年末が近くなると気になるのが、大掃除の日取り。新年を気持ち良く迎えるためにぜひとも早めに取り掛かりたいところだが、12月は何かと忙しく、大晦日が近くなると慌ただしく大掃除をするケースも少なくない。

在宅勤務で自宅にいる機会が多くなった場合、例年より汚れが気になる箇所もあるはずだ。しかし、大掃除を行う場合、避けた方が良い日があるというのをご存知だろうか。

歴史を振り返りながら、大掃除を前もって行う方が良い理由を紹介する。

●大掃除の習慣はいつから始まった?

そもそも、日本での大掃除の習慣はいつからあるのだろうか? その歴史を簡単に振り返る。

古くは平安時代から

日本の歴史で大掃除の由来といわれる「すす払い」が記録に出てくるのは、平安時代。当時の法律をまとめた『延喜式』には、「すす払い」について詳しく書かれている。

このすす払いは、年末に一年の煤(すす)を払う宮中行事で、電気やガスがない時代、炊事だけでなく暖をとるためには、薪や炭を使って起こす火が欠かせなかった。そのため、一年の間にたまった煤を払うための行事を年末に行っていたのだ。

そして、すす払いは神事としての意味合いもあった。溜まった汚れを取り除くだけでなく、厄や悪霊を払うという意味を有していたのだ。

日にちが決まっていた江戸時代

その後、室町時代や鎌倉時代では、すす払いが神社仏閣で行われるようになり、修行の一環にもなっていった。そして、年末の大掃除が一般に定着したのが江戸時代といわれている。

江戸幕府が、12月13日に江戸城の大掃除を始めたのがきっかけで、庶民もこれにならい、12月13日にすす払いを行うことが定着していく。旧暦の12月13日は、「鬼宿日」という吉日で、この日は婚礼以外であれば何をするにも良い日とされていた。大掃除がこの日に行われるのは、掃除をする日というだけではなく、正月事始めとして鬼宿日が選ばれたという経緯がある。

掃除はあくまで正月を迎えるための準備で、その後、半月をかけて正月を迎える準備をしていった。例えば、12月13日は「松迎え」の日でもあった。正月飾りに使う松を、この日に仕入れるわけだ。先人は暦を上手に活かし、正月に向けたさまざまな準備を吉日に始めていたのだ。

正月を迎える準備は時間がかかる。それは今も昔も変わらない。

●大掃除を避けた方が良い日

元々、神事としての意味合いがある大掃除なので、行う際には避けた方が良い日がある。

12月31日

厄を落として、その年の神様「歳神様」を迎えるという意味合いがある大掃除。そのため、神様がやってくる大晦日に行うのは避けた方が良いようだ。

きれいな状態で歳神様をお迎えするつもりが、当日に掃除をしていては、せっかく家に来てくれた神様も入ることができない。大晦日に掃除をしていては、「福やご利益を逃す」というわけだ。

忙しいなかでも、なんとか年内に終わらせたい気持ちもわかるが、大晦日に大掃除を行うのは避けよう。

1月1日

元日も、大掃除を避けた方が良いようだ。というより、すでに新年を迎えているので、年内の大掃除はかなわなかったこととなる。しかし、忙しい現代人。溜まった汚れを正月休みのうちにきれいにしておきたい場合、元日に大掃除を行う場合もあるかもしれない。

だが、元日にはすでに歳神様が来てくれているので、元日に大掃除をすると、汚れやほこりと一緒に歳神様を追い出してしまうことになる。福が逃げ、ご利益がなくなるため縁起が悪いとされているのだ。

12月29日も避けた方が無難

では、大晦日と元日を避けた12月30日までに終わらせようとなるわけだが、実は12月29日も大掃除を避けた方が良い日となる。なぜなら、29日は「9」がつく。「苦」となるため、神事を行うのは避けるべきという理由だ。

じゃあ30日なら良いかと思うが、1日ですべて終わらすのが難しい場合、ついつい大晦日も大掃除を行うことになりかねない。大掃除の本来の意味合いに立ち返るならば、12月28日までに大掃除を終えた方が良さそうだ。

●面倒な大掃除は計画的に

江戸時代以降、12月13日に大掃除を行う習慣が根付いていったわけだが、現代で考えると、仕事や予定のため13日に確実に行うのは難しい。年末進行のスケジュールや人との予定も詰まってくることを考えると、13日には固執をする必要はないともいえるが、ひとつの目安にしておきたいところだ。

もちろん、休日を利用して一気に大掃除をしてしまうのもアリだが、大掃除は一気にやると疲れる。そのため、13日以降はできるだけ空いた時間を使って、少しずつ掃除をしていくのがおすすめだ。

面倒な大掃除ではあるが、2022年を気持ち良く迎えるためにも、「縁起が良い一年になりますように」と自分を励ましながら、計画的に行っていきたいものだ。