カウンターで焼きとん&カップ酒!
焼き鳥の名店「鶏繁」の姉妹店として産声を上げて10数年。サラリーマンの聖地・新橋のレンガ通りに面する「豚娘(とんこ)」は、その名の通り“焼きとん”自慢の店で、店長・長谷川恵子さんの炭火&客さばきに魅せられた人が夜な夜な集う。
入店するとすぐに一人で飲める立ち飲みカウンターがあり、さっと入ってサクっと飲んで食べて、次の店へ(もしくは帰宅の途へ)……。そんな飲み方が似合う店だ。
ビールやホッピー、ワインもあるが、日本酒は潔くワンカップのみ。「うちの料理に合うもの、常温で美味しいものを厳選しました」と長谷川さん。
さっそく「おまかせ5串」注文する。どうやら本日は、コブクロ、カシラ(頬)、ハツ、皮、タンのラインナップ。これには「菊姫」を合わせよう。菊姫はどちらかといえば、どっしりとした味わいが特徴の蔵だが、ワンカップは軽めのテイストで豚の脂やコクをサラリと受け止める。単純に相性が良い!
サクっとなどと言いながら、居心地の良さにもう少しだけ。豚つくねと半熟煮卵の相性が秀逸な「豚に真珠」を注文する。来店するお客さんの多くが注文する豚娘の看板メニューだ。
最初につくねを一つそのまま食べる。次に卵を串の先で刺して割ると、中から黄身がトロリとあふれてくる。この黄身につくねを絡ませて食せば先ほどとは違った味の変化が愉しめるというもの。なにより豚の旨味がさらに引き立つのだ。
どれを食べても豚はジューシーで酒に合うメニューばかり。混雑必至だからこそ、サッと去り、明日の夜もまた一杯。そんな粋な呑み方を目指したくなる店である。
呑める銘柄
菊姫、初孫、越乃景虎、豚娘ほか
※新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間・定休日に変更の可能性あり(2016年取材)
写真/今野 光