ワインと言えば赤と白というのは、もはや一昔前の常識かもしれない。近年、人気・消費量ともに熱い盛り上がりを見せているのがロゼワインだ。フランス語でバラ色を意味する「ロゼ」。その名を持つワインの特徴と魅力を紹介する。
世界で愛される「ロゼワイン」の魅力とは

ワインの本場フランスをはじめ、アメリカなど世界各国で人気が高まっているロゼワイン。
その人気の理由は、いわゆる「SNS映え」がする華やかな見た目と共に、軽い飲み口やさまざまな料理との合わせやすさにもある。その色合いから甘口のイメージを持たれることも多いが、意外にも主流は辛口だ。
赤ワインや白ワインとの違いは何か
赤・白・ロゼそれぞれの色合いと味わいの差異は、その製法の違いから生まれる。
赤ワインの場合、黒ブドウを原料としてその皮や種を取り除かないまま発酵させるため、深い赤色と渋みを含む風味になる。
白ワインの場合は主に白ブドウを原料とすることが多いが、黒ブドウを原料とする場合も発酵前に皮や種を取り除くことで、澄んだ色とすっきりとした味わいになる。
ロゼワインはというと、これにはいくつかの製法があり、同じロゼでも作り方によってさまざまな段階がある。次の項目で、詳しく見ていこう。
美しき色の秘密。ロゼワインの代表的な製造方法
ロゼワインの代表的な製造方法には以下の3つがある。それぞれ合わせやすい料理と共に紹介しよう。
セニエ法
ロゼワインの中でも、もっとも濃い色合いを作り出す製法。赤ワインと同様、黒ブドウを原料とする。皮や種を残したまま短期間寝かせ、その後果汁だけを取り出して発酵させる方法だ。肉料理や中華などエスニック料理と相性がよい。
直接圧搾法
こちらも黒ブドウを原料とするが、ブドウをプレスした後すぐに皮や種を取り除いて発酵させる。潰すときに皮などにある色素がわずかに残り、ごく淡いピンク色の酒となる。魚介料理や和食と相性がよい。
混醸法
黒ブドウと白ブドウをあらかじめ混ぜてプレスし、発酵させる方法。混合の割合によっても色合いは異なるが、辛口のものが多いため、こちらは肉料理に合う。
なおヨーロッパでは原則として発酵後の赤ワインと白ワインをブレンドすることはタブーとされているが、スパークリング、いわゆる「シャンパン・ロゼ」ではブレンドが認められている。
赤と白、両方のよいところを兼ね備えたロゼワイン。季節を問わずさまざまなシーンで、ぜひ気軽に味わってほしい。