9218これだけは押さえておきたい 《京》の三大漬物|京都人が愛してやまない 冬の京漬物

これだけは押さえておきたい 《京》の三大漬物|京都人が愛してやまない 冬の京漬物

男の隠れ家編集部
編集部
京都を代表する漬物「千枚漬」「すぐき漬」「しば漬」の3種は、「京の三大漬物」と呼ばれる。京の三大漬物の成り立ちや発祥の店、お勧め店などをご紹介する。
目次

千枚漬(せんまいづけ)

江戸時代末期、御所の料理人を務めていた大黒屋藤三郎が聖護院かぶらを使って浅漬けを作ったのが始まり。その名は聖護院かぶらを千枚にもなるように薄く切って漬けたことに由来する。白いかぶらと壬生菜(みぶな)を御所の白砂と松の緑に見立てた斬新な発想と、その淡味淡泊な味わいが人々に大変喜ばれたという。

DATA
発祥年/江戸時代末期
発祥地/京都市左京区聖護院
原材料/聖護院かぶら(10〜3月に収穫)
漬込み/10〜3月

●ここのお店で買えます

千枚漬を創り出した名店
千枚漬本家 大藤麩屋町本店

千枚漬本家 大藤 麩屋町本店

錦市場にほど近く、麩屋町通りに店を構える「大藤」。千枚漬で知られる歴史ある店は、千枚漬を生み出した料理人・大黒屋藤三郎が慶応元年(1865)に「大藤」の屋号で創業した。その手法や材料は、創業から150数年経た今もなお変わらず受け継がれている。

《 千枚漬 》
内容量/170g 価格/1188円
瑞々しい聖護院かぶらの甘酸っぱさと豊かな昆布の風味が広がる逸品。

せんまいづけほんけ だいとう ふやまちほんてん
京都市中京区麩屋町通錦小路下ル桝屋町510
☎075-221-5975
営業時間/9:00~18:00 定休日/木曜(4~9月)、10~3月は元旦のみ アクセス/阪急電鉄「京都河原町駅」より徒歩約5分

すぐき漬(すぐきづけ)

すぐき菜は桃山時代に上賀茂神社に奉仕する社家が種子を手に入れ、贈答用に栽培したのが始まりとされる。すぐき漬はすぐき菜を伝統的な製法で漬けたもので、乳酸発酵による独特の酸味と味わいが魅力。昭和初期にはすぐきの「天秤漬」が発明され、現在では上賀茂の冬の風物詩として親しまれている。

●ここのお店で買えます

創業300年、すぐき漬の元祖
御すぐき處 京都なり田 上賀茂本店

御すぐき處 京都なり田 上賀茂本店

上賀茂神社の東隣、神官の屋敷である社家が建ち並ぶ伝統的建造物保存地区に本店がある。すぐきとは約400年前に社家の間で栽培され始めたと伝わる伝統野菜。創業の文化元年(1804)より塩のみで漬け込み、乳酸発酵させた“すぐき漬”を作り続けている。

《 すぐき漬 》
内容量/250g 価格/1080円
すぐき菜を塩のみで漬け込み、乳酸発酵。漬物の王様ともいわれる。

おんすぐきところ きょうとなりた かみがもほんてん
京都市北区上賀茂山本町35
☎075-721-1567
営業時間/10:00~18:00 定休日/不定休
アクセス/地下鉄「北山駅」よりバスで約15分

しば漬け(しばづけ)

平安後期に誕生したしば漬は夏野菜を刻んだ赤紫蘇の葉で塩漬けにしたもの。壇ノ浦の戦い後、京都の大原に隠棲した建礼門院徳子が持ち寄られた漬物を気に入り「紫葉(しば)漬」と名付けたと言い伝わる。また大原は紫蘇の名産地としても知られており、紫蘇の葉とに塩漬けしたものが起源という説もある。

●ここのお店で買えます

しば漬の郷・大原から発信
土井志ば漬本舗 大原本店

土井志ば漬本舗 大原本店

赤紫蘇の産地として知られるしば漬発祥の地・大原に本店を置く明治34年(1901)創業の老舗。しば漬をはじめ、すぐき漬や千枚漬など四季折々の京漬物を販売する。本店に隣接するレストラン「竃炊き立てごはん 圡井」では様々な漬物が並ぶ漬物ビュフェを愉しめる。

《 土井の生志ば漬 》
内容量/120g 価格/594円
大原で栽培されたちりめん赤紫蘇と、塩だけを使って熟成させた生志ば漬。

どいしばづけほんぽ おおはらほんてん
京都市左京区八瀬花尻町41
☎075-744-2311 営業時間/8:45〜17:00(土日祝は〜18:00)※季節により変動あり
定休日/なし アクセス/地下鉄「国際会館駅」よりバスで約20分

>>「男の隠れ家」2020年2月号
「冬を味わう奥・京都の名店。」より

編集部
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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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