昔日の繁華街に佇むこれぞ大坂酒場
店の前に立った瞬間、「これぞ大阪の大衆酒場!」と思わず手を打ちたくなるその構え。
ビールの名前が記された大きく存在感のある暖簾と、“ミヨシ正宗”の古い木看板。積まれたビールケースがずらっと並び、自転車までもが昭和な情緒を醸している。
さらに暖簾をくぐった先には、これまた思い描いた通りの空間が。「いらっしゃいませ~」の声と共に座したカウンター席は理想的なコの字型を成し、赤い丸椅子とのバランスもいい!
ひとり昼呑みのための特等席と言わんばかりの光景は感動的ですらある。
店の開業は50年余り前。長い間、京橋で愛されている。今は三代目の高橋謙二さんが店主だ。
ビールはもちろん、先代から扱っている広島県福山のミヨシ正宗と共に味わいたい料理は数多く、定番から本日のお勧めメニューまで200前後と盛りだくさんだ。もちろん値段は嬉しい京橋価格である。
文/岩谷雪美 写真/秋 武生