7271世界の鉄オタやマニアが集う、萌える鉄道居酒屋「鉄道居酒屋 Little TGV」|秋葉原駅西口〈おたくの隠れ家〉

世界の鉄オタやマニアが集う、萌える鉄道居酒屋「鉄道居酒屋 Little TGV」|秋葉原駅西口〈おたくの隠れ家〉

男の隠れ家編集部
編集部
秋葉原駅の電気街改札(西口)を降りて、中央通りを神田明神通り方向に2本入った電気街の道の4階に「鉄道居酒屋 Little TGV(リトル ティージーブイ)」がある。
目次

世界のマニアたちが来店する鉄道居酒屋

「いらっしゃいませ、ご乗車ありがとうございます。仮想鉄道、新秋葉電気鉄道の乗務員が皆様をお出迎えいたします」。これが「鉄道居酒屋 Little TGV」のキャッチフレーズだ。

都内に数店舗ある鉄道居酒屋の中で最も有名な店のひとつで、TGVとは、フランス国営鉄道の高速鉄道で、営業列車の中で世界最高速度を出したことで知られる車だ(Train a Grande Vitesse の意)。

この店は平日から仕事帰りのサラリーマンなどで賑わうが、世界各国からの鉄道マニアが来店してくることでも有名だ。

世界共通の鉄道ファン・マニアは大別すると、鉄道に乗る(乗り鉄)、鉄道の写真を撮る(撮り鉄)、鉄道関連の品(切符なども含む)を収集する(コレクター)の3種になる。むろん複数趣味が重なっている人も多い。

店内に入ると切符が渡される

お店の入り口を入ると、3メートル程のトンネルのような通路。そこが夢の世界への入り口だ。そしてその先には鉄道好きの居酒屋空間が広がっている。

まず目を惹くのが壁面至る所に飾られた鉄道関連グッズだ。日本各地の時刻表、駅名の入ったプレート、運行表、路線図など鉄道ファンの興味を惹くものばかりが置かれている。

急行車両の座席もイスとして使われている
ながめるだけでも楽しい鉄道関連グッズ

お客さんはひとりで来る場合もあれば、数人でわいわい来て鉄道談議に花を咲かせるなど、じつにさまざまだ。

入り口側の壁面スクリーンには、日本中を走る列車の映像DVDが流れている。それを肴に、ひとりお酒を呑んで鉄道に夢を馳せるお客さんは少なくない。乗務員(この店のウェイトレスはこう呼ぶ)に最近行った路線の旅の話を嬉しそうにするお客さんも多い。

乗務員もみんな鉄道好きや旅行好きなので、喜んで話に入って盛り上がり、会話が広がっていく。隣の席のお客さんが会話に入って意気投合、というのもよくある。仕事よりも趣味なのか、乗り鉄の乗務員が青春18きっぷ(期間限定のお得な切符)で出掛けてしまうことも多いとか。

食事のメニューは路線図になっている。駅名が料理、運賃が料理の値段だ

客層は20代から50代と幅広い。その中で女子の鉄道ファン比率は約3割ほど。彼氏が鉄道好きでついてきた女子や、お互いに鉄道好きなご夫婦などもいる。

お店はオープンから12年目に当たる。現在のお店の制服(乗務服)は、2015年に一般公募で集まった40点のデザインの中から、乗務員全員の投票で決められた。ダントツ人気で決まったのが現在のデザインだという。

それを描いた方の職業はイラストレーターで、公募時に描いたイラストが現在でもメニューなどに使われている。乗務服はなんと一着一着手作りだという。お客さんの愛と手造りの温かさが溢れた制服だ。

メニューは鉄道にちなんだ名前がついている

お店の人気メニューベスト3はこれ。「密着連結たまご焼き」一度は頼んでみたい。目の前で行われる連結作業は楽しくもちろん味も良い。「NAERお子様プレート」デパートで子供の頃に食べた懐かしい味が大人になってここでまた味わえる逸品。マニアには0型新幹線のプレートがとても懐かしく大人気だ。新幹線カクテルの「E6系こまち」はノンアルコールで、子供にも人気のカクテルだ。

「密着連結たまご焼き」の連結作業
0型新幹線のプレートが懐かしい「NAERお子様プレート」

一度この店に来た客は、かなりの確率でまたここに来ることになる。リピート率のたいへん高い店だ。乗務員の女の子についたファンも多い。

創業創業当初から、客筋は鉄道ファン、乗務員ファンだった。乗務員が世代を重ねても、それぞれのファンの客筋は今も変わらない。店のポイントカードが貯まると、乗務員との記念写真や非売品のオリジナルグッズがもらえるのも嬉しい。

「鉄道フォトコンテスト」などイベントも

店では年に1回、鉄道の日にあわせて「鉄道フォトコンテスト」をやっている。コンテストの入賞作品は、「鉄道カクテル」として1年間お店のメニューで提供されるのだ。応募作品はファイリングされ、すべて店の本棚に大切に保管されている。

コンテストの応募作はファイルに整理され、いつ来ても見ることが出来る

同じ本棚には毎年の時刻表が並べられている。古い時刻表を見ることのできる場所はあまりないだろう。何年か前の時刻表を改めて、懐かしそうに、グラスを片手に読んでいるお客さんの横顔が印象的だった。

旅の思い出を蘇らせてくれる古い時刻表

お店で隣同士に座ったことがきっかけで、休日に一緒に鉄道に乗ったり、写真を撮りに行ったりする友達になるのも、この店ならではの出会いだ。そうして連れ立って行った旅行の帰りに、またお店に寄って仲間とお疲れ様の乾杯をしたり、乗務員や他のお客と土産話に花を咲かせたりしている。

店内を所狭しと走るNゲージ

鉄道に少しでも興味がある人はもちろん、鉄道好きな人の気持ちが知りたい人なども行ってみてはいかがだろうか。

鉄道居酒屋 Little TGV
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-10-5イサミヤ第3ビル4F
電話(03)3255-5223 
営業時間 月:休(祝日の場合変更あり)、火~金:18:00~23:00、
土・祝:16:00~23:00、日:12:00~23:00(ランチタイム12:00~16:00)

文/宮川総一郎
エッセイスト、漫画家、小説家。代表作:漫画『マネーウォーズ』(集英社ビジネスジャンプ)。小説:「七福神食堂」「東京謎解き下町巡り」(マイナビFan文庫)。総監修:「漫画から学ぶ生きる力」、他。

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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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