61160東洋一美しい絶景ビーチでリフレッシュ|宮古島でのんびりノマドワーク

東洋一美しい絶景ビーチでリフレッシュ|宮古島でのんびりノマドワーク

男の隠れ家編集部
編集部
まだまだ気は抜けないものの、少しだけ「遠くへ移動しても良いのかな?」と思えるようになった昨今。感染対策には万全の注意を払いつつ、一人で向かった先は沖縄県宮古島だ。世間が一斉に動き出すGWの1週間ほど前、先取りするように休暇を取って出かけることにした。旅の日程はなんと1泊2日、弾丸ツアーもいいところだ。早朝、羽田発の1便目(JAL)に飛び乗り片道3時間弱のフライトの末、宮古島に降り立ったのは午前10時。さぁ、うたかたのバケーションが始まる……。
目次

数年振りに休暇を南の島で過ごす、その目的は。

元来の旅好きが高じて全ての都道府県に訪れたことがある。そのなかでも沖縄県はお気に入りの一つ。これまで沖縄本島はもちろん八重山列島も幾度か訪れ、石垣島を中心に船で渡れる竹富島や小浜島、西表島、波照間島など島旅を楽しんできた。しかし、旅客フェリーの運行がなくなり飛行機でしかアクセスできない宮古島は未踏の地だった。

「いつ命が失われてもおかしくない」。当たり前のことなのに目を逸らしてきた現実を、まざまざと考えさせられたこの数年間。行けるようになったら、行きたいところへ行こう。その思いを果たすため、久々の旅先を宮古島に選んだ。

宮古島は8つの有人島と4つの無人島からなる宮古列島の中心地。「山も川もない平坦なサンゴ礁の島」と言われ、青く輝く遠浅の海と真っ白な砂浜が、この世のものとは思えないほど美しい。宮古島に上陸して少し過ごしただけでも、沖縄本島や石垣島とも違う、のどかな雰囲気を感じとることができる。

温暖な気候と山や坂のない平坦な地形を生かし、島の大部分は農地となっている。主な農産物はサトウキビや葉たばこ栽培、肉用牛の生産だ。

また近年は野菜や熱帯果樹の生産にも力を入れているといい、公設市場へ訪れてみるとさまざまな島野菜や果物が並んでいる。それらの生産物を眺めながら、島を去るとき自分への土産は現地の果物を買おう。そんなことを思いながら、宮古島でのバケーションが始まった。

あえて何もしない。それが基本的な過ごし方。

スキューバダイビングやシュノーケルなどの定番マリンスポーツやゴルフを楽しむのも良いが、美しいビーチを前にして、今回は「何もしない」という過ごし方を選んだ。この数年で変わってしまった環境の変化や生活様式の転換で、想像以上に心がクタクタになっていた。

遊ぶためにはパワーが必要だ。まずはそのパワーを充電するために、ぼんやり海を眺めて、美味しいご飯を食べて、心地よく酒を飲む。そのために一人でここまで来たのだ。大袈裟でなく、いま一人になりたいと考える人は潜在的に多い気がする。だからこそソロキャンプがブームになったのだろう。

さて唐突ではあるが、そんな旅人が宮古島で最も多くの時間を過ごしたスポットを紹介したいと思う。

与那覇前浜ビーチ」である。

定番すぎる? いやいや良いんだよ、定番で。下調べの段階で一目惚れした美しいビーチ。「東洋一の美しさ」とまで称される最高の景観だ。

どこまでも歩いて行けそうなサンゴの海、他では見られない“宮古ブルー”と呼ばれる青い色。さらさらと細かい白砂は、生まれ育った北海道には絶対に存在しない代物だ。

時期が良かったのか海開き直後にもかかわらず、観光客の姿はまばら。静かに呼吸をして佇むにはちょうど良い環境。時間が限られた旅路の中で過ごす最適解だ。

夕方まではキッチンカーが数台出ており、喉が乾いても問題ない。採れたてのマンゴーを100%使用したフレッシュジュースや、チャーミングなお姉さんが販売しているインスタ映えしそうなレモネード。それらを片手に海を眺めているだけで、心が浄化されていくのがわかる。

左/ビクトリアレモネード、右/ピンクレモネード(ともに600円)。アリシアスタンで提供している。
店主の実家であるマンゴー農家から直で仕入れた素材を使用。マンゴージュース(800円)

また、キッチンカーの目の前には防水仕様の白いソファーが設置された、ウッドデッキの喫煙所がある。スモーカーである自分にとって、このスポットはありがたい。美しい海を眺めながら、美味しいジュースに潤いを得て、たばこを一服。

青い海を前に、気分はヘミングウェイである。パパ・ダイキリはマンゴージュースに、葉巻は紙巻たばこ(実際、ヘミングウェイは葉巻を吸わなかったらしいけど)に。ハードボイルドを気取りたくなるのも、ご愛敬。

地元のスモーカーと会話が弾み、おすすめのスポットを教えてもらうことも忘れない。何時間過ごしていても飽きることがない場所だ。

個人的な収穫として、宮古島の“東洋一美しいビーチ”には“東洋一美しい喫煙所”があった、ということは書き残しておこう。

与那覇前浜ビーチ
沖縄県宮古島市下地字与那覇1200-4

BEACH PAVILION MAEHAMA
https://bp-maehama.com

それだけじゃない、宮古島の魅力。

“何もしないショート・バケーション”を過ごすために訪れた宮古島だが、知的好奇心も満たしたい。旅やライフスタイルを扱うメディアという職業柄、地域産業には当たり前のように興味が湧く。

というわけで酒蔵見学をすることにした。のどかな農村地帯をドライブしながら訪れたのは「多良川酒造」だ。昭和23年に創業して以来、伝統の手技にこだわって泡盛を造り続けている酒造で、天然の洞窟を使った貯蔵庫・ういぴゃーうぷうす蔵の見学に興味があった。

酒造りの工程をビデオで勉強したあと、敷地内にある蔵へと向かう。宮古島の聖地の一つ「ウイピャー森」の近くにあり、その入り口は冒険心をくすぐる佇まい。蔵である洞窟の中へ一歩踏み入れると外の暑さを忘れるほどひんやりとしている。気温と湿度が一定に保たれているため、泡盛の保存に最適なのだという。

天然の洞窟を使った貯蔵庫「ういぴゃーうぷうす蔵」の入り口。
蔵の中には瓶や壺がズラリと並ぶ。オーナーの思いが込められた木札が下がる。

中を見学して驚いたのは、数千本と眠る泡盛の壺や瓶の数だ。それぞれの泡盛には木札がかけられ、持ち主の名前とメッセージが書き込まれている。人の秘密を見るようで申し訳ないと思いつつ、目を凝らして見ると旅の記念や子供の健やかな成長を願った気持ちが込められている。

この蔵に貯蔵されている泡盛はすべて、購入したオーナーが人生の節目までここで眠らせて育てる古酒なのだ。

案内をしてくれた平良さんの気さくで話上手なガイドを楽しみながら、代表銘柄の「琉球王朝」を自分への土産に購入した。さらに販売所を見ていて驚いたのが、ラムやイムゲーの醸造もしているということ。

特別に見学させていただいた仕込みが終わった後の貯蔵庫。大量のタンクが並ぶ姿に驚愕する。
代表銘柄「琉球王朝」と、長期熟成の古酒「久遠」。どちらも宮古島の地酒・泡盛だ。

イムゲーとは漢字にすると「芋下」と書き、琉球王国時代に庶民が飲んでいた酒といわれているが、時代の流れの中で忘れ去られてしまったもの。現在、沖縄県内の泡盛酒造所で復活させる動きが活発で、ここ多良川酒造でもそんな“幻の酒”の醸造を行っている。

また、ラム酒の「マクガン」も人気の商品だ。宮古島の水や酵母、サトウキビで造られる、正真正銘“メイドイン宮古島”のクラフト・ラム。どちらもどんな味がするのか興味が湧いた。

多良川酒造

沖縄県宮古島市城辺砂川85
0980-77-4108
https://taragawa.co.jp

大きな橋を渡って伊良部島へドライブ。おいしいランチに出会う。

多良川酒造の帰りに伊良部島をドライブしたくなった。伊良部大橋を渡りのんびり島を一周する途中、カフェ「Coral Island(コーラル アイランド)」に立ち寄る。

気の向くままに楽しんでいる休暇だが、周りはバリバリに働いている平日だ。どうしても返信しなければならない仕事の連絡がある。眺めの良いテラスで注文したメニューが届くまでPCを開き仕事をする。

リモートワークが当たり前になったことで自宅仕事に慣れてはいたが、こうして旅先で仕事をするのも悪くない。遊牧民のように街から街へと渡り歩きながら仕事をする「ノマドワーク」という働き方も良いものだ。今後、機会を作って実践したいと思う瞬間だった。

トロピカルなジュースを。ゴロゴロと入ったフルーツの果肉が良い!「アヌエ」(880円)。
注文したのは「宮古牛の肉巻きロールプレート」(1870円)。ジューシーな肉の旨味を堪能。

Coral Island(コーラル アイランド)

沖縄県宮古島市伊良部字伊良部816-1 D-resort 1F
0980-78-3516
https://vyf.jp/coralisland/

与那覇前浜ビーチでサンセットを堪能した後は、腕の立つバーテンのいる店へ。

夕方、与那覇前浜ビーチへ舞い戻り再び何もしない時間を過ごす。落ちゆく太陽が織りなす黄金色の芸術を眺めながら、旅の終わりが近いことを実感する。センチメンタルな気持ちを払拭するように、昼にここで出会った人に教えてもらったバーへ行くことにした。

繁華街の片隅に光を灯す「BAR style(バー スタイル)」の店内はゆったりとした雰囲気。マスターの粟国哲平さんは都内の飲食店で長年腕を磨いた人だという。特にフレア・バーテンディングの世界では国内でも知られた存在である。

多良川酒造のラム「マクガン」をベースに作ってもらった。
粟国さんが特別にフレア・バーテンディングを披露してくれた。

「多良川酒造のラムで何かおすすめを」

そんな注文に粟国さんが供してくれたのは、日中に飽きるほど眺めた“宮古ブルー”に似た色のたカクテル「D・ブルー」(800円)だ。さっぱりとした味わいが爽やかな海風を想起させ、旅の思い出が蘇る。

カウンターで隣り合わせた常連とも会話が弾む。南国の風土がそうさせるのか、はたまた旅人に慣れているのか、宮古島の人々は素朴でフレンドリーだ。適度な距離感で旅人を受け入れてくれるのが良くわかる。

なんと居心地の良い島なのか。すっかり宮古島の虜になって夜が終わるのを寂しく思いながら、宮古島への再訪を固く心に誓ったのだった。

BAR style(バー スタイル)

沖縄県宮古島市平良下里601
0980-73-5452
https://www.style-miyako.com

【おまけ】超個人的! 宮古島おすすめスポット

ROOM 108(BERNIE’S GROUP)

クレープ専門店やアパレルショップが一つのビルに集合したBERNIE’S GROUP。その1階にノマドワークに最適なコワーキングスペース「ROOM 108」がある。ドロップインも簡単でフリードリンク付き、過ごしやすさは抜群だ。宮古島の中心部に位置するため使い勝手も良い。

沖縄県宮古島市平良西里251-10
http://miyako-bernies.jp
※6月上旬OPEN予定

町屋はまもと

ぶらぶらと町歩きをしていて見つけた、たばこ・喫煙具の専門店。沖縄地域限定たばこ「うるま」のレトロな看板が目印だ。紙巻たばこや加熱式たばこのほか、手巻たばこや水たばこの器具など豊富な品揃えに驚く。「チェ・ゲバラ」フリークな店主との会話も楽しい。

沖縄県宮古島市平良下里597
0980-79-0465

張水御嶽。
来間島からの朝日。
宮古島に登る太陽。
与那覇前浜ビーチは日本とは思えない青さと白さ。
アリシアスタン(与那覇前浜ビーチ)のソファスペース。
与那覇前浜ビーチから見る伊良部大橋は絶景スポットの一つ。
のどかな農村部をドライブ。
シギラビーチ。
丸吉食堂のソーキそば。
可憐なたばこの花。
首里城復興パッケージの「うるま」。
ピサラサンセット(900円)は「宮古島シティ」をベースにしたカクテル。

文/田村巴 写真/金盛正樹

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