49526約100万円のキャンプテントがいろいろすごかった! 規格外の魅力と楽しさを紹介

約100万円のキャンプテントがいろいろすごかった! 規格外の魅力と楽しさを紹介

男の隠れ家編集部
編集部
目次

どこの世界にも最上級は存在するものだ。キャンプテントの最上級モデルを調べたところ、約100万円という目をむく価格のテントに出会った。そいつの名前は「MAVERICK(マーベリック)」。普通のテントより1ケタも2ケタも高い理由はどこにあるのか、約100万円出してもほしいとなるのか、気になったので調べてみることにした。

■重さ約25キロ……でもほしくなる不思議

「MAVERICK」は、ドイツ発のアウトドアブランド「HEIMPLANET(ヘイムプラネット)」が販売するテントの中でも、ブランド最大サイズのテント。公式の解説に「宇宙基地のような超巨大エアフレームテント」とあるように、テント内に13平方メートルの広々としたスペースをつくりあげる。だがその代償ともいえるのが、25.9キロという重さ。

まずもって、ソロキャンプでバックパックに忍ばせて……といった身軽さは皆無。収納時も80センチ x 60センチ x 50センチと、小さい人が中に入っていてもおかしくないほどの存在感になる。この価格にこのヘビーさ、とても気軽なキャンプとはなりにくいテントだが、スペックをみていくと不思議とほしくなる魅力に触れることになる。

■知識・スキル不要。わずか5〜10分で設営完了

MAVERICKは、チューブに空気を入れることで骨格となるフレームが完成するエアーフレーム型のテント。空気によって形状を保つヘイムプラネットの独自構造により、空気を入れてふくらませるだけで、しっかり安定したテントが完成する。このため、通常のテントのようにポールを組んで……といった作業は必要なし。平らな地面を探し、ただ空気を入れるだけで快適なテントができあがる。

つまり、テントの組み立て方を知らなくても、テントを組み立てたことがなくても、空気を入れさえすれば完成するので、キャンプ初心者でもぜんぜんOK。コツや知識、スキルがなくてもキャンプに出かけられるのは、ある意味究極の気軽さといえる。

公式情報によると、2名で2台のポンプを使用して5~10分でテントが完成するというが、ブロワーなど電動の空気入れを使えば体力を消耗することなく、もっと早く設営できる。ファミリーテントくらいの大きさの設営に20〜30分くらいかかることを考えると、ほぼほったらかしでテントがひとりでに完成するのを待つだけというのは、キャンプ初心者にとってかなり興味をそそられるメリットだ。

■完成したらそこは宇宙基地。自然に佇むリビングスペース

設営が完成したら、ダイアモンド型のデザインのエアフレームに包まれた白亜のドームテントが大地に佇む。エアでふくらんだテントだとわかっていても、妙にメカニカルでSFチックな巨体は、サイトが豊かな自然の中であればあるほど良いミスマッチを感じる風景になる。広げればそこはNASAかな。

■10人泊まれる広々サイズ

テントの内径は4.1メートル、天井高は2メートル。面積にして約13平方メートルなので、テントというよりちょっとした部屋のよう。海外のレビューによれば「大きすぎてテント内で迷子になった。出口を探すのにGoogleマップ、迎えにウーバーが必要」というほどの大きさだ。

10人用なのでグループキャンプやファミリーキャンプに最適だが、ここはあえて少人数で贅沢なアウトドアリビング空間を楽しむのも良いだろう。テント内に設置された5つの窓からは、自然の借景や星空を眺めることができる。

換気を行いながらであれば、テント内でストーブを焚いたり、火を使った料理を楽しむことができ(あくまで自己責任。火気の取り扱いには十分注意を)、窓から外の絶景を見ている時以外は、広いリビングでくつろいでいるような気分になるだろう。快適すぎ。

■MAVERICKの真髄=風、水にめっちゃ強い!

MAVERICKのダイアモンド型のフレーム構造は、ヘイムプラネットの技術である五角形のエアフレーム「INFLATABLE DIAMOND GRID」を採用。もとはウインドサーフィンの大会のためにつくられたテントで、時速180キロメートルの風に耐えることができるという。

ちなみに、気象庁は時速140キロメートル以上を「電柱や街灯で倒れるものがある」「走行中のトラックが横転する」レベルの「強烈な風」としている。それほど悪天候の日に出かけることはなさそうだが、急な天候の変化や強風にあおられることもあるのがキャンプ。うねる風にテントポールを曲げられてしまうとしょんぼりしてしまうため、MAVERICKのケタ違いの耐風性に強い安心感を得られるだろう。特に災害時に備えておけば、胸をなでおろす日が来るかもしれない。

また、一般的なテントでは耐水圧の基準を1,000〜2,000ミリとしているところ、MAVERICKは大雨にも耐えられる10,000ミリ。いろいろ体験することがなさそうな数字を設定しているMAVERICKだが、「とにかく安心したまえ」と言ってくれているようで心強い。

さらに、エアフレームテントは穴が空いたら…という不安があるが、アウターフレームに強靭な厚手のポリエステルを採用しているため、基本な使い方をしていれば穴が開く心配はないという。

■撤収は空気を抜くだけ! 数十秒で完了

テントを撤収する時は、空気を抜く蓋を開けるとみるみる巨体がしぼんでいく。数十秒でしゅんと地面にくずれていく。自重でくずれたあとは、残りの空気を抜くようにくしゃっと折りたたみながら収納バッグに入れるだけ。ポールを解体してまとめたりする必要も一切ないため、ズボラなキャンプ初心者の心をわしづかみにしてくる。こんなに簡単でいいのだろうかと拍子抜けするほどだ。

■結論:MAVERICKはテントにあらず。持ち運び可能なリビングスペース

耐風、耐水など、悪天候に耐えられるMAVERICKのハイスペックは、プロユースに最適化されたものだ。そうと知っていながらも、キャンプの知識がない人でも気軽に使える娯楽性の高さと安心感は、むしろキャンプ初心者にとって買い要因が大きいのではないだろうか。

星を見たくなったら、車に積んで大地へと向かう。目的地についたら、体力を消耗することなく快適なアウトドアリビングが完成――MAVERICKが家と異なる最大の点は、好きな景色を選んでリビングを持ち運べるということ。こんな贅沢さ、ビシビシとロマンを感じるではないか。

ラグジャリーなロッジやグランピング旅行も良いが、こうした旅に家族や仲間で数回出かけることを考えれば、けして高すぎる買い物ではない。「次はどこをリビングにしよう?」――そんな想像をしながら旅の計画を立てられるなら、ちょっと奮発してみる価値はありそうだ。価格が価格だけに、他の人とテントがかぶらない優越感も捨てがたいぞ。

■ほしい! 買う! という人へ

いろいろ規格外なMAVERICKだから、移動時や収納時のよっこらしょ感は多少目をつむる必要がある。コンパクトに収納しても車の荷台のほぼ半分を占領するので、大きめの車を相棒にするのがおすすめだ。

また、巨体のため、雨に濡れたら乾燥させるのに時間がかかることも留意点。悪天候に耐えられる仕様ではあるが、気軽に使いたければ天気の良い時の利用に限るのが良いだろう。

■ほしい! でも買えない! という人へ

空気でふくらむテントは他にもある。ヘイムプラネット製にも、もう少しコンパクトでリーズナブルなものがあるので、まずはそちらから体験しても良いだろう。

通常のテントに比べ、いろいろ規格外の基準とスペックを見せつけてくるMAVERICK。得られる体験のポテンシャルも規格外と考えると、手が届くアイテムに思えてくるのではないだろうか?

【商品詳細】MAVERICK(マーベリック)

価格:96万8,000円(税込)※受注生産販売
使用人数:10人
使用サイズ:設置面積13.2平方メートル 全高234cm/インナー200cm
収納サイズ:50×60×80cm
重量:25kg
素材:フライシート/PUコートリップストップポリエステル(耐水圧10,000mm)、グラウンドシート/PUコートナイロン(耐水圧10,000mm)

編集部
編集部

いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る