900年以上の歴史を持つ
文豪が愛した宿へ

群馬と新潟の県境にそびえる豪雪地帯の、白く美しい山々に囲まれた宿が「高半」だ。湯沢町の町並みを見下ろす高台に建ち、あたり一面を白い雪に覆われた世界が広がる。

高半の温泉は加温・加水せず、天然湧出の源泉をそのまま使用。43℃の程良い温度が体を芯から温めてくれる。

「奇跡の湯」とも呼ばれるこの源泉は、高半の祖である高橋半六翁が約900年前に発見した温泉で、今なお当時の状態から変わらず湧き出しているという。

そしてこの宿で3年にわたり逗留した文豪が、川端康成だ。高半の「かすみの間」で昭和9年(1934)から執筆に取り掛かり、妻子持ちの島村と芸者駒子の非恋物語を描いた『雪国』が誕生した。

館内では映画版の『雪国』を1日1回上映するほか、文学資料室も有する。図書ラウンジには康成の書籍も並べられるなど、ファンにはたまらない空間だ。

夕食には魚沼産のコシヒカリを昔ながらの釜で炊いたご飯をはじめ、川魚や地元農家から仕入れたこだわりの食材が味わえる。

『雪国』を書き上げた康成と同じようにひとりの時間を過ごしたい。