寒さが和らぎ、アウトドアの季節がやってくる。春の自然は眺めるだけでも素晴らしいが、もう一歩踏み込んだ楽しみ方に、「食べる」がある。春の野山は食材の宝庫なのだ。食べられる野草の特徴、食べ方などを紹介する。

野山にでかけ、春野草を食す

食べられる野草の代表格として、ふきのとう、たんぽぽ、つくし、なずななどが挙げられる。中でも、食用として最も親しまれているのは、ふきのとうではないだろうか。春の訪れを感じさせる新鮮な苦味で愛されている。天ぷら、煮物、味噌汁の具など調理法は様々で、高血圧に効果があるカリウムなど、栄養も豊富だ。

たんぽぽ、つくし、なずなについては食材になることを知ってはいても、実際に口にする機会は、それほど多くないだろう。

たんぽぽは、根、葉、茎、花、すべての箇所が食用として使われる。ビタミンA・C、鉄、カルシウム、カリウム、カロテノイドなど栄養素も豊富で、ほうれん草やブロッコリーなど、栄養素が高いことで有名な野菜と比べても決してひけを取らない。サラダや天ぷら料理の他、茶やコーヒーにも使用できる優れものだ。

近年、急速に外来種が増えているが、苦味が強いためサラダなどで食すには在来種がいいだろう。ぱっと見はよく似ているが、よく見ると外弁が下向きになっているものがある。それが外来種だ。

つくしはビタミンC・E、カロテンなどの栄養素が豊富かつ、花粉症にも効果があるとされている。茹でてから佃煮、酢の物、和え物などにするのが一般的だ。

ぺんぺん草の愛称で親しまれているなずなは、春の七草のひとつにも数えられ、肝臓病、解熱、下痢、便秘、高血圧、生理不順、目の充血などさまざまな効能があるとされている。七草がゆだけなく、生、お浸し、和え物など、食べ方のバリエーションも豊富だ。

ただし、春になれば比較的気軽に入手できる野草だが、中には毒を持つものもある。食用に適していると確信できない場合は、手を出すのを控えるべきだろう。ふきのとうによく似たハシリドコロという野草は、間違って食べると嘔吐や痙攣などに苦しむことになる。野草を見つけたときには、植物図鑑や検索アプリなども参考にしてみてほしい。

野草茶で健康を整える

先に述べたたんぽぽの他にも、乾燥させ茶として飲まれる野草がある。それらの多くは嗜好品としてだけではなく、健康面での効果が期待できるものばかりだ。

腹痛や貧血などへの効果が指摘されているよもぎは、古くから薬草として知られる。利尿作用によるデトックスも期待でき、栄養素も豊富な上、体を温める作用もあるので、お茶に打ってつけだ。

すぎなとは、つくしが枯れたあとに生えてくる草のことだ。よもぎと同様、利尿作用がある他、解熱作用、腰痛やリウマチの痛みにも効くとされている。

オオバコにも利尿作用があると言われている。せきや痰、視力向上にも効果があり、さらに特筆すべきは、がんを予防する抗酸化物質を多く含んでいるということだ。

紹介した野草はすべて、日本の広い範囲に分布している。キャンプや登山の際に採取するのはもちろんのこと、ちょっとした散歩の最中にも見つけられるだろう。ぜひ、何気ない緑にも目を向けてみてほしい。