レストランでワインを選ぶとき、ラベルの見方が多少でも分かると、ワイン選びが楽しくなるはずだ。ここではワインラベルの基本情報や、生産国別に異なる読み方を紹介しよう。

ラベルの基本情報

ワインラベルは別名エチケットと呼ばれ、以下のような情報が表示されている。

  • ワインの商標
  • ブドウの収穫年
  • 原産地統制呼称
  • ブドウ品種
  • 生産国
  • 生産者など

これらは、ワインを選ぶ際の基本的な指針であると同時に、必要最低限の情報だ。

ラベルに書いてある年数は、ワインは製造年月日ではなくブドウの収穫年を記載する。熟成させるため翌年以降に瓶詰めすることも多い。

生産者は個人名でなくシャトーやワイナリーなど社名の場合もある。仲買業者がブレンドし、瓶詰めを行うこともあれば、生産地で一貫して行うこともあるだろう。アルコール度数や容量の表示などは他のアルコールと変わらないが、南の暖かい地方ほど度数が高いようだ。

また、原産地統制呼称とは、ワイン産地名を名乗ることをその国が保証する制度で、栽培法や剪定法、醸造法など厳しい品質基準がある。

このようにワインラベルには、いつ、どこで、誰が、どのようなワインを造ったかが記されている。ある程度読み方を知っておけば、そのうち口にせずとも、その味が想像できるようになる日が来るかもしれない。

国別に微妙に異なるワインラベル

EU加盟国のワイン法では情報をラベルに記載する義務がある。基本情報は共通だが、国別に細かい表記内容が変わるので、産地国ごとにワインラベルの特徴、格付けの違いを解説しよう。

フランス

昔からA.O.Cと呼ぶ原産地保証制度があり、A.O.C区分でラベルの情報は異なる。フランス北東部で生産されるブルゴーニュワインは1種類のブドウから造られ、希少性が高い順に、グラン・クリュ(特級畑)、プリミエ・クリュ(1級畑)、ヴィラージュ(村名)、レジョナル(地方名:この場合ブルゴーニュ全体)となる。

生産者やブドウの収穫年は任意記載だ。フランス西部で生産される赤ワインで有名なボルドーワインは、7つの地区の村名や瓶詰元が表示される。A.O.Cの格付け表示はないが、シャトー・システムと呼ばれる格付け方法が採用されている。

イタリア

産地名やワイナリーが膨大にあり、ラベルに地名を自由につけてよいため、フランスワインのように産地情報を読み取るのが難しい。A.O.Cのような格付けの原産地呼称があり、希少性が高い順に略称のDOCG、DOC、IGT、VdTとなる。新しいワイン法ではDOP、IGP、VINOとなっている。他に熟成年度などで品質を示すランクではリゼルヴァ、スーペリオーレ、クラシッコがあるが、区分はあいまいだ。

ドイツ

ワインの名称が長いとされるドイツワイン。村名やブドウ畑、品種、等級、収穫年まで分かるが、ラベルが読めない人には非常に困難だろう。そのため自家ブドウ園産に限り、醸造所名だけ表示し、ラベルの簡素化が始まっている。

ワインの格付けは、生産地域限定上級ワインを示すQ.b.A、生産地域限定格付け高級ワインを表すQ.m.pがある。Q.m.pはQ.b.Aより最低糖度が高く、ブドウ果汁糖度の等級により甘口か辛口か分かる。

ちなみに、よく耳にするワインの言葉で「ヴィンテージワイン」という言葉がある。一見すると、高級ワインというイメージがあるが、「ヴィンテージ」とはブドウの収穫年を意味する言葉である。

ヴィンテージワインは、EU加盟国の生産ワインは収穫年のブドウを85%以上使用することが義務付けられているが、古ければよいというわけではない。ヴィンテージワインはあくまで収穫年がわかっているワインというだけで、「ヴィンテージ」という言葉の響きに惑わされないようにしたい。