大衆酒場において、「もつ」はもつ鍋やもつ煮、もつ焼きなどで提供される人気商品だ。もつをより楽しむために、ハツやシロといった部位名と知っておきたい特徴について説明する。

「もつ」の部位名と特徴を知り、今宵も旨い酒を飲む

大衆酒場では、もつを注文する人も多い。もつにはさまざまな部位があり、どれにするか迷うこともある。部位の種類・特徴や違いを知って、ぜひ次回の注文の参考にしてほしい。

牛もつ

・ミノ
牛にはミノ、ハチノス、センマイ、ギアラの4つの胃が並んでいる。ミノはもっとも大きな胃で、弾力があり噛み応え満点。味は淡泊で、タンパク質やビタミンB12などの栄養素が豊富に含まれている。脂身が挟まったミノサンドと呼ばれる部分は、噛むと口の中に脂が溶け出しとても美味しい。

・ハチノス
ハチノスは、内部がハチの巣のような形状をしている。味はミノと同じく淡泊でタレによく合うが、ミノと違って柔らかいため食べやすい。

・シマチョウ(テッチャン・ダイテツ・ホルモン)
表面が縞模様のため、牛の大腸のことをシマチョウと呼ぶ。お店によってはダイテツ、テッチャン、ホルモンと呼ばれる。やや歯ごたえがあり、マルチョウ(小腸)よりも脂身が少なくあっさりしている。もつ鍋によく使われる。

豚もつ

・カシラ
豚のこめかみと頬の部分にあたるのがカシラ。顎を動かす筋肉であるため、脂肪が少なく歯ごたえがある。

・シロ
豚の大腸のこと。店によってはダイチョウと呼んだり、小腸と合わせてシロと呼んだりする。ビタミンDやE、葉酸など多くの栄養素を含み、噛むほどに味わいが口に広がる。

・ガツ
豚の胃。砂肝のような独特の食感が特徴。カロリーが低くあっさりとした食べごたえだが、タンパク質が多く含まれているため積極的に食べたい部位だ。

酒場の雑学・もつとホルモンの違いとは

もつとホルモンは同じものだ。それなのになぜ呼び方が異なるのか、ご存じだろうか。

もつは関東地方で一般的に使用される名称で、「臓物」の「もつ」から来ているという説がある。いっぽうホルモンは関西地方での呼び名で、昔は臓物を食べずに廃棄していたため「放るもん(=捨てるもの)」が語源とされている。

ビールと相性抜群のもつ

酒のつまみといえば唐揚げや枝豆、塩辛など、塩分を感じるものが多く挙げられる。その理由はビールの成分にある。

ビールには血液に必要なナトリウムが含まれていない。ビールを飲むと水分ばかりが摂取され、血液が薄まってしまう。そのため、ビールを飲むと自然とナトリウム=塩分が含まれた料理が食べたくなる、というわけだ。

つまみの中でももつは、タレで焼いたり塩をかけたりと味にバリエーションがある。もつだけで長時間酒を楽しむことができるため、酒のつまみとしては実に優れものなのだ。

もつは部位によって食感が異なり、飽きのこない料理だ。もつ鍋やもつ煮、串など自分好みの部位と味を見つけ、酒場の楽しみを増やしていきたい。