自然あふれる敷地に点在する
多種多彩な湯船に浸る

安曇野の町から、山道を40分ほど走った行き止まりに白い湯煙を上げる中房温泉。標高1462mの燕岳登山口にあり、古くから温泉客、登山客が賑やかに集う山間の1軒宿として広く知られている。

創業は文政4年(1821)。初代の百瀬茂八郎が松本藩の命により、明礬採取のためこの地に入って湯小屋を建てたのが始まり。明治45年(1912)、近代登山の父と呼ばれたウォルター・ウェストンが夫婦で宿泊し、燕岳、大天井岳を目指した。

中房温泉でとにかく驚くのが温泉の数の多さと湯量の豊富さ。7万坪もの広大な宿の敷地に源泉登録数は何と29本。湯船に満たした湯の泉質もそれぞれ異なり、全てが100%源泉掛け流しだ。

源泉温度は90℃以上もあるが、空冷式、水冷式という冷却装置を導入し、適温に下げて湯船に注いでいる。自然散策をしながら楽しめる8つの露天風呂のほか、内湯も多種多彩。

さらに地熱浴場や蒸し風呂など1日では入りきれないほどの湯船が点在している。

湯上がりは、その地熱を使った蒸し料理を中心とした和食を堪能。じっくり熱を通した肉は驚くほど柔らかく、地酒の杯がついつい進む。