宮大工が手掛けた館内は
細部にもこだわった特別空間

岩手県にある花巻南温泉峡と奥座敷の中間にあり、豊富な湯量を誇る山の神温泉。その名は当地の山の神を祀る「山祇神社」に由来しているといわれている。

豊沢川の渓流を望む位置に建てられた「優香苑」の創業は、平成9年(1997)。同館の至る所に天然木が用いられた宮大工建築の湯宿だ。

書院造りや寺院建築などに見られる格天井や、襖から欄間の細工に至るまで、館内のどこにいても木の温もりが感じられる空間が広がっている。

また、客室や食事処以外にも様々な施設が用意されている。庭園の景色が間近に見られるコーヒーラウンジ水芭蕉や、マッサージが受けられるエステサロン、スナック「森の詩」、カラオケボックスなどがある。旅のスタイルに合わせて館内の設備を利用できるのは嬉しい。

冬は広大な敷地内に広がる庭園の景色も見逃せない。一面に広がる雪景色は特にお勧めだが、広大な敷地に植えられた数十種類の花木が季節ごとの表情を見せてくれるので、春夏秋冬、どの季節に来ても自然を感じられる。ゆえに、季節の変わり目に訪れるリピーターも多いという。

美肌の湯といわれる優香苑の4種の温泉は全て源泉掛け流し。化粧水を思わせるとろりとした肌触りが特徴的な湯で、体の芯からじんわりと温めてくれる。

また花巻温泉郷でも最大級の広さを誇るという「とよさわ乃湯・大露天風呂」は、男女合わせて50畳もあり、岩手県の雄大な自然に囲まれながらの湯浴みは開放感にあふれている。

ほかにも宮沢賢治が愛した花巻の星空をイメージした「こもれび乃湯・新露天風呂」は、夜になると水際が幻想的な青い光でライトアップされる。

遥か遠くできらめく星々を眺めながら、銀河を漂っているような心地が味わえる湯だ。また、サウナが併設されているので、どちらも利用したい。

雄大な自然の中での湯浴みを存分に愉しんだ後は、待望の夕食だ。優香苑で供される料理はできる限り地の物にこだわり、花巻の山の幸のほか、ブランド牛の前沢牛や白金豚、三陸地方の海の幸などが使われている。

また別注では、岩手県のブランド牛「胡四の牛王」が味わえる。花巻の畜産農家が大切に育て、牛農家の厳しい選定条件をクリアした極上の黒毛和牛だ。口に含めば、肉の甘みが溶け出してくる。

日頃の自分へのご褒美として、大自然に囲まれた格調高い宿で、ひとりの時間を心ゆくまで堪能したい。