熱燗の魔術師の仕上げる至極の一杯「えんじゃく、」(東京・池尻大橋)|旨い熱燗と旬酒肴
平成29年(2017)に池尻大橋にオープンした「えんじゃく、」。店主の髙木晋吾さんは日本酒ダイニングバーの店長時代、「お燗の魔術師」と呼ばれていたほどの燗酒の名手だ。
カウンター内には湯温が60度と80度の2種類の湯燗器を用意。二つを使い分けて燗をつける。例えば、火入れした酒は60度でじっくりとお燗する。通常は燗にしない生酒は80度へ。
「生酒は中途半端に燗にすると生臭くなります。80度に入れて一気に温度を上げると、嫌な匂いや苦みが消えて美味しくなります」

さらなる魔術師の極意が「デキャンタする」ことだ。チロリで熱くした酒を徳利に移し替える際に、何度も空気に触れさせて酒を柔らかくする。10年、20年寝かせた熟成酒は何度もデキャンタすることで、強い熟成香が消えて、とげがなく優しい味わいになるという。


「世界のアルコールの中で温度によって違う愉しみ方があるのは日本酒だけ。5度刻みで名前があり、お燗番という仕事がある。人間の舌は冷酒よりも温かい酒の方が甘味や旨味を感じます」

燗酒と共に味わう酒肴は、肉料理をメインに提供している。日本酒は燗酒にすることで、脂っこい料理や濃い味付けの料理にも相性が良くなる。出身地の岐阜から届く肉やジビエを肴に、魔術師のつける熱燗に酔いしれたい。



文◎阿部文枝 撮影◎遠藤 純
えんじゃく、

※店の営業時間が変更になることがありますので、来店時には店舗にご確認ください。
情報概要
住所 | 東京都世田谷区池尻3-19-3 ベルエア2F |
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電話 | 03-6805-4070 |
営業時間 | 18時~24時(日曜、祝日16時~24時) |
定休 | 不定休 |
アクセス | 東急電鉄「池尻大橋駅」より徒歩約3分 |