12096日本最古のジャズ喫茶で、アナログレコードの音色とコーヒーの味を愉しむ「ジャズ喫茶ちぐさ」(横浜・桜木町)

日本最古のジャズ喫茶で、アナログレコードの音色とコーヒーの味を愉しむ「ジャズ喫茶ちぐさ」(横浜・桜木町)

男の隠れ家編集部
編集部
現存する日本最古のジャズ喫茶として知られる横浜・桜木町の「ジャズ喫茶ちぐさ」。高橋宏之氏(ビクター社のエンジニア)によって設計製作されたオリジナル・オーディオで、柔らかく温かいアナログレコードの音色とともに至福のコーヒーを愉しむ。

伝説のジャズ喫茶で昔と変わらぬ音色に耳を傾ける

横浜市桜木町にある「ジャズ喫茶ちぐさ」は、現存する最古のジャズ喫茶で昭和8年(1933)の開店である。渡辺貞夫、龝吉敏子、日野皓正など有名ジャズメンも若かりし頃に通ったという。2007年に閉店したが、再開を望む声が高く、2013年復活を遂げた。

対応してくれた店のスタッフは、創業者の吉田衛さんについて「ジャズ喫茶の名物オヤジであり、かつ自ら行動して日本のジャズシーンのレベルを上げた、カリスマ的存在です」と尊敬を込めて語る。

じっくりと音に耳を傾ける常連客。

以前に使用していたテーブルや椅子を使用するほか、2台の巨大スピーカーをはじめオーディオ機材も当時のままだという。「中音域が前に出て、フラットな設定になっています。音質が柔らかいので長時間聴いていても疲れない。吉田さんが作り上げた音をこれからも守り続けていきたいですね」

オーディオは高橋宏之氏(ビクター社のエンジニア)によって設計製作されたオリジナル。
昔と同じサイフォンを使用して淹れるコーヒー。

レコードの数は3000枚以上。9割以上が昔の店のものだという。昼はリクエストタイムでじっくりとジャズを聴く時間帯。夜はおしゃべりOK、飲みながら気軽にジャズを楽しむことができる。

オススメのアナログ盤

ここではお店がオススメしたアナログ盤を紹介しよう。もちろん、素晴らしい音楽がたくさんあるなかで、選んでいただいたもの。これだけが全てではないが参考までに。

For Musicians Only
ディジー・ガレスピー/1958
Verve Records
トランペットのディジー・ガレスピーはモダンジャズの生みの親。豪快で自由なアドリブの素晴らしさをこれでもかと見せつける。玄人好みの作品だ。

Live in Hamburg
イー・エス・ティー/2007
ACT Music
ピアニストのE・スヴェンソンのトリオが2006年に行ったライブ。2000年以降の新しい流れである、ジャズだけにとらわれない越境的な音楽が魅力。

Toshiko Akiyoshi
Recital/1961
STUDIO SONGS
1961年アメリカから5年ぶりに帰国した龝吉敏子の凱旋ライブ。晩年も繰り返し演奏した得意楽曲が全て含まれている。

文/阿部文枝 写真/古末拓也

編集部
編集部

いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る