①博多と伊勢は“うどん”にコシを求めない!?
讃岐うどんのおかげで、うどんといえばコシ! という見解が一般的だが、実は博多や伊勢のうどんはコシが極めて弱い。それぞれに伝来した当時の特徴を今に引き継いでいるのが理由なのだが、柔らかくても美味しく食べられる工夫が凝らされているのだ。
②名古屋のきしめんが平べったくなったわけ
名古屋名物きしめんがなぜ平たくなったのか? 麺が薄くなると茹で時間が短くなり、出汁も短い時間でよく染みる。これは徳川家康が名古屋城を築城する際、素早く多くの労働者たちに食べさせるために考案させたものだという説が濃厚なのだ。ちなみに、名前の由来はキジの肉が入った麺「きじめん」が、やがて転化したといわれる。
③11月11日は麺の日。では7月2日は何の日?
正解は「うどんの日」。香川県では農繁期が落ち着く半夏生の頃にうどんを食べる習慣があり、昭和55年に香川県製麺事業協同組合が制定した。ちなみに11月11日は1並びを麺に見立てた「麺の日」になっている。
④冷やし中華は「冷麺」? 「冷やしラーメン」?
夏の定番「冷やし中華」は北海道を筆頭に北日本では「冷やしラーメン」と呼ばれ、京都・滋賀・大阪・和歌山・高知などでは「冷麺」と呼ばれる。キムチがのる朝鮮半島由来の冷麺は、当地では「韓国冷麺」などと呼ばれている。なお、冷やし中華の具やタレは地域によって異なり、違いを楽しめる。
⑤支那そば、中華そば、ラーメンの違いって?
それぞれの違いは「時代」である。明治初期は「南京そば」と呼ばれ、中期には「支那」、戦後は「中華」と、中国を表す言葉で変化していった。やがて日清食品が「チキンラーメン」を販売したことにより、日本ではラーメンという呼び方が定着したのである。
日本の麺類に関するトリビアはまだまだたくさんある。ご当地の麺類や食べ方、作り方の違いなどを知って、いつか気兼ねなく旅行に行けるようになったらそれらをお目当てにしたいものである。