なぜか儚くエモい気分になる秋。一説によると、日照時間の減少や昼夜の気温差により、気持ちに変化が現れやすい季節というデータもあるように、秋はそこはかとなくセンチメンタルな気分になるものらしい。
言い換えれば、秋は物悲しい気分が似合う季節。ならば、思いっきりエモい気分にひたって過ごすのも秋の楽しみ方の一つではないだろうか。今回は、そんな秋の切ない気持ちをグッと盛り上げてくれそうなセンチメンタル絶景スポットを探してみた。
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■異世界からのスポットライトか
濃溝の滝・亀岩の洞窟(千葉)
「ジブリの世界」「神々しい」とSNSでも絶賛されることが多い千葉県の濃溝の滝・亀岩の洞窟(のうみぞのたき・かめいわのどうくつ)。笹川の上流部にかかる滝を、包み込むように佇む洞窟が楽しめる美しいスポットだが、エモさを求めていくなら早朝がおすすめ。
朝日が洞窟の中を抜けて川面に差し込む様子が、異世界とこの地を結ぶ光の道にも見え、自分が選ばれしなにかの使者になった気分になれるとかなれないとか。優しく舞い降りるように降り注ぐ光のスポットライトに、心を丸裸にされに行こう。
▼濃溝の滝・亀岩の洞窟
君津市笹1954
公式サイト
■秘密の神殿に迷い込んだ気分に
首都圏外郭放水路(埼玉)
埼玉県の春日部にある「防災地下神殿」こと首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)は、映画やドラマのロケ地としても使われることの多い、映えるスポット。
洪水になった際に被害を軽減するためにつくられた施設だが、「地下神殿」と崇められるのは調圧水槽エリア。天井高18メートルの空間を、一定間隔で支えるようにそびえ立つ重量500トンの巨大な柱が並ぶ光景は、まさに地下に潜む神殿のよう。
秘密結社か極秘組織の中枢に迷い込んだ気分にひたれるここでは、追い詰められた切迫感や絶望感がよく似合う。拳をにぎりしめて立ち尽くすとさらにエモさが増しておすすめだ。
▼首都圏外郭放水路
埼玉県春日部市上金崎720
公式サイト
■心に眠る情熱を呼び覚ます
ひたち海浜公園(茨城)
秋といえば紅葉だが、エモーショナルなスポット選びでは、燃えるような真っ赤な光景で心を揺さぶりたいところ。茨城県のひたち海浜公園では、広大な大地に約32,000本のコキアが立ち並ぶエリアがあり、秋が深まるにつれ、緑が真紅へと深まり、あたりの雰囲気をガラリと変えていく。
秋だけに見せるコキアの赤は、物静かながら秘めたる怒りを表現しているかのようにも見え、見る者の心に眠る情熱を刺激してくる。叫びたくなる衝動をグッとこらえて心の対話を楽しもう。
▼国営ひたち海浜公園
茨城県ひたちなか市馬渡 字大沼605-4
公式サイト
■エモいセンチメンタルスポットの楽しみ方
訪れるだけでも心のスイッチを押してくれるセンチメンタルスポットだが、よりディープな気分にひたりたいなら、ちょっと悲しげなお気に入りの音楽を連れて行くのもおすすめ。とくに悩みや不満がなくても「くそっ…なんで◯◯なんだ!」と疑問を抱いて心の中で叫んだり、ふだんは赤面するような芝居がかったセリフを心の中で吐いてみるのもいいだろう。
泣けるほど幻想的な絶景スポットで、不安定な秋の心を思い切り満喫してみてほしい。