56830幻の日本酒「十四代」の魅力に迫る! おすすめしたい5種類の特徴を紹介

幻の日本酒「十四代」の魅力に迫る! おすすめしたい5種類の特徴を紹介

男の隠れ家編集部
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目次

はじめに

世界に誇る日本文化の一つでもある日本酒。その中でも希少価値が極めて高く、幻の日本酒と呼ばれているのが『十四代』である。

日本酒が好きな人であれば一度は聞いたことがあるであろう有名な日本酒だが、飲んだことがある人は少ないはずだ。その理由は、十四代が定価の何倍もの値段で取り引きされる名酒であるだけではなく、希少価値が高いためそもそも入手するのが難しいからだ。

本記事では十四代の歴史や魅力、味の特徴や種類を紹介していく。日本酒が好きな人はもちろんだが、希少価値が高いお酒を探している人も、ぜひ最後までご覧いただきたい。

そもそも十四代とは

十四代 黒縄 大吟醸

プレミアが付いている入手困難な十四代だが、全国的な知名度を誇っている理由を詳しく知っている人は少ないはずだ。はじめに、十四代の歴史や背景を深く掘り下げていこう。

歴史と背景

十四代は山形県の高木酒造で作られている。

高木酒造が創業されたのは1615年の元和元年。長らく「朝日鷹」が代表的な銘柄であったが、14代目の高木辰五郎氏から15代目の高木顕統氏へ引き継がれた後、十四代となった。

つまり、十四代を世に知らしめたのは15代目の高木顕統氏であり、それまでは朝日鷹という銘柄を使用していたわけである。15代目の高木顕統氏が十四代を完成させたのは1994年で、2016年に蔵を継承してから現在に至る。

ちなみに、多くの酒蔵では自らの日本酒をPRするホームページを公開しているが、十四代には存在していない。

判明しているのは十四代が高木酒造で作られており、原料米は龍の落とし子や山田錦など、仕込み水は葉山山麓の湧水という点だけ。製造方法に関する詳しい情報は明かされていない。

1911年から続く歴史ある日本酒の鑑評会である全国新酒鑑評会において、十四代は平成15~16年、18~20年、22年~令和元年で金賞を受賞している。

この結果からも、十四代が高い評価を獲得し続けていることがお分かりいただけるだろう。

名前の由来

なぜ15代目の高木顕統氏が完成させたにも関わらず、銘柄の名前が十四代なのかと疑問に感じている人も少なくないはずだ。

十四代という名前が付けられたのは、高木顕統氏が自分の思い描いた味を完成させた日本酒に父への思いを込めたからである。日本酒のラベルに業界用語を用いたものは今まで存在していなかったので、独特のネーミングは当時から高い注目を浴びていた。

実は名前を商標登録する際、名付け親である高木顕統氏は十四代だけではなく十三代、十五代、十六代というすべての言葉を特許申請している。しかし、本来であれば数字の商標は取ることができないため、「十四代」以外はすべて却下されてしまったのだ。

そして、結果的にはなぜか十四代だけが商標登録されたわけだが、現在に至るまで明確な理由は定かではない。一説には、十四代を数字ではなく「トシヨ」という名前と間違われたから登録できたのではないかといわれている。

幻の日本酒と呼ばれる理由

入手困難な日本酒の代名詞である十四代。

十四代は風味が豊かでフルーティーな甘みがある大吟醸酒である。平成6年頃の日本酒界隈では端麗辛口の味わいがブームであったにも関わらず、十四代が登場したことで一大ムーブメントを起こし、日本酒界隈の流れを大きく変えたと言われている

その結果、山形県を代表するプレミア日本酒の銘柄としての地位を確立。さらに、前述したように醸造を行っている高木酒造が自社メディアを持っていないことから、テレビや雑誌で「幻の日本酒」として報じられ、名が知られていったのである。

愛され続ける十四代の魅力

十四代 別撰諸白 純米大吟醸

ここからは、なぜ十四代が長きに渡り多くの人を魅了しているのかを紹介していこう。

高い希少価値

幻の日本酒とも呼ばれている十四代には高い希少価値がある。

皆さんは日本酒を買おうと思った時にどこへ行くだろうか。多くの人は量販店、酒屋、スーパー、コンビニへ行くはずだ。しかし、普通のお店では十四代はまず買うことができない

その理由は、十四代が特約店にしか卸されていないからである。

日本酒は品質管理が非常に難しい商品なので、販売してもいいと許可を出して限定しなければ最高の状態で消費者へ届けることができない。

また、しっかりと商品に関する知識を把握したうえで販売してほしいという想いから、ブランドイメージを守るために特約店のみに卸しているケースも少なくない。

十四代の最高峰である龍泉の定価は15,000円だが、プレミア酒なので50万円以上の値が付いている場合もある。どこでも買える気軽な日本酒ではないという点は十四代の魅力ともいえる。

時代を変える程の研ぎ澄まされた味わい

十四代の研ぎ澄まされた味わいは時代の流れを大きく変えてしまった。

上記項目でも軽く説明したが、当時の日本は端麗辛口が主流であり、甘口やフルーティーな味わいは敬遠されていた。しかし十四代が登場したことで、国内は大きく流れを変えたのだ。

甘口ブームの火付け役となった十四代は、一度でも飲めば忘れらなくなる位のみずみずしさが大きな特徴。研ぎ澄まされた味わいは甘くフルーティーで、豊潤な香りが辺りを包み込む

十四代は味わいだけではなく、ラベルのインパクトでも他を圧倒している。上品で高級感があるラベルは箔が押してあるため、贈答品やお祝いの品としても最適だ。

徹底的にこだわり抜いた米と水

こだわり抜いた素材で作られている十四代は、東北地方の気候と風土に合わせた酒水を作り出すだけで18年の年月をかけている。

  • 米⇒酒未来、龍の落とし子、山田錦など
  • 水⇒山形県村山市に積もる良質な雪解け水

徹底的にこだわり抜いた米と水だけではなく、当然だが杜氏の天才的な手腕も欠かせない

十四代を完成させた高木顕統氏は蔵に入ってからは、毎晩のように大学時代の恩師や研究員にアドバイスを求め、実行と失敗を何度も繰り返して究極の日本酒を完成させている。

また、日本酒を最高の状態で出せるようにするため、東京だけにターゲットを定めるという策略を展開する。自ら足を運び、すべての条件をクリアできるお店を厳選したのだ。

十四代は偶然できた代物ではない。蔵元の経営戦略と最高峰の味わい、その両方が高次元で融合したことで完成された奇跡の逸品なのである。

十四代の種類とそれぞれの特徴

十四代からはさまざまな種類の日本酒が販売されており、それぞれで特徴が異なる。以下では、十四代の中でも特におすすめしたい逸品を紹介していこう。

十四代 純米吟醸 龍の落とし子

十四代 純米吟醸 龍の落とし子

高木酒造のオリジナル酒造好適米である純米吟醸の「龍の落とし子」。

高木辰五郎氏が18年をかけて交配と育種を経て作られた酒造好適米を80%使用しており、米の甘みと旨味を存分に堪能できる逸品である。

黒のラベルは威圧感があり高級感を感じさせる。飲む前から奥深さを感じさせる期待感があり、栓を開けた瞬間からフルーティーでキレがある香りを感じられる。

十四代 純米大吟醸 播州山田錦

十四代 純米大吟醸 播州山田錦

酒造好適米として知られる山田錦を採用している純米大吟醸の「播州山田錦」。

厳選された米は兵庫県の特A地区で栽培されたものだけを選び、特A地区産山田錦を贅沢に35%まで磨き上げて造られている

独特の豊潤な香りを最大限まで引き出すため、長期低温発酵に加えて手しぼりの「ふね」という機器を使い丁寧に仕上げているため、生産数が他の十四代に比べて非常に少ない。

メロン系のフルーティーな香りで、はっきりとした甘みが口の中に広がる味わいが特徴。完璧なバランスにより、山田錦の旨味を表現している完璧な逸品だ。

しかし、前述したように極めて生産数が少ない商品なので、希少性はかなり高い。高い需要が安定している商品なので、定価で購入できる特約店で購入するのは至難の業である。

十四代 大吟醸 双虹

十四代 大吟醸 双虹

毎年11月のみ限定で販売されている大吟醸の「双虹」は、十四代の中でも極めて入手が困難な日本酒である。十四代の中では4番目に高い価格で流通しており、ネット通販では10万円を超える価格で発売されるケースも珍しくない程の高級品だ。

その味わいは、飲んだ人すべてを虜にする程フルーティー。もともと十四代はフルーティーな香りが特徴の日本酒ではあるが、双虹はさらにその香りを膨らませ、そこへシャープな切れを残した口当たりであるため、多くの人がその味わいに驚愕するはずだ。

それでいて酸味は少なく滑らかであり、後味も爽快なので何杯でも飲めてしまう。個人で入手するには高額ではあるが、お店で提供しているところを見つけたら、ぜひ一杯は飲んでいただきたい。

十四代 純米大吟醸 七垂二十貫

十四代 純米大吟醸 七垂二十貫

高木酒造の伝統的な製法で造りあげた最高傑作の「七垂二十貫」。

七垂二十貫とは、二十貫の米から搾り取れる量が「わずか七垂れ」という意味。価値を高めている理由は手間暇をかけた製造方法だけではなく、7月と10月のみ出荷される限定品という希少価値も挙げられる。最高の状態で出荷できる時期しか販売していないのである。

濃厚かつフルーティーという十四代の特徴は残しつつ、雑味がなくて甘味と酸味が強いという個性がある。後味はほんのりと甘いため、誰でも飲みやすい至高の逸品だ。

定価は一升瓶サイズの1800mlが11,000円という設定だが、まずこの値段では買えないだろうという位のプレミア酒である。一般的には、7万円前後で取り引きされることが多い。

十四代 本丸 秘伝玉返し

十四代 本丸 秘伝玉返し

十四代が日本酒界隈で一大旋風を起こした要因とされている「秘伝玉返し」。

1995年に、一升瓶を2,000円という価格で発売したところ瞬く間に大流行。端麗辛口が主流だった時代に芳醇旨口という新しい角度からの日本酒が登場したことで、高い注目を集めた。

長きに渡り十四代のスタンダードとして愛されている秘伝玉返しは、豊潤な香り、絶妙なバランスのうえで成り立つ甘味と辛味が特徴。十四代の一杯目に強く推奨したい逸品である。

まとめ

幻の日本酒と呼ばれている「十四代」は、誕生から現在に至るまでプレミア酒という地位を確立したまま愛され続けている名酒である。

高額なプレミア価格が付いているため定価で購入するのは極めて困難ではあるが、一度でも飲めばフルーティーな味わいと香りの虜になることは間違いない。

日本酒が好きな人は、ぜひ人生で一度は十四代を嗜んでいただきたい。

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