「新潟地酒は辛口でうまい!」「地酒は東北が本場?」「塩さえあれば他にツマミはいらん!」「生酒こそ本当の日本酒!」・・・酒好き同士で交わされる様々な議論があります。「そんなのめんどくさい!お酒を飲むときは何も考えたくないんだ!」という気持ちもわかりますが、お酒のストーリーを知り、自分の味の好みを知りながら、意見を交わして飲むお酒は実に楽しいものです。居酒屋で飲むだけでなく、リモート飲み会もスタンダードになった令和の時代。たまたま隣り合った酒好き同士が初対面とは思えないほど意気投合する「酒場ならではの楽しさ」もありますが、リモート飲み会ならではの出会いや深いトークも楽しい!一人呑みも極めたい!さぁ、酒飲み新時代の幕開けです!

新潟の日本酒はやっぱり「淡麗辛口」!?「地酒王国」新潟の実像って?

新潟地酒「越乃寒梅」「久保田」「八海山」を前にして興奮気味のにほんしゅ・あさやん(写真左)とにほんしゅ・北井(写真・右)

あさやん:日本酒にそんなに詳しくない人に「日本酒といえばどこの県が浮かぶ?」って聞いたら一番多い答えは?

北井:「都道府県別生産量一位!そして俺の地元でもある兵庫県や!!」って言いたいところやけど、やっぱり日本酒で浮かぶ県は「新潟県!」って言う人が多いよなぁ。

あさやん:そうやねん。他にも秋田県とかもよく挙がるけどやっぱり「地酒=新潟」のイメージって強いと思うねん。

北井:雪深くて米どころっていうのも「地酒」を連想しやすいんやろうな。

あさやん:そこでや!!今日は新潟地酒を検証!イメージだけで振り回されてる人の化けの皮を剥いだるからな!!!

北井:そんな怒ることか!?確かにイメージって大切やと思うけど、イメージが定着してくるとネガティブな方に働くことも考えられるから今日はしっかり検証していこう。

あさやん:そうや!気合い入れていこう!

「越乃寒梅」「久保田」「八海山」新潟の銘酒揃い踏み!

今回取り上げる有名銘柄をはじめ「すっきり飲みやすい」「淡麗辛口」などとよく表現される新潟地酒。その実像に迫ります!左から「越乃寒梅(石本酒造/新潟県)」「久保田(朝日酒造/新潟県)」「八海山(八海醸造/新潟県)」

北井:「越乃寒梅」「久保田」「八海山」・・・こう並べるとやっぱり迫力あるなぁ。

あさやん:なにを利き酒する前から弱気になってんねん!確かにこの銘柄たちは俺らの親父世代もよくお世話になったレジェンド銘柄とも言えるけど、俺は絶対にどのお酒にも負けへんで!絶対勝つ!

北井:ちょっと落ち着けよ!利き酒に勝ち負けとかないから。

新潟県の地酒の味わいは多様化している!?

新潟地酒はスイスイと飲み進められるものが多いので飲み過ぎには要注意!

あさやん:まず新潟地酒ってスッキリ飲みやすい「淡麗辛口」ってよく言うけど実際のところはどうなんかな?はい、北井の解説タイムスタートです。

北井:なんやねんその業務的な感じ!でも新潟地酒の全体像は触れておかんとな。今回取り上げる銘柄以外にもやっぱり味わいが軽快で後味のキレの良い銘柄が多い印象やけど、「村祐」のようにきめ細かく上品な甘さが楽しめるタイプのものもあるし、甘みと酸味がぎゅっと詰まったジューシーさが人気の「たかちよ」や心地良いフルーティーな香りとフレッシュな味わいの「加茂錦」などなど以前の新潟地酒のイメージとは一味違う日本酒も続々と登場し、新潟地酒は「淡麗辛口」の一言では語れない新時代を迎えています!

日常の何気ない晩酌にとてもマッチする新潟地酒

新潟地酒が「淡麗辛口」の代表格となった経緯とは?

あさやん:なるほど。今も多いのは「淡麗辛口」テイストやけど、近年味わいは多様化してると。

北井:そう!日本酒の味わいは時代のニーズとともに変わるねん。戦後間もない頃は庶民の生活は苦しくて贅沢品であるお酒の味は少ない量でも満足できるように濃くて甘いお酒が人気やったけど、時代が豊かになっていくとともにスッキリしたお酒が人気になってくる!酒飲みというのは勝手なもんや。新潟の日本酒は雪解け水の軟水仕込みの蔵が多くて口当たりがまろやかで、冬の厳しい寒さの影響で発酵もゆっくり進むので濃い味わいにもなりにくい!なんと、新潟地酒は戦後しばらくは地味な存在やったらしいで!

あさやん:地酒王国の現代のイメージとはだいぶ違うんやな!

あまりの入手困難さから「幻の酒」と言われた時代もあった「越乃寒梅(石本酒造)」

北井:そんな中、1957年のことでい!

あさやん:でい?喋り方が関西弁から江戸っ子みたいになってるけど!?

北井:新潟県で酒米の東の横綱と呼ばれる「五百万石」が誕生!兵庫県原産の西の横綱「山田錦」とタメを張る存在!五百万石は雑味の少ない綺麗なお酒が造れる酒米で軟水仕込みや寒さゆえゆっくりとアルコール発酵が進む新潟の気候風土とも相性バッチリ!そして日本が豊かになっていくとともにその軽快な味わいが人気となっていった!これが新潟の「淡麗辛口」誕生ストーリーでい!おととい来やがれ!

あさやん:おととい来やがれ!?ちょっと落ち着けって。話の流れはよくわかったけど。やっぱり地酒って気候風土とか時代とかと深く繋がってんねんなぁ。

韓国ソウルでの日本酒イベントに参加した時に現地のお客さんのほとんど全ての方が知っていた世界的銘柄「久保田(朝日酒造)」

新潟県をデータで見るとやっぱり凄い!酒蔵の数と日本酒の個人消費量が全国1位!生産量も堂々3位!新潟の人は新潟の地酒を飲む

北井:すまん、ちょっと熱くなりすぎたな。そして新潟県はイメージだけじゃなくて本当に酒どころで、酒蔵の数がなんと現在も90ほどあってこれは全国1位!そして個人消費量も1位!日本酒の生産量も兵庫、京都に続いて3位という紛れもない地酒王国!長岡の人は当たり前に長岡の地酒を日々飲んでるみたいな文化が今も残っているのが素晴らしいところやな!この前も新潟出身の女性と話してたら「法事の時に日本酒飲むんですけど全員の目の前に一升瓶があって、それがノルマなんです」という衝撃的なエピソードも!笑

新潟県酒造組合WEBサイト

http://www.niigata-sake.or.jp/

いざ新潟の有名地酒3種類を利き酒!!

いざ試飲①「越乃寒梅 白ラベル」

「越乃寒梅」の定番「普通酒 白ラベル」ほどよい飲みごたえと抜群のキレ味で日々の晩酌に寄り添ってくれる

あさやん:よっしゃ!やっと飲める!

北井:打ち上げみたいに言うなって。利き酒な!まずは越乃寒梅の定番「普通酒 白ラベル」から行こうか!

淡麗辛口テイストの代表格ともいえる越乃寒梅。価格も安い定番酒でこそ酒蔵の特徴や実力がよくわかるとも言われます
「清酒」や「日本酒」とのみ書かれている日本酒は「純米酒」や「吟醸酒」に比べたら劣ると思われる方もいらっしゃいますが、蔵の技術が出るお酒とも言えます
味わいの説明も書いてあります。全国的な有名銘柄ですが地元で長く愛されているのが素晴らしいですね!
利き酒では「香り」と「味わい」を確かめます

あさやん:あぁ、なるほどなるほど。うんうん。それから?あぁ、、なるほど!

北井:一人でぶつぶつ言うてるな。で、香味はどう?

あさやん:美味い!

北井:もっとあるやろ!美味いはわかるけど一応きき酒師なんやから香りがどうとか、味わいがどうとか。

なめらかな味わいでスイスイと飲めてしまいます

「越乃寒梅 白ラベル」は和柑橘のような香りと優しい旨味・後味のキレの良さが素晴らしい

あさやん:まず香りがいいね。こういう言い方あれやけど、もっと香りはないと思ってた。柚子やすだちなどの和柑橘を思わせる爽やかな香りとか、上品な大福を思わせる和菓子のような香りもあり。

北井:ほう。

あさやん:味わいはというと、飲み口は予想通りソフト。そしてどこからともなく優しい旨味がスーッとフェードインしてきて、このままずーっと優しい旨味が続くかと思ったら絶妙なタイミングで後味のキレが現れて物語が終わる。

北井:物語?

あさやん:素晴らしいショートフィルムを見たような気持ちになるお酒です。

北井:めちゃくちゃかっこええ感想言うやん!お出汁の効いた料理とかちょっと脂のある白身魚の焼き魚とかが浮かぶお酒やな。ほんまに「日本の晩酌」に寄り添ってくれるのがよくわかったな!

いざ試飲②「久保田 千寿」

「久保田 千寿 吟醸」。「万寿」や「百寿」なども人気の「久保田シリーズ」の原点となった銘柄。海外でも愛される

あさやん:おい!次のお酒!

北井:偉そうやな!アシスタントみたいに使うなよ。じゃあ次は「久保田 千寿」でいこうか。1985年に誕生した銘柄で俺と同い年やねん!

あさやん:そうですか。

北井:冷たいな!めちゃくちゃ集中した利き酒モードになってて別人みたいや。

久保田の千寿は特定名称酒の分類でいうと「吟醸酒」にあたります。仕込みに使うお米を贅沢に磨くお酒ですね

あさやん:いただきます。ふむふむ。そうですか。久保田さん、そういうことなんですね。

北井:久保田さん?お酒と会話してる?

あさやん:近年の吟醸酒はフルーティな香りがもっと強いものも多いけど「久保田 千寿」の香りには派手さはなく、若い桃のような爽やかなフルーティさがほんのりと。とても品のある穏やかな方ですね、久保田さんは。

北井:完全に擬人化しとる!ちょっと怖いな!

「久保田 千寿」は「淡麗さ」と「奥行きのある」味わいが同居する二世帯住宅!?

あさやん:味わいはキリッと引き締まったシャープな輪郭が感じられ、旨味・酸味・甘みがそれぞれ主張しすぎず一丸となって一直線に喉まで進む。まさに淡麗。しかし米の酒・日本酒らしい奥行きや味わいの幅も同居する・・・久保田さんは二世帯住宅なんですね。

北井:「淡麗」と「奥行き」の二世帯住宅!?

あさやん:合わせる料理の幅も広いと思うけど、春は筍料理なんかが抜群に合いそう。山菜の天ぷらなども青々しさと同調し、油もさらっと流してくれそう。塩で食べるエビのフリットなんかもすごくいいと思います。

北井:もう俺なんも言うことないわ!確かにさっぱりしたもの、油を使ったもの、どちらにも合いそうや。

飲み進めて行くと様々なおつまみが浮かぶお酒です
お酒単体での勝負!という香味もいいですが日常にそっと寄り添う味わいが魅力的です

いざ試飲③「八海山 特別本醸造」

全国の居酒屋や酒販店、スーパーマーケットなどでもお馴染みの「八海山 特別本醸造」
スッキリした日本酒が飲みたければ八海山!という方も多いのではないでしょうか?

北井:じゃあラストの利き酒は「八海山 特別本醸造」で!

あさやん:ラストは八海さんね。

北井:また人みたいに言うてる!

「八海山 特別本醸造」は淡麗でありながらなめらかな旨味や程よい酸味も併せ持つ

あさやん:全国の地酒を飲んできたけど「困ったら八海山!」という時も多いねんな。香りは「越乃寒梅 白ラベル」「久保田 千寿」同様派手さはないけど、ほんのりと米や麹っぽさが香ってきて「日本酒飲むぞー!」という気持ちにさせてくれる。

北井:確かに。香りに日本酒っぽさがあるけどきつくはないのよな。

あさやん:味わいは冷酒なら全体的にキリッと引きしまった味わいで、その引きしまった味わいの中にも主張しすぎない旨味や酸味が程よくあって後味のキレが抜群。「淡麗辛口です!」って言い切りたいけど、旨味やなめらかさもあるから・・・ほんまに罪な人やで、八海さん。

北井:全然罪ではないけど。飲めば飲むほど「淡麗辛口」の裏にある魅力・実力が見えてくるよな。冷酒やと「スッキリ!」の印象が強いけど燗酒にしたらふわっと麹っぽい香りが強まってきて「あぁ、お米の酒やなぁ」っていう安心感が出てくるし。

あさやん:あ!昔、ものすごく癖の強いヤギのチーズを食べた時にどんな日本酒が合うか色々試したことあったやん?

北井:あったな。

あさやん:味わいの濃い生酛仕込みの純米酒とかが一番合うかと思いきや、八海山の特別本醸造が隠し持ってる旨味が爆発してチーズの癖を包み込んだ時は驚いたよな!

北井:確かに!スッキリのイメージが強かったから衝撃やった。八海山に「すみません、あんまり表立っては言うてないんですけど、僕、旨味もすごいあるんですわ」ってこっそり告白されたような気持ちになったな。

あさやん:お酒を人みたいに言うなよ!

北井:いや、お前が散々やってきたことやろ!

結論!新潟地酒は日々の家呑みにピッタリ!

3種類の新潟地酒の利き酒は進み、いつしかいい気分に

北井:いやぁ、楽しい利き酒やったな!こうやって新潟を代表するような有名銘柄を飲み比べすることって日本酒マニアになってくると逆に少ないもんな。

新潟地酒の定番カラーと実力がよくわかる3本でした!

あさやん:そうやな。マニアックな知識とか銘柄を知るほどな。でも全国で買える身近さの上に「簡単なおつまみとか鍋をつまみながら」みたいな気張らない日常の晩酌にすっと寄り添ってくれる新潟地酒の実力を改めて感じる1日でしたね。今回の3銘柄のように、伝統とも言える新潟の「淡麗辛口」の良さも知っておくと、フレッシュさやフルーティさを楽しめるような新たなカラーの新潟地酒蔵の台頭もより楽しめるでしょう。

北井:うん、確かにそうやな。

あさやん:今宵、あなたに寄り添うのはどの新潟地酒でしょうか?

北井:めちゃくちゃ大人なまとめ方するなぁ!

あさやん:兎にも角にも・・・今夜は新潟地酒で・・・?

あさやん・北井:かんぱーーーーい!!!

「とりあえずあの一本は買っておこうか」といった安心できるテイストが多い新潟地酒は家呑みにもおすすめです

【にほんしゅの味評定】

お酒:「越乃寒梅 白ラベル

  • 香り:穏やか ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

明治40(1907)年創業。新潟市のほぼ中央に位置する江南区に蔵を構える。江南区のある亀田郷と呼ばれるエリアは阿賀野川、信濃川と、2つを結ぶ小阿賀野川に囲まれた砂丘地にあり、そこが越乃寒梅のふるさとです。 亀田郷は、阿賀野川を水系とした豊富な良水、また低温環境を作り出す冬の雪に恵まれた、まさに酒造りの好適地といえます。

「農作業に励む亀田の人々に喜んでもらえる酒を造る。」

明治40年、石本酒造の越乃寒梅は、そんな素朴な想いの下に生まれました。やがて、数々の品評会で注目されるようになり、蔵は一歩一歩成長。そして高度経済成長期が訪れ、日本酒も大量生産の時代へ。甘口が好まれ、造れば売れる時代でしたが、石本酒造は「キレのある飲み口の良い酒」を貫き、蔵の規模に見合った量を造り続けました。食前・食中・食後と飲み飽きせずに「あー、旨かった」と飲み手に言ってもらえるようなお酒を造ろう!という姿勢は現在に至るまで変わりません。

「どんなお酒?」

「越乃寒梅 白ラベル」の目指すところは、「晩酌のお酒だからこそ『料理に寄り添い』『飽きずに楽しく飲め』『次の日に残らない』お酒」であること。普通酒と言えども、米を磨き吟醸造りの技術を基本に、低温で長期間じっくりと発酵させて丁寧に仕込んでおり、最も身近で飲み応えのあるお酒です。力強く抜群のキレ味から、常連のファンからは「尻ピンのお酒」とも呼ばれています。

普通酒は通常精米歩合が70%台のものが多いですが、なんとこの白ラベルの精米歩合は吟醸酒並みの58%!半分近くお米を磨いて贅沢に仕込まれています。

石本酒造株式会社WEBサイト

https://koshinokanbai.co.jp/

お酒:「久保田 千寿」(吟醸)

  • 香り:穏やか ◀ 〇〇★〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

天保元(1830)年創業。新潟県長岡市に蔵を構える。「すべてに置いて品質本位」をモットーに酒造りの正道を歩む酒蔵。

朝日酒造のふるさとは、新潟県長岡市越路地域。水田と里山が豊かに広がる風景には、春は新緑、初夏にホタル、秋の紅葉、冬の雪と四季折々の表情が浮かびます。1830(天保元)年に久保田屋を創業した朝日酒造は、以来200年近くに渡って真摯に酒造りを続けてきました。創業の地は、まさに酒を造るのにふさわしい場所。酒造りの根幹となる「水」と「米」、そして「人」を育み、脈々と受け継がれてきた智慧と技によって、その味わいを研ぎ澄ませてきました。

越路地域は、日本三大杜氏の一つである越後杜氏のなかでも、「越後四大杜氏集団」と言われた「越路杜氏」を輩出した土地でもあります。朝日酒造は越路杜氏の智慧と技を「酒造りの科学的伝承」の取り組みにより次世代に受け継ぎ、その志のもと、品質本位の酒造りを追求しています。

「どんなお酒?」

創業時の屋号「久保田屋」を冠した久保田シリーズの中でも『久保田 千寿』は、1985年の久保田発売時に最初に誕生した、まさに久保田の原点です。都会に生きる日本人の労働の礎が、肉体労働から知的労働へ移り変わっていく姿を見て「淡麗辛口」を志向。酒造りを根本的に改善し、その当時としては万人向けではない、綺麗であっさりした辛口でありながら、まろやかさを感じさせる味わいを実現しました。

それから35年ほどが過ぎ、時代に合わせて、さらなる“食事と合うすっきりとした味わい”を追求。同じ味を守るのではなくクオリティアップもされています。低温かつ精度の高い発酵経過を心がけ、より雑味の少ないすっきり感を増しました。また、麹の働きを最大限発揮させることで、綺麗ですっきりとした淡麗な味わいはそのままに、味わいの幅も生み出しました。誰もが知る有名銘柄でも日々進化していることが今回の利き酒で実感できました。

朝日酒造株式会社WEBサイト

https://www.asahi-shuzo.co.jp/

お酒:「八海山 特別本醸造」

  • 香り:穏やか ◀ ★〇〇〇〇 ▶ 華やか 
  • 味 :淡 麗 ◀ 〇★〇〇〇 ▶ 濃 醇

「どんな酒蔵?」

大正11(1922)年創業。新潟県南魚沼市に蔵を構える。

八海醸造の蔵がある南魚沼は、日本屈指の豪雪地帯。仕込み水は霊峰・八海山の伏流水「雷電様の清水」。 選び抜かれた酒米と、人の手で丁寧につくられた麹を用いて、 最高の道具と、長年の修練で身につけた技術を駆使し、 できうる限りの人為を尽くした酒づくり。 それが八海醸造の日本酒づくりです。

製造量も全国屈指の八海醸造。量をつくる中で機械を活用することも必要です。しかし現代に至っても機械にはできず、人にしかできないことがまだあるという考えから「櫂入れ」や「麹づくり」などの作業は手作業で行います。

心のこもった料理。食卓を囲む人の笑顔。尽きせぬ話題。 そんな食事の場にあって、 料理の細やかな味わいを打ち消すことなく、 弾む会話を邪魔することなく、 盃を重ねていくうちに、 ふとその美味しさに気づくような酒が八海山です。清酒だけでなく発酵食品なども手がけ「麹だけでつくったあまさけ」は大人気を博しています。

「どんなお酒?」

冷でよし、燗でよしの、八海山を代表するお酒です。燗をつけたときのほのかな麹の香りもまた、このお酒の楽しみの一つといえます。今回の利き酒でも改めて丁寧な仕込みゆえのユーティリティさが感じられました。表情を変えながら美味しく飲める温度帯の広さ、冷奴や枝豆などのさっぱりしたおつまみともシンプルに合い、焼肉や唐揚げなどの脂もさっぱり流してくれる、間違いなく日本酒界屈指の便利屋さんです!

八海醸造株式会社WEBサイト

https://www.hakkaisan.co.jp/

【取材協力】

「鈴傳」四谷

創業嘉永3(1850)年の老舗酒販店。東京の地酒ファンで知らぬ人はいないほどの名店です。先代会長が30年ほど前に欧州の流通を視察した際、現地におけるワインの品質管理に着目し、まだ日本酒は常温で管理されていた時代で、生酒も広く普及していなかった時代の中で大きな改革を成し遂げられました。そうして築かれた三温度帯に区分けをした地下冷蔵貯蔵室は、日本酒の鮮度・風味を劣化させることなく、常に最高の状態でお客様に日本酒を提供したいという一心から生まれたもので、全国の地酒が並ぶ地下冷蔵貯蔵室は日本酒ファンにとってはまさにワンダーランド。

地酒の販売だけでなく 『日本酒の聖地』と呼ばれる「スタンディングルーム鈴傳」も併設されており、昔は良く見られた酒屋の「角打ち」が原型となっています。現在の「立ち飲み居酒屋」の草分け的存在で、古き良き昭和の面影を今日に残す、当時の酒場の雰囲気をそのままご体感していただけます。新型コロナウイルス感染拡大防止の対策もしっかりとされている店内でぜひ全国の地酒の旅へ行ってみてください(営業に関する詳細情報はWEBサイトをご参照ください)。

「鈴傳」WEBサイト

http://suzuden-sake.com