14720〈行きたい東京のBAR〉現地仕入れの希少コニャックを 「扉」の向こうの世界で味わう【 BAR DORAS 】(浅草)┃TOKYO BAR STORY

〈行きたい東京のBAR〉現地仕入れの希少コニャックを 「扉」の向こうの世界で味わう【 BAR DORAS 】(浅草)┃TOKYO BAR STORY

男の隠れ家編集部
編集部
ドラスとはゲール語で扉を意味する。扉を開けると照明を落とした暗い空間にオペラが流れていて、このバー独特の空気感が漂う。
目次
外観からもドアの向こうの独特の空気感が漂ってくるようだ。

中森保貴氏が平成17年(2005)に、隅田川のほとり、浅草・花川戸にオープンさせた、スコッチウイスキーとコニャックをダブルメインにしたオーセンティックバー「バー ドラス」。中森氏は毎年、店を閉め勉強と買い付けのためにヨーロッパに行き、生産者と交流している。

極上のコニャックを味わうための空間。

「日本でまだ知られていない生産者の思いを伝えていくのが私の仕事。ヨーロッパに行って旅を通して得た、現地の息吹を目の前の一杯の酒に深く注ぎ込みたいのです」

コニャックはヘネシーなどブレンデットの大手タイプと、小規模の農家タイプに分けられる。中森氏が供するのは農家タイプのシングルコニャック。大手タイプとは飲み方が違うので、美味しい飲み方を客に伝授してくれるのも嬉しい。

プライベートボトルのコニャックも10種類揃えている。

飲み方はストレート。最初に香りを愉しんだ後に、少し口に含んで口の中をコーティングする。「美味しく飲める舌を作り上げると、次に飲んだ時にきれいな葡萄感がふわーと上がってきます。さらにコニャックを舌の上に重ねていくとその余韻が増幅します」

コニャックは香りを味わう酒である。ゆっくりと時間をかけて飲むうちに、香りが開いて味わいも葡萄感やまろやかさがより出てくる。

農家タイプは水との相性が悪いので水は出さず、代わりに味を邪魔しないアールグレイの水出しを出している。アテは自家製の羊羹だ。「あんこで口中の水分が拭われ、葡萄の綺麗な輪郭が感じられます」

グラスにコニャックを注ぐ。
寒い時期はグラスをゆっくりと回しながら、ろうそくの炎で温める。、香りが立つ前にスタート地点に戻す。

スコッチウイスキーやコニャックのハイボール、サイドカーなどカクテルもお勧めすることも。「シンプルなものほど難しい。歳を重ねていくにしたがって、削ぎ落さなくては深く追求できない」。中森氏の世界観が詰まったバーには、ヨーロッパの香りが漂っている。

「旅するバーテンダー」の著書も2冊ある中森保貴氏。

【Selected cocktail】ピエール・ヴァレ[1978]DORASプライベートコニャック

ピエール・ヴァレ[1978]DORASプライベートコニャック

グランドシャンパーニュ産100%原酒の限定シングルカスク・コニャック。40年熟成の馥郁たる香味が愉しめる。華やかで重厚な余韻が押し寄せる。4360円。

【BAR DATA】
BAR DORAS(ばー どらす)
台東区花川戸2-2-6
03-3847-5661
営業時間/19時~翌3 時 (月〜土)、18 時 〜翌2 時 (日・祝)
定休/水曜、第3火曜
席数/カウンター7席、テーブル4席
エントランスフィー/550円
アクセス/東武・都営・東京メトロ「浅草駅」より徒歩約10分

※新型コロナウイルス対策のため営業時間・定休日等に変更の場合あり。HP等で要確認。

編集部
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