物思いに耽る時間、隣に紅茶があるだけでより深みのある時間を過ごせる。紅茶を選ぶ際、アッサムやダージリンなどの種類で選ぶ方が多いかもしれないが、紅茶自体のグレードは記号で表されていることをご存知だろうか。

ここでは、多岐にわたる紅茶のグレードをはじめ、その見極め方や紅茶についての知識を紹介する。自分の口に合った紅茶と出会うためにも、ぜひ参考にしてみて欲しい。

●紅茶に付いている記号の種類

紅茶のグレードを表す記号には「B」「OP」「F」などの種類があり、それぞれに意味が異なる。また「F」に至っては、記号が付いている位置によって意味すらも異なる。

・S【スーパー(シュプリーム/スペシャル)】
最上級のものにつけられる

・F【フィナー(ファイン)】
出来の良い茶葉の冠詞・褒め言葉

・T【ティッピー】
芯芽がたくさん入っているもの

・G【ゴールデン】
うぶ毛が多く金色に見えるもの(若干少ないものは、S【シルバー】)

・F【フラワリー】
花の香りがするもの

・OP【オレンジペコー】
オレンジは紅茶の色を指し、ペコーはうぶ毛があることを指す。新芽から数えて2番目の比較的大きな茶葉を指すことが多い

・B【ブロークン】
細かく砕いたもの

・F【ファニングス】
送風して選別されたもの

・D【ダスト】
最も小さい茶葉

・CH【チャイナ】
中国原産の紅茶

・CL【クローナル】
接木され香り高い茶葉

▷記号が表すグレードの特徴

紅茶のグレードは、記号が増えることによりどんどん上がっていく。通常のダージリンは【O.P】と表記されているものが一般的だが、上級グレードになるにつれて【F.T.G.F.O.P(フィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)】のように記号が増え、ここまでのものになると最上級として扱われる。

●紅茶の産地について

イギリスで好んで飲まれる紅茶だが、実はその産地のほとんどはアジアにある。「ダージリン」や「アッサム」は北インド、「セイロン」や「ウバ」はスリランカと、決してヨーロッパ諸国で作られているものではない。

そもそも、茶の始まりは中国にあると言われている。中国で摘まれた茶葉が、輸送中の航海で発酵したものが紅茶として伝わった。中国で作られている紅茶は「キーマン(キーモン/キームン)」と呼ばれている。

また、アジア諸国以外では、アフリカも紅茶の産地とされている。東アフリカではケニアが紅茶の産地として有名で、CTC製法と呼ばれる紅茶葉を産出している。

●紅茶の製法

紅茶には2種類の製法が存在する。ひとつは「オーソドックス製法」で、茶樹から摘芯・葉摘したものを乾燥、揉み込み、揉み切り、篩い分け、発酵、乾燥という流れで紅茶として作り上げ、さらにグレードで選別したものが一般的な紅茶になる。

もうひとつは「CTC製法」と呼ばれるもので、一度破砕(Crash)した茶葉をさらに引き裂き(Tear)、最後に粒状に丸める(Curl)という一連の流れを、CTC機と呼ばれる機械で行う。

ダージリンのように茶葉の形にまでグレード分けされるものには使えない製法だが、アッサムのように茶葉を無駄にしない、全ての味わいを楽しむ紅茶に広く用いられる製法だ。

他にもローターバン製法やセミオーソドックス製法が存在するが、製法としては前に挙げた2種類が一般的だ。

●製法による違い

オーソドックス製法は「茶葉の形が残っている」もの、CTC製法は「集成している茶葉」という認識が把握しやすい。手軽に紅茶を楽しめるティーバッグはCTC製法のものになる。

CTC製法は紅茶成分がすぐに溶け出すため、紅茶を淹れるのに時間を必要としない。茶こしに直接お湯を注ぐことでも、カップのお湯にティーバッグを沈めるだけでも紅茶が淹れられる。

オーソドックス製法は、「リーフティー」と呼ばれる紅茶が出来上がる。水分を含んだ茶葉が開くことで香り高い紅茶が淹れられ、小さな茶葉で2〜3分、大きな茶葉であれば4分程度かけてゆっくりと茶葉を開かせるのが一般的だ。

茶こしで茶葉を受けながらカップに注ぎ込んでいく。茶葉からの恵みが詰まった最後の一滴「ゴールデンドロップ」までしっかりと楽しむのが、最高の紅茶の楽しみ方と言われている。

サッと手軽に楽しむのも、じっくり時間をかけて楽しむのも、紅茶のある時間を楽しんでいることに違いはない。ただそこに「紅茶がある」という事実が、気持ちを豊かにしてくれるのではないだろうか。