27724パック酒、カップ酒、ほんとにうまいか灘の酒 定番飲み比べ|にほんしゅの『令和日本の酒最前線』

パック酒、カップ酒、ほんとにうまいか灘の酒 定番飲み比べ|にほんしゅの『令和日本の酒最前線』

にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
日本全国津々浦々を旅し、数千種類の日本酒を飲み、漫才や講座で地酒の魅力を伝えてきたきき酒師の漫才師「にほんしゅ」の二人が酒場で激論が交わされる酒ウンチクの数々を好き勝手に検証する!今回のテーマは「灘の酒 定番飲み比べ」日本を代表する酒どころ、兵庫県の灘。「白鶴」「大関」「菊正宗」誰もが知っている銘柄の酒をあらためて飲み比べる!
目次

「大手メーカーの酒は美味しくない?」「パック酒も意外とイケる?」「日本酒は夏こそ熱燗!」「芋焼酎はお湯割りが王道!?」・・・酒好き同士で交わされる様々な議論があります。「そんなめんどくさい酒の場に巻き込まれたくない!」という気持ちもわかりますが、自分の味の好みを知りながら、お酒を共通の趣味として意見を交わして飲むお酒は実に楽しいものです。居酒屋で飲むだけでなく、リモート飲み会もスタンダードになった令和の時代。たまたま隣り合った酒好き同士が初対面とは思えないほど意気投合する「酒場ならではの楽しさ」もありますが、リモート飲み会ならではの出会いや再会も楽しい!さぁ、酒飲み新時代の幕開けです!

「白鶴」「大関」「菊正宗」有名銘柄がずらり!兵庫「灘の酒」を知らずに日本酒は語れない?

日本一の酒どころ「兵庫県の灘」の酒。どこにでも売っている分、意外と飲んだことがない人も多いのでは?

あさやん:やっぱり日本酒好きを名乗るには地酒専門の酒屋さんや品揃えのいい百貨店のお酒売り場に並んだ「知る人ぞ知る」銘柄を発掘してなんぼよな。北井に内緒で日々酒屋通いを続け、無名で美味しい銘柄を発掘してはニヤニヤしてる俺こそ真の日本酒好きやな。

北井:いやいや、そうとは言い切れへんって。俺に内緒にしてる意味もわからんし。どこのスーパーやコンビニでも買えるような有名な日本酒のこともよく知っていってこそ日本酒好きやから!

酒屋さんの角打ちなど立ち飲み風景にもよく似合うのが灘の酒

あさやん:そんなん安いパック酒とかカップ酒とかやろ?「真の日本酒好き」そして「真のにほんしゅ・あさやん」はそういうお酒は飲まへんねん。

北井:「真のにほんしゅ・あさやん」ってなんやねん。こだわりの地酒を醸す小さな酒蔵の方も「大手メーカーさんの技術は本当にすごいんです」ってよく言うてるやん。

あさやん:え!?ほんまに!?で、でも北井の言うことは一切信用できひんからなぁ!

北井:落ち着けって!10年以上コンビ組んでんねんから多少は信用してくれよ。大手メーカーさんがひしめく日本一の酒どころと言われる兵庫の灘のエリア(神戸市・西宮市)には「白鶴」「大関」「菊正宗」「剣菱」「櫻正宗」「日本盛」「白鹿」「白鷹」「沢の鶴」「福寿」などなど日本酒に詳しくない人でも名前は知ってるような有名銘柄がずらっと揃ってんねん。

あさやん:同じエリアにこれだけの有名銘柄が・・・!?

北井:そう。兵庫県姫路市出身で大学は西宮市の関西学院大学を卒業した「真の兵庫男」こと、このにほんしゅ・北井が存分に灘の酒の魅力を叩き込んでやろうやないか!

あさやん:北井も変なテンションになってきてる!冷静に説明してや?

江戸時代に不動の地位を確立!江戸っ子をうならせ、時代を席巻した灘の酒!米・水・人!いいお酒が出来る条件が全て揃っていた!

北井:大丈夫やって!まず兵庫県は都道府県別の日本酒生産量でダントツ1位!その多くが灘で生産されています。そして灘の酒造りの歴史のはじまりは室町時代といわれるのですが、江戸時代中期以降に江戸でも大人気となり一気に名声を高めました!

あさやん:おぉ、ダントツの生産量!江戸を席巻したお酒!

北井:「灘の宮水(西宮の水の略)」と呼ばれ、カリウムやリンというお酒の発酵を助ける成分が多い仕込み水に恵まれたため、力強い発酵により「飲みごたえがあり、キレの良い辛口酒」になる上に、港が近く江戸へ輸送する海運にも恵まれ、腰の強い頑丈な酒質の灘の酒は輸送される船の中でもむしろ味が向上し、「秋あがり(春先に搾られたのち、ひと夏越えての熟成で秋に円熟味を増す日本酒)」のするお酒として確固たる地位を築きました!

あさやん:日本酒は仕込み水が骨格をつくるから大きく味に影響するもんな!

北井:さらに!!播磨など近隣のエリアで生産される優良な「米」にも恵まれ、丹波杜氏といわれる酒造技術に秀でた職人集団にも恵まれ、冬は六甲おろしでしっかり冷えるという酒造りにぴったりな気候にも恵まれ!まさに「兵庫のパワーが全て詰まった日本酒」と言っても過言じゃないのが灘の酒なんですよ!

あさやん:おぉ!!日本酒の酒米といえば兵庫県原産の「山田錦」が一番有名やもんな!

北井:お前が勝手に兵庫を語るなよ!

あさやん:怖いって!!ちょっと熱くなりすぎやから。原材料、人、気候、海運・・・これでもかっ!ていうぐらい酒造業が発展する条件が揃ってたわけやな。

有名メーカーには歴史あり。少し知識を入れてから飲むパック酒はまた違った表情に見えるはずです

北井:そうそう。有名な酒造メーカーさんのどこでも買えるお酒ってそういう歴史の流れにあって、同じ銘柄でも毎年改良されてたり、研究力や技術力に裏打ちされたすごいお酒なんや!って気づくことも多いんやで。

あさやん:確かに。大手さんって社内に研究所があったりするっていうもんな。小さな地酒蔵さんの良さを知るためにも有名なお酒を今一度飲んでみたくなったわ!

北井:よっしゃ!そうと決まれば早速兵庫県へレッツラゴー!

あさやん:ださいな!!レッツラゴーって久々に聞いたわ。兵庫に行かんでもどこででも買えるのが灘の酒のええとこやんか。

誰もが知っている「白鶴まる」「ワンカップ大関」を飲んでみよう!

(キャプション)日本人なら誰もが知っている「白鶴まる」
「白鶴まる」はコップ酒がよく似合う

北井:じゃあ、まず「白鶴まる」と「ワンカップ大関」を飲んでみよう!

あさやん:超がつくほどの有名な日本酒やな!

北井:「白鶴まる」は1984年に誕生した銘柄でにほんしゅ2人とは同年代。白鶴酒造さんが保有する300以上の酵母ライブラリの中から、幅のある味わいを実現するオリジナル酵母を採用したりと研究力・技術力に裏打ちされたお酒なんですよ。

あさやん:すご!アルコール発酵に欠かせへん酵母菌を自社で300以上保有・・・!?そういう話聞くと飲むの緊張するなぁ。でもこの見慣れた赤いパックを見て落ち着こう。

北井:実はこの赤い色は日本酒の敵である光を通しにくいと言われてるらしいで!定番の赤いパックだけじゃなくて辛口の「まる」や純米酒の「まる」もあるんですよ!

「白鶴まる」商品情報サイト(白鶴酒造株式会社

少し冷やした「白鶴まる」をコップ酒で。柔らかな旨味が広がり後味はキレていきます

あさやん:赤いパックにはそんな秘密まで!ロングセラーは伊達じゃないねんな。俺もいただこう。うんうん、あぁ、「まる」って名前の通りほんまに丸い旨味や甘味が膨らんでいってすっと後味はキレていくなぁ。製造工程で色んな計算がされてるって知ってから飲むとまた美味い。常温でもええけどちょっと冷やして飲むとまたええね!

北井:そうやな!パック酒も冷蔵庫で冷やして飲んでみてください!

続いては「ワンカップ大関」。こちらもどこでも買える有名な日本酒
「ワンカップ大関」の蓋を開けるときにワクワク感を感じたなら立派な大人ですね

北井:じゃあ次は「ワンカップ大関」をいただこう!

あさやん:なんやろうな。この「ワンカップ大関」の蓋をクルっと開けるときのワクワク感って。十代のころには感じひんかったよな。

北井:十代のころにワンカップ開けたらあかんねん!でも確かに「俺も酒好きおじさんの仲間入りかぁ!」みたいなこそばゆい気持ちになってニヤニヤしてしまうよな。ただ、「ワンカップ大関」は前回の東京オリンピックが開催された1964年に誕生して、どこでも手軽に飲めるスタイルとして若年層をターゲットに発売されたんやって!

あさやん:へー!これまた歴史感じるなぁ。前の東京オリンピックの頃に若者が飲んだ日本酒か。いただきまーす!・・・うん、美味い!この「いつもの味!」って感じがええよな。

ダイレクトにぐびっ!と飲む感じが酒好き人間の気分を一段と上げてくれますね

北井:そうそう!香りとか味にすごい特徴があるわけじゃないのがええねん。「ワンカップ大関」は値段的にも激安酒じゃない。「普通に美味しい」の凄さを感じるお酒やな。ほのかな甘味と程よい旨味があって飲み飽きしない。常にブレない味わいを目指した酒造りと適切なブレンドもすることで、均一な味わいを出してるんやって!

あさやん:日常に寄り添う灘の有名酒は知るほどに深いなぁ・・・!

「ワンカップ大関」商品情報サイト(大関株式会社)

コップ酒やカップ酒はお酒自体が宴の主役にならずとも、お酒の席でざっくばらんな雰囲気を演出してくれる

続いて「白鹿」。灘の酒は手軽に買えるからこそ自由な飲み方も!

「黒松白鹿 純米パック」。単なる安酒の味わいでは決してありません
「黒松白鹿 純米パック」は宮水仕込みの灘の酒らしい、しっかりした旨味やコクを感じられるお酒です

北井:じゃあ次は黒松白鹿の純米パックを飲もうか!

あさやん:どんどん飲もう!パック酒やけど純米酒やねんな。うん、美味い!旨味やコクもしっかり感じられて灘の酒らしくてええね!

北井:しかもこれ2リットルパックでスーパーで1200円とかで買えるんやで?

あさやん:安!!めちゃくちゃコスパのええ純米酒やん。こういうところにも灘の酒の凄さ感じるな・・・え?ちょっとちょっと!何してんの?

北井:え?氷入れてんねんけど。

ロックで軽快に変化する味わいを楽しむのもありなんです

あさやん:日本酒を焼酎みたいにロックで飲むってこと?

北井:そうそう。ええから飲んでみて?

あさやん:日本酒をロックでって・・・そんな飲み方邪道やろう・・・北井みたいなメガネの酒オタクは何を考えとるんや・・・。

いぶかしむあさやんだが・・・
あれ?これはイケる?
この表情通りの味わい!味わいに爽やかさもプラスされます

北井:どう?日本酒ロックは?

あさやん:ありなんかい!!コクは感じられながらも味が軽快にもなって暑い日にもぴったりやなこれ!

北井:そうそう、氷が溶けていくほどアルコール度数も下がっていくから飲み疲れもしにくいねん。

あさやん:コスパのええ灘の酒やからこそ気軽にアレンジしやすいしな!

北井:その通り!

「黒松白鹿 純米パック」商品情報サイト(辰馬本家酒造株式会社)

さらに「菊正宗」。革新的な味わいのパック酒をソーダ割で日本酒ハイボールに!

菊正宗の「しぼりたてギンパック」。日本酒の各コンテストで数々の受賞を果たす革新的なパック酒

北井:じゃあ次は菊正宗の「しぼりたてギンパック」を飲んでみよう!

あさやん:いただきまーす!!・・・え、これパック酒!?大吟醸みたいにめちゃくちゃフルーティーな香りやねんけど!味わいも軽快でなめらかやなぁ!

北井:そうそう、パック酒の概念が吹っ飛ぶやろ?菊正宗さんが独自に開発した「キクマサHA14酵母」っていう酵母菌のおかげで大吟醸並みにフルーティーな香りがあるらしいで!

あさやん:またすごそうな技術力が出てきた・・・!

北井:さてと。

あさやん:おいおい!また何をいそいそと準備してんねん!このままで美味しいねんって!

用意したのはレモン風味の炭酸水と氷

北井:シンプルな炭酸水でもええねんけど、レモンとかの柑橘系の爽やかさはフルーティーな香りのしぼりたてギンパックとも相性がええからなぁ。ということで今日はレモン入りの炭酸水にしてみました!

あさやん:してみました!やないねん。今度は日本酒ハイボールってこと!?このままで美味しいって言うてんのに・・・ほんまにこの酒スケベは何を考えとるんや・・・。

氷をグラスにたっぷり入れて・・・???
お酒と炭酸水を1:1の割合で注ぎます
泡が立ちすぎないようにできるだけそーっと注いで・・・
飲んでみると・・・キ、キターー!!!
日本酒ハイボールも大あり!!レモンの爽やかさもマッチします

あさやん:めちゃくちゃありやないかい!!日本酒ハイボール!レモンのアクセントもええし!

北井:騙されるんうまいなぁ!見事に欲しいリアクション見せてくれる奴でありがたいわ。すだちとか日本らしい柑橘系の果物を搾っても美味しいで!

あさやん:なるほど。これやとアルコール度数も6~7%ぐらいになってほんまにウイスキーハイボールと同じようにぐいぐい飲めるな!

北井:そうそう!家にパック酒と炭酸水さえ用意したらこんな楽しみ方もできるねん。

「菊正宗 しぼりたてギンパック」商品情報サイト(菊正宗酒造株式会社)

総評!普段使いしやすい灘の酒の魅力を再発見。やっぱりうまい!

あさやん:いやぁ・・・灘の酒をちょっとなめてたわ。水・米・人・・・・酒造りに恵まれた風土や長い歴史があって圧倒的な技術力があるからこそのパック酒の進化・・・さらにはコスパの良さ、自由な飲み方・・・よし!俺もうかうかしてられへん!兵庫に生まれ育った男として誇りを持って灘の酒の勉強・PR、全力でがんばっていくわ!

北井:いや、あさやんは生粋の大阪人やん!生粋の兵庫人は俺やから!まぁ、何はともあれ「灘の酒」の魅力が伝わってよかった!じゃあ今日はこのあとも日常に寄り添う灘の酒で・・・

2人:かんぱーーーい!!

「いつのも味」を気張らず楽しめる「灘の酒」で乾杯!
手軽に買える有名銘柄の魅力を改めて感じてみてください

【にほんしゅの味評定】

  • お酒:「白鶴 まる」
  • 香り:穏やか ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇〇★〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

1743(寛保3)年創業。創業以来、酒造りひとすじに歩み、清酒の醸造、販売を通じて、食文化・生活文化を応援する酒造メーカー。「時をこえ 親しみの心をおくる」をスローガンに、日本酒造りにおいて一切の妥協を許さずこだわり抜くのが白鶴酒造の使命と考える。白鶴酒造が独自に開発した山田錦の兄弟品種「白鶴錦」は日本酒の未来を作る酒米。

従来の白鶴とは一味違った香味やボトルデザインの日本酒を造ろう!と白鶴酒造の若手スタッフが集結した「別鶴(べっかく)プロジェクト」も要注目。

「どんなお酒?」

すっと飲める軽快な口当たりとともに、白鶴オリジナル酵母と麹四段による豊かなうまさとふくらみのある味わいが特長。

バランス良く調和した味わいは、様々な料理と好相性で日常に寄り添ってくれる。

白鶴酒造株式会社WEBサイト

  • お酒:「ワンカップ大関」
  • 香り:穏やか ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

1711(正徳元)年創業。以来、灘の銘酒として広く長く愛される。

「楽しい暮らしの大関」をスローガンに、大関は技と知恵の結集により、楽しい暮らしのあり方を提案し未来を展望する生活文化の創造に貢献している。

大関のお酒は灘の西宮本社にある「寿蔵」と平成8年に全工程にわたり最新の制御装置を組込んだ新しい「恒和蔵」の2つの蔵から、匠の五感と技の極致によって生み出されている。

「どんなお酒?」

すっきりと飲み飽きしない、バランスの良い味わいのカップ酒。大関を代表する50年以上愛され続けているロングセラー商品。お花見やアウトドアにもピッタリ。

大関株式会社WEBサイト

  • お酒:「黒松白鹿 純米パック」
  • 香り:穏やか ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇〇★〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

1662(寛文2)年創業。兵庫県西宮の地で、宮水、良質の米、六甲おろしといった自然の恵み豊かな風土に支えられ、創業以来350年以上にわたって酒を造り続ける酒造メーカー。『酒はつくるものではなく、育てるもの』という信念を脈々と受け継ぎ、日々よりよい酒を育てることに努めている。そして、会話が弾むおいしい酒、食事が楽しくなるおいしい酒として、世界中の一人でも多くのお客様に飲んでいただくことを願う、灘を代表する酒造メーカーの1つ。

「どんなお酒?」

豊かなコクと軽快な味わいが自慢のお酒。お米本来の旨味を生かす白鹿伝承蒸米仕込と西宮の名水「宮水」で醸した味わい深いお酒で、チーズを使ったコク深い料理なども相性が良い。

辰馬本家酒造株式会社WEBサイト

  • お酒:「菊正宗 しぼりたてギンパック」
  • 香り:穏やか ◀ 〇〇〇〇★ ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ ★〇〇〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

創業1659(万治2)年。「灘から世界へ。」この清々しいスローガンを胸に日本酒造りに取り組む酒蔵。

「しぼりたてギンパック」のような新たな技術も取り入れた日本酒造りにチャレンジする一方、手間暇がかかる伝統的な製法「生酛(きもと)づくり」にも力を入れ、2009年秋からこの生酛づくりを冬期だけの限定酒から上撰本醸造という流通量の多いレギュラー商品にも広げ、生酛づくり特有のふくらみと切れ味、押し味を手軽に楽しませてくれる。

「どんなお酒?」

菊正宗独自の新酵母「キクマサHA14酵母」によりひきだされる大吟醸のようなフルーティーな香りと、しぼりたてを生のまま低温貯蔵し、パック詰する時のみ加熱処理することで新酒のようなフレッシュ感のある味わいを実現。ワイングラスで飲むのもおすすめ。同シリーズに「純米キンパック」などもある。

IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2019のSAKE部門のグレートバリュー・チャンピオンサケを受賞。紙パック商品での受賞は初めての快挙。

菊正宗酒造株式会社WEBサイト

【取材協力】

「鈴傳」四谷

創業嘉永三年(1850年)の老舗酒販店。東京の地酒ファンで知らぬ人はいないほどの名店です。先代会長が30年ほど前に欧州の流通を視察した際、現地におけるワインの品質管理に着目し、まだ日本酒は常温で管理されていた時代で、生酒も広く普及していなかった時代の中での大きな改革を成し遂げられました。そうして築かれた三温度帯に区分けをした地下冷蔵貯蔵室は、日本酒の鮮度・風味を劣化させることなく、常に最高の状態でお客様に日本酒を提供したいという一心から生まれたもので、全国の地酒が並ぶ地下冷蔵貯蔵室は日本酒ファンにとってはまさにワンダーランド。

地酒の販売だけでなく 『日本酒の聖地』と呼ばれる「スタンディングルーム鈴傳」も併設されており、昔は良く見られた酒屋の「角打ち」が原型となっています。現在の「立ち飲み居酒屋」の草分け的存在で、古き良き昭和の面影を今日に残す、当時の酒場の雰囲気をそのままご体感していただけます。新型コロナウイルス感染拡大防止の対策もしっかりとされている店内でぜひ全国の地酒の旅へ行ってみてください。

「鈴傳」WEBサイト


にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)

世界で唯一⁉のきき酒師漫才師「にほんしゅ」。酒漫才披露や司会、セミナー講師、テレビやラジオ、雑誌やWEBなどの各種メディア出演等全国の日本酒にまつわるイベントや日本酒セミナーを開催するなど日々奮闘している。日本酒を学び探究する真摯な姿勢から、全国の酒蔵、酒造組合からの信頼は厚い。

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