築地の庶民的な雰囲気の店構えだが、界隈でも魚料理の旨さは折り紙つきの「季節料理 魚竹」。昭和51年(1976)に先代の父が始めた店を、現在は早川一男さん・清忠さんの兄弟が引き継ぎ、家族で切り盛りする繁盛店だ。

下町らしい雰囲気の店で、活きの良い魚で一杯!

仕入れの担当は弟の清忠さん。毎朝6時過ぎから市場へ出かけ、仕入れた新鮮な旬の魚を兄の一男さんが調理する。秋から冬にかけてのおすすめは、三陸産の真サバ。「寒くなると皮目のところにだんだん脂が乗ってきて、さらに旨くなります。寒サバの季節には味噌煮が旨いですよ」と一男さん。

魚の鮮度や料理の腕はもちろん、気持ちの良い接客も人気の理由だ。

寒い冬の日に日本酒と一緒にいただきたいのは「ねぎま鍋」。この日の魚は銚子産バチマグロ。ハラミの部分をざっくり切ったものにネギだけを加えたシンプルさが良い。味付けはカツオ出汁と塩・醤油のみで、柔らかさを保ったままのハラミが噛むとほどけるように口の中で崩れていく。

グツグツと湯気をあげる鍋は冬の醍醐味。ぶつ切りのマグロが鍋の中で踊る。

合わせていただく日本酒は「群馬泉 超特選純米」だ。香りが良く、マグロの脂に負けない味わいが楽しめる。マグロの旨味が染み出た出汁との相性は抜群である。

シンプルながら贅沢に感じる、ねぎま鍋。ひとりでつつく幸福感。

店内には手書きのメニューが張り出され、刺身、昆布〆、塩焼き、煮物、鍋物など、さまざまな和の魚料理が並ぶ。ねぎま鍋と一緒にいただいた、〆サバも絶妙な加減で旨い。三陸産の真サバにうっすらと塩を振り、生酢で15分ほど締めたもの。締めすぎるとサバ特有のねっとりした旨味がなくなるという。

〆サバには「山丹正宗 純米酒」を合わせた。飲み口は淡麗だが、酸もしっかりとあり魚料理にとてもよく合う。

カウンターのみの店内は、ランチも夜も混み合う。

ちなみに「季節料理 魚竹」は、ご飯が旨いと評判である。炊いたご飯と、前に炊いたご飯を合わせて水分を飛ばす独特な方法をとっているとのこと。次は並ぶの覚悟でランチ時に訪れて、旨いご飯と焼き魚を食べようと心に誓った夜なのであった。

下町の庶民的な店構えにホッとする。

【基本情報】
住所:東京都中央区築地1-9-1 
最寄り駅:地下鉄「築地駅」「新富町駅」よりすぐ 
営業時間:11:00~14:00、17:30~20:30(LO20:00) 
定休:土日祝日

文/阿部文枝 写真/渡部健五