目次
一月〈睦月〉January
元日 | 若水祭 《日向大神宮 (山科区)》 古儀にならい、毎年元旦の早朝境内の霊泉より汲み上げられる若水を、神前に献供して国家安泰や無病息災などの祈願祭が行われる。三が日の間、若水は一般参拝者にも授与される。 |
元日~ 3日 | 皇服茶 《六波羅蜜寺 (東山区)》 元旦に汲んだ水(若水)を使用して点てた茶に、小梅と昆布を入れた皇服茶(大福茶)が仏前に供される。三が日の間は一般の参拝客にも振る舞われ、その年の病気平癒を祈願する。 寺伝によれば、平安時代に病が流行した際、開山の空也上人が仏前に献じた茶で天皇や人々の病気を平癒したという。 京都市東山区五条通大和大路上ル東 ☎075-561-6980 参拝時間/8時~17時 アクセス/京阪電鉄「清水五条駅」より徒歩約10分 |
元日~ 3日 | 初大国祭 《地主神社 (東山区)》 古代縄文より伝わる石笛を奏し、新年のご利益のある神様を呼ぶ。厄除け開運お祓いのあと、縁結び良縁達成の祝詞があげられる。この祭典の参拝者には「開運こづち」の無料授与もある。 |
2日~ 4日 | 筆始祭/天満書 《北野天満宮 (上京区)》 「三聖」と称えられた菅原道真公を偲び、書に親しむ人々の技芸の向上をお祈りする筆始祭を斎行し、続いて天満書を行う。天満書とは天神様の御神前で書初めを行い書道の上達を願うこと。 |
2日 | 釿始め 《広隆寺 (右京区)》 番匠(ばんしょう)と呼ばれた建築の工匠が、一年の安全を祈願する。古式の衣裳で、儀式用の釿(ちょうな)を用いて厳粛に行われる。昔は大きな建築を始める時にも行われたという。 |
3日 | かるた始め式 《八坂神社 (東山区)》 十二単姿のかるた姫たちによる古式豊かなかるた取りの手合わせが行われる。境内には小倉百人一首を読み上げる声が流れ、華やかな雰囲気の中で正月気分が一層盛り上がる。 主祭神である素戔嗚尊(スサノオノミコト)の詠んだ歌が、日本で最初の31文字の和歌とされていることに由来する。 京都市東山区祇園町北側625 ☎075-561-6155 参拝時間/9時~17時 アクセス/京阪電鉄「祇園四条駅」より徒歩約5分 |
3日 | 修正会 《東寺 (南区)》 御影堂内で、僧侶が厄除けの御宝印を祈願する。その御宝印で堂内の柱や僧の頭に朱印を押して回っていく。その後は御影堂の南側で、一般の参拝者も御宝印を受けることができる。 |
3日 | 蹴鞠はじめ 《下鴨神社 (左京区)》 大勢の人垣が取り囲んで見守る中、蹴鞠が奉納される。地面に落とさないように巧みな足さばきで蹴り上げて渡していく様は、競技のようでありながら、儀式的な芸能の様子を呈している。 |
7日 | 白馬奏覧神事 《上賀茂神社 (北区)》 年の始めに白馬(青馬)を見ると一年の邪気が祓われるという故事にのっとった宮中の儀式である「白馬節会」が神事化されたもの。神前に七草粥を供え、神馬「神山号」を神覧に供する祭典。 |
8日〜 12日 | 十日ゑびす大祭(初ゑびす) 《京都ゑびす神社 (東山区)》 五日間にわたり、商売繁昌・家運隆昌を祈願する。吉兆笹をはじめとし、様々な縁起物が授与される。女優や舞妓なども参加し、一帯は正月の華やかでおめでたいムードに包まれる。 |
8日〜 14日 | 寒中托鉢修行 《聖護院門跡 (左京区)》 聖護院に属する修験者たちが、市内六6000軒の信徒家々を、一年間の家内安全と息災長久を祈願して回る修行。寒空の中、行者たちが市街地を巡る姿は、京都の冬の風物詩となっている。 |
10日 | 初金比羅 《安井金比羅宮 (東山区)》 幸せの妨げになる悪縁を、新年こそは断ち切りたいという人から崇敬を集める。前年12月10日の終(しま)い金比羅からこの日まで、「稲宝来(いねほうらい)」という縁起物が授与される(有料)。 |
12日 | 楊枝のお加持と大的大会 《三十三間堂 (東山区)》 平安時代から続く病気平癒を祈祷する楊枝の加持と、大的大会が同日に開催される。約2000人が参加し、特に新成人の晴れ着姿での競技風景は有名。境内は無料公開され、終日賑わいをみせる。 江戸時代に競技として行われていた「通し矢」にちなむ大会。正月ならではの華やかさで、京都の風物詩のひとつ。 京都市東山区三十三間堂廻り町657 ☎075-561-0467 参拝時間/9時~15時30分(季節によって変動あり) アクセス/京阪電鉄「七条駅」より徒歩約10分 |
12日 | 奉射祭 《伏見稲荷大社 (伏見区)》 邪気を祓い陽気を迎える神事。祭典の後、神苑祭場で副斎主が神矢をもって四方天地を射、続いて神職2名が真矢で大的を射る。かつては矢の当たり方が今年の五穀の豊凶を占うとされた。 |
12日 | 大根焚き 《法住寺 (東山区)》 お不動さまに祈願を込めた無病息災の大根焚きが振る舞われる。堂内では護摩焚きが開催されるほか、この日だけ御朱印や牛王寶印の授与、後白河法皇御尊像の特別御開扉も行われる。 大きな釜を使って大根が焚き上げられ、一年の健康を願う。温かな大根焚きを授かろうと、多くの参拝客で賑わう。 京都府京都市東山区三十三間堂廻り655 ☎075-561-4137 参拝時間/9時~16時 アクセス/京阪電鉄「七条駅」より徒歩約10分 |
14日 | 裸踊り 《法界寺 (伏見区)》 精進潔斎した信徒が2組に分かれ、ふんどしひとつとなり、水垢離をとったのち、阿弥陀堂広縁で裸体をもみ合い、両手を頭上高く拍ち合わせ踊る。寒夜の中、荘重な祭典が繰り広げられる。 踊りに用いられた下帯の晒を、妊婦の腹帯として使用すると安産するというご利益があり、厚い信仰を集めている。 京都市伏見区日野西大道町19 ☎075-571-0024 参拝時間/9時~17時(季節によって変動あり) アクセス/地下鉄「石田駅」より徒歩約20分 |
15日 | 左義長神事 《新熊野神社 (東山区)》 起源は平安時代の宮中行事といわれる小正月の火祭り。宮中で青竹を束ねて立て、扇子や短冊などを添えて焼いたとあり、その年の吉凶などを占ったとされる。炎が高く上がると「吉」という。 |
20日 | 湯立神楽 《城南宮 (伏見区)》 襷(たすき)掛けの巫女が文政6年(1823)の銘を持つ大釜で神水を沸かし、笹の束で勢いよく散らす。邪気を祓い、無病息災、願望成就を祈願。神事の後には、福笹の授与もある(有料)。 もともとは託宣を受けるために行っていた儀式とされる。一度途切れていたが、昭和の後半になってから再開された。 京都市伏見区中島鳥羽離宮町7 ☎075-623-0846 参拝時間/9時~16時30分 アクセス/地下鉄「竹田駅」より徒歩約15分 |
24日 | 念仏行脚 《西光寺 (右京区)〜光明寺 (長岡京市)》 法然上人の亡骸を広隆寺から光明寺に遷した故事にならい、黒衣をまとった僧たちが約16km道のりを歩く。現在では西光寺から光明寺まで約4時間かけて行脚する。一般の参加も可能。 |
28日 | 初不動 《狸谷山不動院 (左京区)》 不動明王は一切の災いを祓う力を持つとされ、毎月28日の縁日にはお護摩を焚き、参拝者もお経を唱える。一年で最初の縁日であるこの日は、ガン封じの御利益がある笹酒接待が行われる。 |
※情報は令和元年(2019)12月16日現在のものです。