一目見れば欲しくなってしまうシャンデリアたち

アンティークやヴィンテージのシャンデリア・ランプの専門店「La Cienega」(ラ・シエネガ)。1900年代から50年代のイタリア、スペイン、フランス、アメリカなどで作られたアンティーク、60年代から70年代のヴィンテージを扱っている。

店内には、真鍮のフレームにさまざまな意匠のクリスタルの装飾が飾られたシャンデリアが多数展示されている。灯りとクリスタルのきらめきは、まさに豪華絢爛の美しさだ。

シャンデリアはもともと教会や宮殿で使われた蝋燭型から始まり、時代による流行、国による特徴がある。

バカラの「クリノリンシャンデリア」は1900年パリ万博で発表された作品。

18世紀になってガラス製のシャンデリアが生み出され、富裕層を中心に広く普及した。

国別でいうとスペイン、イタリアは真鍮の産地であり、フレームを鋳物で作る。中にコードを入れるので太いフレームが特徴だ。フランスは真鍮のフレームをガラスで包んだり、フレームの上にコードをはわせたりするためにフレームが細く、繊細でエレガントなデザインになっている。

1階の工房で修理・製作中の平田総一さんは、いかにもヨーロッパのギルド職人らしい出で立ちである。洋服のバイヤーをしていた時に、イタリアでシャンデリア工房の職人に出会ったという。

「お金を出せば何でも買えるバイヤーとは違い、職人は気に入らなければ売らない。帰れと言われて、カルチャーショックを受け、職人に興味が生まれました」

工房でシャンデリアを組み立てる平田さん。

職人仕事に憧れて弟子入り志願したが、断られてようやく1カ月だけ「修業というより掃除」を経験。後は独学でシャンデリアの修理製作を学んだという。現在はヨーロッパを中心に世界中で買い付けたシャンデリアを、分解・洗浄し配線を新しくして販売している。

「古いシャンデリアは壊れているものが多く、フレーム、クリスタルだけでなく古いネジなどのパーツをどれだけ持っているか。できる限り同時代のパーツで修理したいので在庫が重要です」と語る。

シャンデリア職人となった平田さんが心を込めて送り出すシャンデリア。一目見れば欲しくなってしまうだろう。

さまざまなアンティーク・シャンデリアが並び豪華。

※2013年取材

文/阿部文枝 写真/遠藤純