はじめに
自宅でブランデーを嗜む方は多いことだろう。ブランデーを長期にわたって美味しく飲むためには、その保存方法が大切である。
賞味期限がないと思われがちのブランデーではあるが、実は開封することで酸化が始まる。この記事では、そんなブランデーの賞味期限と保存方法について詳しく解説していく。
正しい保存を心がけ、より長くブランデーを楽しもう。
ブランデーの賞味期限
保存と聞いてまず気になるのは、ブランデーの賞味期限ではないだろうか。実は、ブランデーはアルコール度数の高さ(約40度)ゆえに菌が繁殖しづらいため、賞味期限がない。大抵のブランデーに賞味期限・消費期限の記載がないのは、それが理由だ。
しかし、一度開封してしまうと空気に触れ、酸化が始まる。そのため、開封後美味しく飲める期間は、およそ6ヶ月~1年だといわれている。賞味期限がないとはいえ、開封すると劣化が始まることには注意しよう。例外的に、35年以上熟成された古いブランデーは、開封して1年経過するとまろ味が出て美味しくなるとされる。
また、保存状態がよくないと劣化が早まってしまう点も要注意だ。とくに気をつけたいのがコルクの劣化で、コルクは長期間放置すると乾燥し、ボロボロになって崩れ、ブランデーの中に混入することがある。こうなるとコルクの香りがブランデーに混じり、風味を損ねてしまう。
そこで、ブランデーを横向きに置いて、コルクを湿らせながら保存する方法がある。しかしこの方法も、中身がコルクに触れる時間が長いため、香りが移る可能性は否定できない。縦置きと横置きのどちらがよいかは諸説あるが、コルクがブランデーの中に落ちてしまった場合は、コーヒーフィルターなどで濾すのが一番だろう。
ブランデーの保存方法
続いては、ブランデーの保管方法について、未開封時と開封後の2パターンに分けて解説する。
未開封の場合
直射日光と高温を避け、冷暗所で保管しよう。たとえば、キッチンの床下収納や押し入れなどが挙げられる。コニャックなら15~20度程度の常温でも保存可能だ。冷蔵庫に入れるとアルコールの刺激が強まり、風味を感じづらくなるため、あまりおすすめできない。
開封後の場合
冷暗所に保管するという点では、未開封の場合と変わらない。開封後は、なるべく酸化を防ぐために、ボトルとコルクの間をシールテープで覆うとよいだろう。「パラフィルム」で検索すると、ネットでも購入可能だ。
長期にわたって楽しめるブランデー。美味しく飲むためには、保管する環境や方法に気を配ることが大切だ。また、時間経過による酸化やコルクの劣化にも注意する必要がある。適切な保存を心がけることはもちろんだが、開封後は美味しく飲めるうちに飲んでおくこともまた、ブランデーを嗜む者の作法といえよう。
ブランデーは自宅でも熟成されるのか
ブランデーは蒸溜所の樽の中で長時間熟成され、瓶詰めしたものが我々の手に届く。では、購入したブランデーをそのまま置いておけば、さらに熟成(追熟)されるのかといえば、それは大きな間違い。
あくまで、熟成とは樽の中に入っている状態で進むので、瓶の中で追熟されることはないのだ。ちなみに、ワインの場合はワインセラーなどで湿度や温度管理を正しく行えば熟成される。
ブランデーのおいしい飲み方
ブランデー本来の味わいと香りを楽しむなら、ストレートで飲むのが一番だ。水や氷といった混じり気を一切省くことで、ブランデーが持つスペックのすべてを感じ取ることができるだろう。ただ、アルコール度数が少々高いため、苦手な人や初心者は水や炭酸水などを注いだチェイサーを用意しておくと安心。
また、ブランデーは常温で飲むのが基本。ブランデーの良さが存分に引き立つ温度は18~20℃とされており、これを意識するといいだろう。以下の記事では、基本の飲み方からおすすめのカクテルまで詳しく解説している。ぜひ目を通してみてほしい。
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