9894男の教養。ワインラベルの読み方を学ぶ|EU加盟国のワイン法(フランス・イタリア・ドイツワイン)

男の教養。ワインラベルの読み方を学ぶ|EU加盟国のワイン法(フランス・イタリア・ドイツワイン)

男の隠れ家編集部
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ワインのラベルには名称だけでなく、収穫年、ブドウ品種、生産国、原産地統制呼称などの情報が記載されている。フランス、イタリア、ドイツなどワイン生産国別に特徴や格付けが異なるワインラベルについて解説し、ワインについて理解と教養を深めていく。
目次

レストランでワインを選ぶとき、ラベルの見方が多少でも分かると、ワイン選びが楽しくなるはずだ。ここではワインラベルの基本情報や、生産国別に異なる読み方を紹介しよう。

ラベルの基本情報

ワインラベルは別名エチケットと呼ばれ、以下のような情報が表示されている。

  • ワインの商標
  • ブドウの収穫年
  • 原産地統制呼称
  • ブドウ品種
  • 生産国
  • 生産者など

これらは、ワインを選ぶ際の基本的な指針であると同時に、必要最低限の情報だ。

ラベルに書いてある年数は、ワインは製造年月日ではなくブドウの収穫年を記載する。熟成させるため翌年以降に瓶詰めすることも多い。

生産者は個人名でなくシャトーやワイナリーなど社名の場合もある。仲買業者がブレンドし、瓶詰めを行うこともあれば、生産地で一貫して行うこともあるだろう。アルコール度数や容量の表示などは他のアルコールと変わらないが、南の暖かい地方ほど度数が高いようだ。

また、原産地統制呼称とは、ワイン産地名を名乗ることをその国が保証する制度で、栽培法や剪定法、醸造法など厳しい品質基準がある。

このようにワインラベルには、いつ、どこで、誰が、どのようなワインを造ったかが記されている。ある程度読み方を知っておけば、そのうち口にせずとも、その味が想像できるようになる日が来るかもしれない。

国別に微妙に異なるワインラベル

EU加盟国のワイン法では情報をラベルに記載する義務がある。基本情報は共通だが、国別に細かい表記内容が変わるので、産地国ごとにワインラベルの特徴、格付けの違いを解説しよう。

フランス

昔からA.O.Cと呼ぶ原産地保証制度があり、A.O.C区分でラベルの情報は異なる。フランス北東部で生産されるブルゴーニュワインは1種類のブドウから造られ、希少性が高い順に、グラン・クリュ(特級畑)、プリミエ・クリュ(1級畑)、ヴィラージュ(村名)、レジョナル(地方名:この場合ブルゴーニュ全体)となる。

生産者やブドウの収穫年は任意記載だ。フランス西部で生産される赤ワインで有名なボルドーワインは、7つの地区の村名や瓶詰元が表示される。A.O.Cの格付け表示はないが、シャトー・システムと呼ばれる格付け方法が採用されている。

イタリア

産地名やワイナリーが膨大にあり、ラベルに地名を自由につけてよいため、フランスワインのように産地情報を読み取るのが難しい。A.O.Cのような格付けの原産地呼称があり、希少性が高い順に略称のDOCG、DOC、IGT、VdTとなる。新しいワイン法ではDOP、IGP、VINOとなっている。他に熟成年度などで品質を示すランクではリゼルヴァ、スーペリオーレ、クラシッコがあるが、区分はあいまいだ。

ドイツ

ワインの名称が長いとされるドイツワイン。村名やブドウ畑、品種、等級、収穫年まで分かるが、ラベルが読めない人には非常に困難だろう。そのため自家ブドウ園産に限り、醸造所名だけ表示し、ラベルの簡素化が始まっている。

ワインの格付けは、生産地域限定上級ワインを示すQ.b.A、生産地域限定格付け高級ワインを表すQ.m.pがある。Q.m.pはQ.b.Aより最低糖度が高く、ブドウ果汁糖度の等級により甘口か辛口か分かる。

ちなみに、よく耳にするワインの言葉で「ヴィンテージワイン」という言葉がある。一見すると、高級ワインというイメージがあるが、「ヴィンテージ」とはブドウの収穫年を意味する言葉である。

ヴィンテージワインは、EU加盟国の生産ワインは収穫年のブドウを85%以上使用することが義務付けられているが、古ければよいというわけではない。ヴィンテージワインはあくまで収穫年がわかっているワインというだけで、「ヴィンテージ」という言葉の響きに惑わされないようにしたい。

編集部
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