全国各地、それぞれの土地で醸される「地酒」はその土地で人々が作ってきた歴史や風土と共にあります。令和になり、お酒は「飲めればいい」という時代から、こだわりの製法やストーリーを知りながら「楽しんで飲む」時代に移り変わってきました。各酒蔵の歴史、造り手やその土地ならではのストーリーを知りながら飲むお酒は一段と美味しい!全国津々浦々100以上の酒蔵訪問をし、各酒蔵のストーリーを漫才で伝えるきき酒師の漫才師「にほんしゅ」が宮城県名取市閖上にある佐々木酒造店さんに伺いました!

閖上の海の「浪の音」を聴きながら仕込まれた名酒『宝船浪の音(ほうせんなみのおと)』

復活蔵の前で。写真左:にほんしゅ・あさやん、 右:にほんしゅ・北井一彰、中央が5代目蔵元で専務の佐々木洋(ささき・ひろし)さん

あさやん:佐々木さーん!ご無沙汰してます!

北井:復活蔵の完成、誠におめでとうございます!

佐々木:ありがとうございます。ようこそ閖上へ!

あさやん:わー!復活蔵きれいですねー!完成がめでたくてテンション上がってきたんで今日は佐々木さんではなく洋さんと呼ばせてください!

北井:なんやそれ!馴れ馴れしいな。

佐々木:どうぞどうぞ!

北井:いいんですか!じゃあ親しみを込めまして洋さんと呼ばせてもらいます!まずどんな酒蔵さんなのか洋さんから紹介していただけますか?

佐々木:はい。佐々木酒造店は1871(明治4)年創業で、創業以来メインとなる銘柄が閖上の海の幸に合う『宝船浪の音』です。蔵の前には名取川が悠然と流れて閖上の港へ流れ込みます。閖上の港からわずか1.5㎞のところにうちの蔵があるんですよ。

あさやん:おぉ!まさに名取川や閖上の海の「浪の音」を聴きながら仕込まれたお酒!それが『宝船浪の音』ってことですね!

佐々木:そう!おっしゃるとおり!

あさやん:ありがとうございます!では早速一杯ごちそうになります。

北井:どんなシステムやねん。とはいえまずは味評定いってみよか!

佐々木酒造店の酒

純米酒「宝船浪の音 閖」

にほんしゅの味評定

  • お酒:純米酒「宝船浪の音 閖」
  • 香り:穏やか ◀ 〇★〇○〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇★○〇〇 ▶ 濃 醇

にほんしゅの「このお酒はこう飲みたい!」

地元 閖上の名を冠した「閖」震災後に故郷へ戻ってくると決意を込めて生まれたブランド。閖上を含む地元名取市産のヒトメボレのみを使用というこだわり。澄んだ海のようにスッキリ飲み続けられます!海の幸と相性が抜群なので旬の魚のお刺身と!ど真ん中の日本酒の楽しみ方ができるお酒。

純米吟醸酒「宝船浪の音 玲瓏」

にほんしゅの味評定

  • お酒:純米吟醸酒「宝船浪の音 玲瓏」
  • 香り:穏やか ◀ 〇〇○★〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇○★〇〇 ▶ 濃 醇

にほんしゅの「このお酒はこう飲みたい!」

透き通った玉の共鳴も意味する言葉「玲瓏」復活した蔵で新しい音色を響かせるでしょう!お米、酵母ともに宮城県産。香りの華やかさもありつつ、酸味もありキレがいいお酒。チーズや洋食とも相性が良いのでカルパッチョやピザなんかも合わせたい!

震災で蔵は全壊、人間の小ささを思い知った大津波。そしてその日に決めた同じ場所での蔵の再建。

北井:地酒の名前ってその土地の風土にちなんだ名前が多いですよね。川や海と共にある蔵だからこその名前ですね。

蔵のすぐ前を悠然と流れる名取川。右が蔵周辺を案内してくれた佐々木酒造店の蔵人の立川哲之(たちかわ・てつゆき)さん、 左:にほんしゅ・あさやん

佐々木:そうなんですよ。ただ、東日本大震災のときはこの海や川が近いために津波に襲われてしまったんですよ。

北井:東日本大震災で津波被害を受けた当初の状況について少しお話いただけますか?

佐々木:はい。揺れのあと津波が来るかも、というのはニュースでずっと言っていたので僕は鉄筋コンクリートの酒蔵の屋上に逃げて何とか難を逃れました。でもすごい高さまで水が来ていて屋上でも不安なくらいでしたね。心配して父親が僕の携帯に電話をかけてきたんですけど「俺もうだめかもしんない」と話しました。

北井:うわぁ、すごい状況ですね。。どんなことが心に浮かびましたか?

佐々木:絶望的な光景を見ながら思ったのは怖いとか悔しいとかよりも人間の小ささを思い知り呆然としましたね。お米の上にいる麹菌の気持ちですよ。「人間の手が入ってきたー!わー!」みたいな感じです。

北井:日本酒マニアにはわかりやすいですね(笑)。何も抗うことができないと。

佐々木:そうなんです。津波で流される光景を見ながら「あぁ、この町に住むのは10~20年ぐらいは無理だろうなぁ」と思ったと同時に「絶対この場所に戻ってまた酒をつくるぞ!」という思いが湧いてきてその日のうちにまたここで酒造りをする決意をしたんですよ。

北井:えぇ!!町が流されてる最中に復活させる決意もしたんですか!すごい。

あさやん:僕が洋さんの立場でも同じ決意をしたと思います。

北井:お前ええかっこすんなよ!もっとうろたえるやろ。でも震災直後は酒造りうんぬんではなくて目の前の生活すら不安な状況ですよね?

佐々木:そうですね。不安もありましたが阪神大震災のニュースが自然と思い出されたんですよ。大変な状況でもパワフルに立ち上がる関西の人たちの姿の記憶がすごい印象深く記憶に残ってて「同じ日本人として災害から立ち上がるDNAが俺らにもあるはずだ!」と信じ込めたんです。

あさやん:関西の人ってなにも考えてませんからねぇ…。

北井:そんなことないわ!ほんでお前も俺も生粋の関西人やろ!洋さんはすごく前向きになられたのはよくわかったんですがご家族の様子はどうでしたか?

佐々木:蔵は全壊ですし目の前の生活すらどうなるかわからない状況に両親は疲弊してましたが「酒造りを続けよう!」と説得しました。弟で杜氏の淳平も「兄貴がやるならついていくよ」と言ってくれたんです。

あさやん:僕も洋さんについていきますよ!

北井:いや、あさやんについてこられても困るやろ!

前代未聞!?ガレージのような仮設蔵での酒造りへ。酒造道具は鹿児島の芋焼酎蔵からも

北井:ご家族とともに再建へ前を向けたのは良いですが、実際に蔵や酒造道具は流されて使えない状況ですよね。

佐々木:そうです。まずは名取市復興工業団地の一角を提供していただいて仮設蔵での酒造りをすることになりまして、2012年からスタートしました。温度管理や水はけなどが大切な酒蔵とはかけはなれた大きなガレージのような建物での酒造りはなかなか大変なものでした。

名取市復興工業団地の一角にあった仮設蔵

あさやん:ガレージのような酒造りに不向きな仮設蔵、、そして酒造道具も手元にない!!どうする佐々木酒造店!!

北井:変に熱いナレーション入れるな!実際酒造道具はどうされたんですか?

佐々木:仮設蔵での酒造りをやると決めたときに色々とお話を聞いてくださった宮城県の酒造技術の指導をされる2人の先生、宮城県酒造組合の参事(技術担当)伊藤謙治先生と宮城県産業技術総合センターの橋本健哉先生が「眠ってる酒造道具を分けてくださいませんか」と全国の酒蔵さんにお声がけしてくれたんですよ。

北井:うわぁ、優しい先生ですね。

佐々木:そしたら続々と全国の酒蔵さんから支援をいただきました。同じ宮城県内の酒蔵さんからも色々提供いただきましたし、阪神大震災で被災された「櫻正宗」の櫻正宗株式会社さんや鹿児島の芋焼酎の蔵の皆さんからも道具を色々分けていただきました。「さつま小鶴」の小正醸造さん、「さつま若潮」の若潮酒造さん、「森伊蔵」の森伊蔵酒造さん、「魔王」の白玉醸造さんなどなど芋焼酎を造られる有名な酒蔵さんからもたくさんの酒造器具を提供していただいきました。

北井:へー!芋焼酎の酒蔵さんからの支援まで!

あさやん:焼酎は日本酒のライバル!!敵じゃないんですか!?

北井:なんでお前が怒ってんねん。あさやん芋焼酎のお湯割りもよく飲んでるやん。

佐々木:(笑)でも実際焼酎は日本酒のライバルだと思ってました。でもね、薩摩隼人の熱い心意気やメッセージが本当に嬉しかったんです。鹿児島の焼酎蔵さんたちが「俺たちも海がそばにあるから津波は他人事じゃないんだ!」とか「焼酎も日本酒なんだよ!同じ日本の酒を造る仲間なんだよ!同じ醸造家としてがんばろうよ!」という薩摩隼人の熱いメッセージがものすごく励みになりました。森伊蔵酒造さんからは今のように「森伊蔵」が有名になる前から使っていた手詰めの瓶詰機をいただいて「俺らもここから始まったから君たちもぜひ頑張ってくれ!」と言っていただいたり。もう感動ですよ。日本酒も焼酎も日本が誇る地酒!それも震災からもらった気づきです。今は焼酎が大好きです!

あさやん:僕も焼酎が大好きです!

北井:お前はちょっと黙っといてくれ!そうそうたる焼酎蔵さんからのメッセージ、嬉しいですねぇ!胸が熱くなって泣きそうです。

佐々木:しかも酒造道具の輸送方法がすごくて、、酒造道具を分けてくださいませんか?と声を上げてくれた宮城県産業技術総合センターの橋本先生とうちの弟で杜氏の淳平が鹿児島へ行き、「魔王」の白玉醸造さんに4トントラックを最初にいただき、その4トントラックでご協力いただける数々の酒蔵さんに寄って酒造器具をもらいながらなんと陸送で宮城まで帰ってきたんですよ!

北井:ロードムービーの原作みたいな話!!すごいですねぇ。橋本先生のあたたかさも尋常じゃない。

あさやん:ロードムービーのタイトルは「俺たちに明日はない」ではなくて酒造りの復活という希望へ向かう!「俺たちに明日はある」ですね!

佐々木:おぉ!なかなかうまいこと言いますね(笑)。

仮設蔵での限られた酒造環境。それでも美味しい酒をあきらめなかった

仮設蔵での酒造りの様子(提供:佐々木酒造店)

北井:いよいよ仮設蔵での酒造りがスタートですね!

あさやん:全国の素晴らしい日本酒蔵さん、焼酎蔵さんから道具を提供してもらったからにはもう美味しいお酒ができて当たり前ですね。

北井:そんなことないやろう!倉庫みたいな建物で今までと全然違う環境ですもんね。

佐々木:全く違う環境ですから最初は特に大変でしたね。2012年12月ぐらいから仮設蔵を改造しながらの酒造りが始まりました。

北井:まず日本酒の仕込みには水が命だと思いますがどうされたんですか?

佐々木:仕込み水はですね、名取の名物に野菜の「せり」があるんですが、せりは水がきれいじゃないと出来ないんですね。せり農家さんが復興工業団地の隣にいらしてお願いしたら分けてくれたんですよ。。

あさやん:みんな優しい!その農家さんのせりで作ったせり鍋と佐々木酒造店のお酒は絶対合いますね!

佐々木:水が一緒ですからね(笑)すごく合うと思います。

北井:へー!仕込み水はそんな確保の仕方だったんですね!実際に仮設蔵初年度の酒造りが始まっていってどんなところが大変でしたか?

佐々木:出来次第で日本酒の味わいに大きく影響する「米麹」を造る部屋を麹室(こうじむろ)というのですが、いい米麹を造るために重要な乾湿差をつけるのが大変で、、僕の自宅から除湿器を持ち込んだり(笑)。

北井:実生活にも影響が!

佐々木:あとはアルコール発酵の主役になる「酵母菌」を培養する「酒母(しゅぼ)」というステップがあるんですが、仮設蔵では酒母専用の部屋をつくることが出来ないこともあり、速醸酒母(そくじょうしゅぼ)という一般的な酒母のやり方から、より短期間で仕上げられる高温糖化酒母(こうおんとうかしゅぼ)に変更したり。仕込みの全工程が仕切り無しの同フロアということで酒造りのキーポイントである温度管理だったり乾湿の差をつけたりするのが本当に大変だったんですよ。親身になって復活へ向けて協力してくれた橋本先生からも「佐々木くん気持ちはわかるけど、この環境で飲めるお酒ができるとは思えない」と言われるくらいの環境だったんですが「それでもやります!」というむちゃくちゃな僕たちにたくさんのアドバイスをくださいました。

あさやん:そんな厳しい酒造り環境の中、蔵元、佐々木洋の胸に去来した思いとは?

北井:なんでちょいちょいナレーションっぽいのを入れてくんねん!

佐々木:(笑)思いというか仮設蔵での酒造りはもう自問自答の日々でしたね。「いい米麹を造るために何をすればいいか、何が正解なのか」「我々はなぜ酒を造るのか、なぜ酒を飲むのか」ということを延々と問い続け、日本酒を生み出してくれる酵母菌、麹菌とも対話をし続けました。

あさやん:すごい。日本酒界のムツゴロウさんですね

北井:そうかもしれんけど!そして初年度に完成したお酒の味はいかがでしたか?

佐々木:完成した初年度のお酒を飲んだ橋本先生から「こういう環境でも美味しいお酒が出来るなんて…」という言葉をいただいて、、、本当に嬉しかったです。

北井: すごーい!!で、その後、大吟醸酒造りの腕が問われる「全国新酒鑑評会」でも入賞されたりされましたよね?あとはレベルの高い宮城県清酒鑑評会で「宮城県酒造組合会長賞」、東北清酒鑑評会で優等賞(共に平成30年)受賞などなど素晴らしい成果も出されましたよね!

佐々木: よくご存知で!そうなんです。仮設蔵での頑張りが認められた気持ちになってすごく嬉しかったですよ。「日本酒の世界で初めての仮設蔵での入賞。ここまで技術をきちんと見せたのは1つの成果ではないか」と酒造技術指導をしてくれた先生方が褒めてくれたのは嬉しかったです 。

北井:限られた環境のなかで本当にすごいですね。なんだか僕まで嬉しいです。

あさやん:北井、本心で話せよ!

北井:本心や!なんやお前は!

佐々木:(笑)そして仮設蔵で酒造りをするうちに「閖上」の地酒であることをより意識するようになって、閖上の一文字をとって純米酒「閖(ゆり)」ができました。閖上のイメージを「震災で大変だったところ」から「美味しいお酒があるところ」というポジティブなイメージに変えて覚えてもらえるように願いを込めました。

北井:なるほど。「閖」は本当に優しい味わいで美味しいですよね。

駆け抜けた8年半。2019年秋、遂に復活蔵での酒造りがスタート

最高の日本酒を造るためこだわり抜いた復活蔵。カビの原因となる気温差をなくすためにエアーカーテンを設置

北井:そんな夢中で駆け抜けられた8年半だったと思うのですが、ついに復活蔵が完成したと。この8年半という年月は長かったですか?

佐々木:それがですね、復活蔵誕生までに綿密に予定や目標を立てたというよりは「気づいたら8年半」だったんです。「これだけの時間が必要だったんだな」と納得した気持ちなんです。

あさやん:イチローさんの引退会見みたいな感じですね。

北井:たまにええこと言うなぁ

佐々木:(笑)2017年にようやく閖上の区画整理が終わり、2018年12月に復活蔵の起工式をして、2019年8月23日に復活蔵が完成しました。10月14日には洗米、10月15日には初ふかし(お米を蒸すこと)という感じで新蔵での仕込みがスタートしました。

北井:この機会に蔵の設備もかなりこだわったんですか?

佐々木:そりゃあもう「設備にこだわるならこのタイミングしかない!」という気持ちで思い切りこだわりました!仮設蔵で大変だった排水の徹底を図ったり、蔵人が作業しやすいように動線を大切にしたり、壁の角はゴミが掃きやすいようにカーブにしたり。

北井:とことんやりましたね!美味しいお酒が出来るのは間違いなしですね?

佐々木:頑張りますよ!でもここまでこだわったのでプレッシャーはすごいですよ。笑 仮設蔵での限られた環境での酒造りはハードルがなかったので無我夢中でやれましたけど、ここまで環境や設備が整うと、、、言い訳が出来ないです(笑)。

復活蔵の屋上。名取川がすぐ近くに流れる閖上の景色はとても美しい

あさやん:でもイチローはそういうプレッシャーに打ち勝ってきたんですよ!

北井:よりプレッシャーをかけるな!イチロー好きやな!

佐々木:(笑)あ、蔵の屋上行ってみます?閖上の景色を見てください。

北井:ぜひ!

あさやん:おぉー!屋上から見るとまたいいですねぇ。

北井:名取川に、閖上港、、ほんまにめっちゃいいところですね!

佐々木:うわぁ、嬉しい!嬉しい!そう言ってもらえて本当に嬉しい!!

北井:子供みたいな喜び方ですね!笑 今日一番のテンションじゃないですか!

佐々木:本当に嬉しいですよ、街を褒めてもらうと。閖上は津波で街ごと流されてたくさんの人が亡くなって「誰がもう一回この街に住むんだ」みたいなことを言う地元の人もいたけど、僕はやっぱり閖上はいいところだと思うし、名取川と海のそばでお酒を造るからこそ「宝船 浪の音」なんですよね。

あさやん:閖上への愛がすごい!こう見ると蔵の周りはまだまだ工事をしてる場所が多いんですねぇ。

佐々木:震災後は本当に浪の音や風の音しか聞こえなかったので、工事の音を聞くと「あぁ、人が帰ってきてるんだなぁ、、」と嬉しいんです。

北井:工事の音が嬉しい。グッと来る言葉ですね。。

地酒とは 「その土地のエッセンスを液体化した結晶」

あさやん:そろそろ記事も終盤です

北井:おぉい!確かにそうやけどいらんこと言うな!今日のお話を色々聞かせていただいて、洋さんからはこの閖上という場所でお酒を造ることに対して強い思いがあるのはよくわかりました。洋さんにとって「地酒」ってどういうものなんでしょうか?

佐々木:そうですね、僕は「その土地のエッセンスを液体化した結晶」が地酒だと思ってるんです。その土地の水と穀物でつくられたもの。

復活蔵での仕込みも順調。続々としぼられる新酒

北井:なるほど。

佐々木:現在、この日本酒とこの料理が合う!みたいなペアリングが注目されていたりして嬉しいのですが、その土地のお酒とその土地に揚がる魚や穫れる作物とを一緒にお酒と楽しむというペアリングが一番シンプルで大切だと思うんです。

北井:いいですねぇ!地酒と地物の料理。その場所でお酒を造る意味がありますよね。

佐々木:もっと言うと「生きててよかった」と思える社会をつくることが地酒をつくる目的なんです。よりよいものを後世に残すために自分が持っている想いを広く深く共感、共鳴してくれる人と繋がって発信していくことが僕の使命だと思っています。こんな風に伝えたい!後世に残したい!という思いがあふれる中で、冬の仕込み時期に蔵人として入ってくれている若者の立川君の存在もとてもありがたいですね。仕込み期は毎晩立川君と哲学的な話をしながら晩酌してます(笑)。

あさやん:うーん、素晴らしい!!「地酒」をつくるというのは単なるものづくりではなくてその土地を醸すということ!そして酒蔵が地域で果たす役割はその地域の人たちが「生きててよかった!」と思えるように奉仕すること!「地酒」というものの存在意義をもっと深く感じとることができました!こんな素敵な閖上で地酒を醸す佐々木酒造店さんの思い、しかと受け取りました!我々漫才師「にほんしゅ」も微力ながら発信、拡散のお手伝いをさせていただきますよー!!北井、約束やで!読者の皆さんも今夜は地酒で乾杯!

佐々木:ありがとうございます!

北井:ずっと適当やったのに最後のまとめは素晴らしいなぁ!佐々木酒造店と閖上に乾杯!洋さん、素晴らしいお話本当にありがとうございました!

2人は毎晩お酒を酌み交わし語り尽くします。右が立川哲之さん。立川さんは冬場の仕込み期以外の時期は全国の酒蔵を巡り「地酒とは何か」を問い続けています。