日本酒ファンが憧れるカウンター席と店主の神崎さん。店の歴史は「飛露喜」「十四代」などが出てきた時代に重なる。

店主の神崎康敏さんは「神亀(しんかめ)」の古酒とキンキの煮付けのペアリングで燗酒の美味しさに目覚めて、18年前のオープン当初から燗酒に力を入れてきた。燗酒に合わせた料理も絶妙な美味しさだ。

客の手元に湯燗器が運ばれ、錫製のチロリで手酌するスタイル。

「最初に常温から呑んでいただき、温度の上りばなの香りや甘みを味わい、最も熱くなった熱燗、温度が下がった燗冷ましの甘みまで味わえます。ご自分の好きな温度帯を見つけて、温度の変化を楽しんでほしい」と神崎さん。

料理はおまかせコースのみ。料理に合わせて、最初は「喜久酔」「奈良萬(ならまん)」などの純米酒、中ほどで原酒系の「杉勇(すぎいさみ)」「磐城壽(いわきことぶき)」など。後半には熟成した古酒の「白露垂珠(はくろすいじゅ)」「日本城」など。日本酒は純米酒や山廃や生酛(きもと)のほか、古酒も7種類。仕入れた後に店で寝かせて熟成させた酒もある。

冬のお勧め料理は鰆の藁あぶり刺身。三重・答志島産の一本釣り、神経締めした鰆を豪快に藁で炙る。皮目にある脂の香り、甘み旨味が増して燗酒と合う。おまかせコースは6,000円。日本酒は「貴(たか)」純米酒(1合900円)など。

「冷たく呑むより、燗にすると日本酒の旨味がふわっと来るので、料理の味を感じやすくなります。燗酒は料理との相性は抜群です」

文◎阿部文枝 撮影◎遠藤 純

萬屋 おかげさん(よろずや おかげさん)

※店の営業時間が変更になることがありますので、来店時には店舗にご確認ください。