「百練」の面白さは、肩書きにこだわらないところだ。この店を言い表すとすれば「大衆食堂兼、居酒屋兼、鍋料理屋兼、酒場」となり、かえってややこしい。そう語る店主の井上英男さんは、錦市場内で「錦・高倉屋」という漬物専門店も営んでいる。

だから自慢のぬか漬け盛り合わせを肴に日本酒を呑んでもいいし、ジュージューと音が心地良い赤身肉の鉄板ステーキをアテに赤ワインを傾けるのも悪くない。もちろんステーキを定食にして、腹を満たすのもこの店の定番だ。

日本酒は京都の松本酒造の「澤屋まつもと」一点で勝負。スッキリとした飲み口の酒で、冷やでも燗でもいける。そのほか、麦焼酎は開業以来「博多どんたく」一筋と、店のこだわりも同時に楽しめる。

肴ではコリコリとした食感がクセになる「蒸しアギ」や、とにかく酒が恋しくなる「牛スジの煮込み」などが不動の人気メニューだ。

文/野田伊豆守 写真/金盛正樹