カメラファンならご存知、旧ソ連のトイカメラ“スメハチ”
「SMENA 8M」は旧ソ連(ロシア)カメラの中でも、玄人好みの一品といえるだろう。同じくロシアントイカメラで人気の「LOMO LC-A」は、20年ほど前に若者を中心にブームとなり「LC-A+」などが現在も販売されているが、“スメハチ”は中古品やデッドストックが時折オークションやトイカメラ販売サイトに出品されるくらいで、なかなか入手するチャンスが少ない。
チープでクラシカルな外見を持っているが、その歴史はなかなかのもの。ロシアの光学機器メーカー「レニングラード光学器械合同」略して「LOMO」が1952年から「SMENA」シリーズの生産を開始。
当時、映画は重要な宣伝手段であり武器に等しいと考えられていたため、時の指導者レーニンの指示で映画用カメラを製造し、その後、第二次世界大戦が始まるまで大衆向けカメラと報道用カメラを製造していた。
低価格でポータブル、そして誰にでも扱える。”若者”という意味を持つ「SMENA」は人気を博した。現在は残念ながら生産終了し、希少なカメラとなっている。
今回、「SMENA 8M」の希少なデットストック品の販売が確定したオンラインショップ「コスモナート」では、当時の箱と説明書付きが9000円(税抜)、箱・説明書なしが7000円(税抜)でラインアップ。どちらも未使用品となっている。
超高性能T-43レンズを搭載し、お天気アイコンが特徴的な絞りガイド、マニュアルの絞りとシャッタースピード付いた完全フル・マニュアル。こう書くと初心者には難しく感じてしまうかもしれないが、意外と取り扱いは簡単。使用するフイルム感度(ISO)に応じてフィルム装填後にレンズ前のISO感度を設定し、天気を合わせ、被写体との距離を目算してピントリングを調整、シャッターレバーをチャージしてシャッターを切る。
マニュアルに慣れている人であれば、感覚でその場の露出に合わせて設定もできるだろう。フィルムカメラは現像するまで、どんな風に撮れているかわからないからこそ、時間をかけて使い方や好みの写りを習得していく楽しさがある。
また、伝統的に引継がれ採用されてきた “B” モード 設定で無制限の露光コントロールも可能。幻想的な作品が楽しめる多重露光撮影も可能となっている。
ちょっとした作例紹介
この記事を書いている筆者も実は“スメハチ”愛好者。15年ほど前、トイカメラや銀塩にハマった時期に“スメハチ”のデットストックをトイカメラ専門の販売サイトで入手したが、当時も希少品で購入価格は1万5000円くらいだった記憶がある。
つたない写真だが過去のカメラロールを漁り、“スメハチ”の作例をいくつか紹介したい。使用フィルムはFUJIFILMの「業務用 記録用カラーフィルム」ISO100・24枚撮。絞りなどはその時々なので覚えていないが、基本テキトーだ。
ヨーロッパのアーティストを中心に熱狂的なファンで広がったトイカメラブーム。スマホのカメラ品質が圧倒的に良くなり、コンパクトなデジタルカメラの存在意義が危ぶまれている昨今ではあるが、フィルムにしろコンデジにしろ、それぞれに撮影する楽しさがある。
品質の不安定な生産ラインから生み出される一台一台の微妙に異なる描写は、大人には懐かしさとノスタルジックさを与え、フィルムカメラを知らない若者には“真新しさ”と“エモさ”を提供する。
これを機会に旧ソ連のレトロカメラが生み出す”スメナブルー”の独特な雰囲気や青の描写を楽しんでみてはいかがだろう。もしかしたら、人生に新たな発見があるかも?
【商品概要】
商品名:LOMO SMENA 8M
価格:9000円(税抜)*箱と当時の説明書がなしの商品は7000円(税抜)
使用フィルム:35 mmフィルム
画面サイズ:24 X 36 mm
レンズ:T43(ハードコーティング3群構成色消しレンズ)
シャッター:セットレバー式
シャッター速度:1/15,1/30,1/60,1/125,1/250
絞り:F4,5.6,8,11,16
サイズ:W115mm×H72.5mm×D60mm
重さ:229g
電源:不要
※商品の発送は2021年1月4日から順次対応させていただきます
※デッドストック品のため、経年劣化による若干のレンズおよびファインダー内のほこりや箱の汚れ等がある場合がございます。予め御了承ください。
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