代の転機となったのはビートルズ6枚目のアルバム『ラバーソウル』。アイドルとしてではなく、ロックの影響が色濃い作品という。69年にはウッドストックが……と、陶山さんは、問われればロックへの熱い思いを、穏やかな口調で語ってくれる。

レコードの数々を前に陶山さんが座る。

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランなど、その日の雰囲気で様々な曲をかけるが、「ハードルの高い店だと思われているのが残念です。ロックだけにこだわってはいません。いい音楽はジャンルに関係なくいい。アバなどのポップスもあります。ロックを知らない人も気軽に来て欲しいですね」とのこと。

約5000枚ものレコードコレクションは圧巻だが、コアなファンはもちろん、ロックを知りたいビギナーにとっても楽しめる店であることは間違いない。

テクニクスのレコードプレーヤー。
バーボンやアイリッシュウイスキーなど取り揃えている。

オススメのアナログ盤

ここでは陶山さんに伺ったオススメのアナログ盤を紹介しよう。もちろん、素晴らしい音楽がたくさんあるなかで、選んでいただいたもの。これだけが全てではないが、ロックの入り口として参考までに。

Living in the Material World
ジョージ・ハリスン/1973
Apple Records
ジョージ・ハリスンにとって実質的な2枚目のソロアルバム。神や人類への愛など、宗教的な曲が含まれる。落ち着いた名曲が多く、評価が見直されている。

Naked Songs
アル・クーパー/1973
CBS/Sony Records
アル・クーパーは70年前後を中心に活躍した。作曲家、プロデューサーとしても有名な人物だ。ニューヨークで録音したこの作品は、都会で生きる人間の心情を歌った。

Eli And The Thirteenth Confession
ローラ・ニーロ/1968 
CBS/Sony Records
実力派女性シンガーとして知られるローラ・ニーロ。ソングライターとしても、その実力は認められている。このアルバムはソウルやジャズの要素も含まれ、ロックの雑食性がよくわかる作品だ。

文/阿部文枝 写真/古末拓也