55588ワインは缶で飲むのが新しい! 一人飲みやアウトドアで味わいたい、本当に美味しい缶ワイン5選

ワインは缶で飲むのが新しい! 一人飲みやアウトドアで味わいたい、本当に美味しい缶ワイン5選

男の隠れ家編集部
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少し前まで、あまり選択肢がなかった缶ワインだが、最近はさまざまな産地からバラエティに富んだワインが登場している。それとともに品質や味わいも本格的になっている。

そんな缶ワインのなかでも、美味しいと評判の5本をワインライターの塚本悦子さんがセレクト。本当に納得できる缶ワインをチェックしよう。

■モンデ酒造 甲州スパークリング

モンデ酒造 甲州スパークリング

まず1本目は、山梨県にあるモンデ酒造の甲州スパークリング。1952年の創業以来、自社畑や山梨県産のブドウから食事とともに楽しめる飲み心地のいいワインを目指し、丁寧なワイン醸造をするワイナリー。2008年から缶ワインを発売し、日本における缶ワインの先駆けワイナリーとして、充実したラインナップが用意されている。塚本悦子さんが1本目にセレクトした理由は?

「こちらのワインは、輸入原料に頼ることなく山梨県が誇る日本固有品種の甲州ブドウを使っている正真正銘の日本ワイン。缶ワインでもこだわって造るという気負いが感じられます。味わいも、甲州ならではのほろ苦さがしっかりと表現されていて、ドライに仕上げられています」(塚本さん、以下同)

実際に味わってもらったテイスティングコメントはこちら。

「青りんごやシトラス、甲州らしい清々しい香り。微発泡が気持ち良く溶け込んで、フレッシュな中に甲州ブドウを食べているような果実味があり、ドライよりでしっかりした味わい。口に含んだ瞬間は爽やかさを感じますが、味わっていくと、きちんとほろ苦味があるところに甲州らしさを感じさせてくれます。日本の家庭料理と相性が良く、白身の刺身、野菜の煮付け、山菜の天ぷらなどと好相性です」

【モンデ酒造 甲州スパークリング】
山梨県産甲州使用
白ワイン、アルコール度12%
290ml 553円(税込)

■フランシス・コッポラ ソフィア ブリュット ロゼ ミニ カリフォルニア

フランシス・コッポラ ソフィア ブリュット ロゼ ミニ カリフォルニア

2本目のセレクトは、映画監督フランシス・フォード・コッポラが1975年にカリフォルニアで設立したワイナリーから。長年、サステナブルな取り組みをするワイナリーとして知られ、2017年には「持続可能型ワイン生産リーダーシップ・グリーン・メダル」を受賞している。

「フランシス・コッポラは、次々と新しいことをやってきたワイナリーです。サステナブルの取り組みも早かったことから、缶ワインもその一つなのでしょう。いくつかのシリーズがありますが、缶ワインはダイヤモンドコレクションとソフィアのラインから出されています。今回、選んだソフィアは、コッポラ監督が娘ソフィアの結婚祝いに捧げたスパークリングワインから始まったブランド。その中から缶ワインを出していることから、フレッシュ&フルーティかつ洗練されたブランドのコンセプトに合った確かな品質が期待できます」

ミニサイズのロゼスパークリングは、ちょい飲みに最適。その味わいは?

「香りの中にジンファンやグルナッシュからくるイチゴのコンポートをまず感じます。ドライハーブやドライフラワーの香りも。味わいの中にも赤系果実を煮詰めたようなキュートな甘酸っぱさがあり、後味にほろ苦味を伴います。若干重心は低めですが、重くならず、果実の旨味が素直に感じられるワイン。食前酒のほか、太陽の下でのランチパーティーやバーベキューにもおすすめ。イチゴのアイスクリームやベリーケーキなど、デザートにも合うでしょう」

【フランシス・コッポラ ソフィア ブリュット ロゼ ミニ カリフォルニア】
カリフォルニア産 ピノ・グリージョ40%、ジンファンデル22%、グルナッシュ20%、ピノ・ノワール15%、シャルドネ3%
ロゼスパークリング、アルコール度11.5%
187ml 869円(税込)

■ドネリ “ボッリチーノ”フリッツァンテ・ロッソ

ドネリ “ボッリチーノ”フリッツァンテ・ロッソ

3本目のおすすめは、イタリア・エミリア=ロマーニャ州の地酒で赤のスパークロングワインであるランブルスコ。ドネリは1915年に創業されたランブルスコの名門だ。

「缶ワインは冷蔵庫で冷やすことが想定されています。赤ワインの場合、タンニンは冷やすと強調されてしまうため、タンニンが少なくて発泡性のあるタイプはすごく飲み心地がいい。ランブルスコこそ、缶ワインで気軽に飲むのに最適です。初めて飲む人でもスッと受け入れやすく、使い勝手もいいですよね。現地では、地元の生ハムなどとともにカジュアルシーンで活躍するランブルスコは、ピザやバーベキューなど汎用性広く合わせられる1本です」

そんな軽快なランブルスコのテイスティングコメントはこちら。

「チェリー、ダークチェリー、リコリスの香り。チリチリとした泡と果実味がありながら、タンニンが強くなく、誰にでも飲み心地がいいライトボディのやや辛口赤ワインです。生ハムやサラミと合わせるのが定番ですが、ドライハーブのニュアンスがあるので、意外にも中華やエスニック系とも好相性。気取らずいろんな料理と合わせやすいので、持ち寄りパーティーにおすすめ。お好み焼きや餃子、肉じゃがなどにも思いのほか合います」

【ドネリ “ボッリチーノ”フリッツァンテ・ロッソ】
ランブルスコ、ランチェッロッタ
赤スパークリング、アルコール度10.5%
187ml 321円(税込)

■ユニオンワインカンパニー アンダーウッド ピノ・グリ

ユニオンワインカンパニー アンダーウッド ピノ・グリ

白ワインのおすすめは、アメリカ・オレゴン州にあるユニオンワインカンパニー、アンダーウッドの1本。オレゴン州でピノ・グリはピノ・ノワールに次いで作付けの多い品種だ。

「ユニオンワインカンパニーは、オレゴン州ポートランドで、小規模ながら品質が高く、コストパフォーマンスのあるワインを造りたいと創業されました。実際、職人気質を活かし、優れたワインが造られています。缶ワインというと、巨大な工場で造られるイメージですが、最近ではこうしたワイナリーからもリリースされている。その代表的なワインと言えます」

実際に飲んだ感想はこちら。

「洋梨や白い花、ドライハーブの香り。ピノ・グリの特徴が素直に出ていて、フレッシュながらよく熟れた果実のまろやかさが感じられます。ステンレスタンクでのクリーンな造りで、細かな酸が融合し、後味はスッキリとドライ。塩焼き鳥や鶏肉のクリーム煮、カジキマグロのソテーなど、白身の肉や魚と合わせるのがおすすめです」

【ユニオンワインカンパニー アンダーウッド ピノ・グリ】
ピノ・グリ100%
白、アルコール度13%
250ml 990円(税込)

■デ・ハーン・アルテス カンヴァス ガルナッチャ

デ・ハーン・アルテス カンヴァス ガルナッチャ

赤ワインのおすすめとして選ばれたのは、スペインのデ・ハーン・アルテス。缶ワインは3種類用意されている。2021年11月にリリースされたばかりの新発売ワインで、スタイリッシュでユニークなラベルも注目。

「缶ワインは環境を考えた取り組みの一つでもあります。デ・ハーン・アルテスの缶ワインは、そんな流れを象徴する存在。カンヴァスシリーズは、ビオロジック・ヴィーガン認証の缶ワインです。ブドウはスペインにおけるメジャー品種の一つ、ガルナッチャが使われていて、缶ワインにバラエティを与えてくれるのもポイント。缶ワインだと赤ワインも冷蔵庫で冷やして飲まれることが多いですが、ガルナッチャだと、タンニンも苦くなりません。その意味でもおすすめです」

実際に飲んだテイスティングコメントはこちら。

「イチゴを煮詰めたような香りと黒胡椒やドライハーブのニュアンスもあります。思いのほか果実の凝縮感があり、渋みが突出することなく細やかに程よく溶け込んでいてきめ細やか。程よい野性味やジューシーさとともに舌先に微発泡を感じ、缶でも心地よく飲める赤ワインです」

【デ・ハーン・アルテス カンヴァス ガルナッチャ】
ガルナッチャ100%
赤、アルコール度14.5%
250ml 715円(税込)

缶ワインの品質の確かさとともに、オーガニックや地域性の広がりを感じた今回のセレクト。一人で風呂上がりや家飲みで味わうだけでなく、アウトドアでもいいだろう。美味しいワインなので、グラスに注いで風味をしっかり感じ取ってみるのもおすすめだ。

取材協力:塚本悦子
ワインコーディネーター、ワインライター。ワインスクール講師を経て、専門誌『ワイナート』などで執筆。東京・阿佐ヶ谷でワインとクラフトビールの店「BIRRA e VINO MASUYO」を運営している。

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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