6045“いつ、なんどき”いっても家庭で食べるような料理を「なんどき屋」|東京・新橋にある昼呑みの名店

“いつ、なんどき”いっても家庭で食べるような料理を「なんどき屋」|東京・新橋にある昼呑みの名店

男の隠れ家編集部
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新橋といえば、数多くの飲食店が軒を連ねているが、意外と日中は閑散としている。その中でひときわ目立つ存在が、こちら「なんどき屋」だ。その名の通り、“いつ、なんどき”でも空いている24時間営業で、昼呑みならぬ、朝呑みも楽しめる。それだけではなく、「家庭料理が基本」という素材にこだわった料理目的で来店する客も数多い。まさに新橋を代表する名店である。

素材の味を生かした家庭料理

新橋駅前、西口通りといえば、夜ともなると、呑み屋に繰り出す仕事終わりのサラリーマンたちで賑わう通りだ。

昼間は閑散としているが、縄暖簾と黄色い提灯が目印の、この店だけは別格だ。「なんどき屋」という店名の通り、24時間営業で、〝いつ、なんどき〟行っても開いている。

元々は新橋に数店舗あった牛めし店のひとつ。昭和46年(1971)に独立して、居酒屋へと衣替えをした。

今でも牛めしだけでなく、「家庭料理が基本」の単品料理にプラス300円で定食を食べられる。24時間営業なので、朝呑み、昼吞みができる店として人気が高いのは言うまでもない。

「一日のうちで混んでいる時間帯は、強いて挙げるなら明け方ですね。早朝4時から7時頃まで。近くで働く同業者などが仕事帰りに寄っていきます」
 と主人の服部逸郎さん。

「昼吞みのお客さんは、明るいうちからすいません、お騒がせします、と申し訳なさそうに言うんです。罪悪感があるんでしょうかねえ。店からすると、昼から呑んでくれてありがとう、ですよ」

ガスバーナーでたらこを炙る服部さんは、こう続ける。
「このたらこは800円。高くても旨いねとお客さんに言ってもらいたい。うちは素材にこだわっているので、単価は決して安くない。でも、料理の味に納得して来てくれるお客さんが多いです」

例えば、「牛めし」や「肉豆腐」には服部さんが厳選した和牛を使う。上質な食材を使いたいというその姿勢が、この店が長く人々に愛され続けている秘訣といえる。

こだわりは酒にもある。炭酸は瓶ではなく、炭酸が強い業務用を使用。多くの人が注文する名物「Dハイ」を飲んでいた客は、「ダブルのハイボールなので、シングル2杯よりもお得。

ここのハイボールは炭酸が強いので、シュワシュワ感が違うんだ」。
リピーターが多く、7・8割が常連客というのも納得である。

“家庭で食べるような料理を”という服部さんの温かな思いと手料理が、今日も都会で働く人々の空腹を優しく満たしてゆく。

文/阿部文枝 写真/むかのけんじ

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