56959やっぱり快適度が違う!? 気になる「会員制キャンプ場」とはどんなもの?

やっぱり快適度が違う!? 気になる「会員制キャンプ場」とはどんなもの?

男の隠れ家編集部
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会員制キャンプ場ができた背景とは?

近頃、通常のキャンプ場や野営地とは別に会員制のキャンプ場が登場している。気になっている人もいるだろう。新しいキャンプの利用法の1つになりそうだが、なぜこうしたサービスは誕生したのだろうか?

誕生の背景や利用のしくみ、利用者の声について、東京・檜原村にある会員制キャンプ場「HINOKO TOKYO」に話を聞いた。

会員制キャンプ場ができた背景とは?

ヒノコトウキョウのシンボル

最近のキャンプブームによって、晴れた週末には各地のキャンプ場は大いに盛り上がりをみせている。そのなかで新たなスタイルになりそうなのが、会員制キャンプ場の存在だ。こうした施設をオープンした理由について、2018年から会員制のキャンプ場「HINOKO TOKYO(ヒノコ トウキョウ)」を運営する山口陽平さんはこう話す。

「オープン当初も今ほどではないものの、すでにキャンプブームでした。キャンプの一番の醍醐味は自然に身を置いて静かに過ごすことだと思います。混み合うと、そういう時間が持ちにくくなります。そこで、マナーを守れる大人がプライベート感覚で利用できる場所として、少数のグループに限定したキャンプ場を作りました。知り合いベースで声をかけたのが始まりです」(山口さん、以下同)

山口さんの本業はオフィス空間をプロデュースするトレイルヘッズという会社の運営。さまざまな働き方を模索するなかで、キャンピングトレーラーを使った移動オフィスの拠点の1つとして、このキャンプ場を利用したのがきっかけだったという。つまり、心地いい働き方や生き方を探った延長線上に会員制キャンプ場ができた格好だ。

たしかに混み合ったキャンプ場を利用するよりもゆったり過ごしたいと考える人は多いだろう。しかし、事業を運営する上でのメリットはあるのだろうか?

「キャンプ場を会員制にする場合に入会金や月会費の初期費用を設定すれば、安定した運営資金に充てられると思います。キャンプ場の運営は週末の天気に左右されるので、それをカバーするためです。しかし、当社の場合は入会金や月会費を設けていません。どちらかというと、キャンプ場への思いに共感してもらってファンになってもらうことをメリットとしています」

会員制キャンプ場の利用方法とは?

会員になりたい人は登録イベントに参加しよう

会員制キャンプ場を利用するには、その場所への思いの共感が大切なポイントのようだ。そのためヒノコ トウキョウでは、会員になるためには登録イベントへの参加が必須となっている。

「利用者の人にどのような場所かを知ってもらうと同時に、大事に使っていただくことをお願いしています。通常のキャンプ場は、空いている日程を検索して、日程ありきで場所を探すことがほとんどだと思います。でも、対面でお話しして共感していただくことで、自然と静かにマナーよく過ごしてもらえます。それがリピート率の高さにもつながると思います」

実際に会員制キャンプ場では、登録前に体験利用できるところも多くなっている。運営者にとっては、利用するだけでなくキャンプ場の目的に賛同できるかどうかを周知する機会になっているようだ。

ヒノコ トウキョウの利用は、1サイト1日1組限定の貸切のみ。日帰りと宿泊のいずれの利用もでき、料金(日帰り、宿泊とも7,150円〜)を支払って、決められた時間内でチェックインやチェックアウトすれば良い。利用者は、自分たちでフィールドを楽しむために自分たちでテントを立てて、後始末もする。都内初の常設型アウトドアサウナもあるため、薪割りや火起こしも自分たちでやる一方、好みのロウリュウなどもできプライベート感が満喫できるようになっている。

近くに住む人がマイペースにキャンプする選択肢

ヒノコ トウキョウの森ワークの使用イメージ

東京の檜原村にあり、都心から1時間30分ほどの距離にあるヒノコ トウキョウ。利用者となる会員はどんな人がいるのだろうか?

「ほとんどが東京都内の人で、30〜50代が多くなっています。会員が一人いればよいので、ファミリー層での利用も多いですね。月に1〜2回利用されるヘビーユーザーの人もいますが、都度払いのこともあって、利用頻度はバラバラです。自分たちでテントを立てて利用するため、比較的キャンプに習熟した人が多くなっています。『都心から思ったよりも近くて気軽に利用できる』『静かにアウトドアサウナに入れてよかった』という声が多いですね」

キャンプに親しんだ人がよりマイペースに自分たちの楽しみ方でフィールドを利用しているようだ。現在、ヒノコ トウキョウでは新規会員の募集は停止されているが、3月14日から敷地内で働く「森ワーク」の利用のみ会員以外でも受け付けている。

会員制キャンプ場というと、設備やサービスが行き届いた高級感のあるグランピングタイプを想像していたが、そうではない選択肢もあるようだ。実際に調べてみると、高級感のあるグランピングタイプのものと自然のフィールドをシェアするヒノコ トウキョウのようなタイプがあった。会員制キャンプ場は、キャンプに習熟した人にも、新しい選択肢の1つとなりそうだ。

取材協力:HINOKO TOKYO
東京都西多摩郡檜原村下元郷44
https://hinoko.jp
*HINOKO TOKYOで働く「森ワーク」が2022年3月14日から再開。こちらは会員以外でも利用できる。受付は3月4日よりスタート。

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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