忙しい日々の合間に、ささやかな贅沢を欲している方は多いだろう。そんな方々にぜひおすすめしたいのが「銭湯」だ。当記事では、銭湯の魅力や楽しみ方について解説する。家のお風呂では味わえない非日常感をご堪能いただきたい。

意外と知らない「銭湯」の位置づけ

銭湯とは、端的にいうと「お湯を貸してお金を取る公衆浴場」のことである。料金は都道府県ごとに決まっていて、2019年時点での最低料金は280円(佐賀県)、最高料金は 470円(東京都・神奈川県)と、地方によってかなりの幅がある。

銭湯の起源は、奈良時代の寺院で行われていた「施浴」とされているが、今のように大衆化したのは江戸時代からという説が有力だ。

実は多くの方が知らないか、あるいは勘違いしていることだが、銭湯は温泉やスーパー銭湯などとは似て非なるものである。

そもそも温泉は、「温泉法」が指定する成分を一つでも含むものを指すため、銭湯とは根本的に扱いが異なる。中には温泉をお湯に使用した銭湯もあるが、それらは「公衆浴場法」に則り「一般公衆浴場」として扱われるので、いわゆる温泉と呼ばれる施設にはならない。

一方、健康ランドやスーパー銭湯は公衆浴場法の適用を受けた施設ではあるが、保養や休養を目的としているため、「その他の公衆浴場」として明確に分類されている。

このように、温泉やスーパー銭湯とは法的な違いがあるということを知っておくと、銭湯でのひとときがより特別に感じられるだろう。

「昭和」の原風景が今なお残る銭湯の楽しみ方

銭湯は、楽しみ方さえ覚えると途端に魅力的な空間に早変わりする。

定番の風景画や番台、脱衣場のロッカーなどに漂うレトロで開放的な雰囲気は、子供時代の郷愁漂う「昭和」の名残を今なお留めている。お世辞にも豪華とはいえないチープな設備も、むしろ味わい深くて粋な趣を感じられる。最近では、有名建築家がデザインしたお洒落な銭湯もオープンしており、また違った銭湯を楽しむことができる。

また、ゆず湯・しょうぶ湯といった季節のお湯や、薬湯や電気風呂などの変わり種を手軽に楽しめるのも、銭湯の魅力だ。自宅では味わえない大きなお風呂で浸かれば、並々と溢れるお湯からマイナスイオンが放出され、より高いリラックス効果が期待できる。

銭湯には、水風呂やサウナなど併設されているところも多いが、熱いお湯と水風呂、もしくはサウナと水風呂を交互に浸かる交互浴が楽しめる。この交互浴には、温浴で副交感神経、冷浴で交感神経が刺激され、自律神経のバランスが整えられるという効果がある。体の芯から温まり、ぐっすりと熟睡できること請け合いだ。

近年では、銭湯を地域のコミュニティとして再評価する声や取り組みが活発化してきているため、新たな出会いにも期待できるだろう。腰に手を当てて、おなじみ「風呂上がりの一杯」を飲み合えば、もう立派な銭湯仲間の誕生だ。

「たまの休みに、なぜ銭湯なのか?」と疑問に思われる方も多いだろう。たまの休みだからこそ、普段着のままふらりと行ける銭湯がよいのだ。