65610【2022年最新】不動産売却の基礎知識を解説!タイミングや囲い込み対策・税金で知るべきこと

【2022年最新】不動産売却の基礎知識を解説!タイミングや囲い込み対策・税金で知るべきこと

編集部

大切な資産である不動産は、少しでも高く売りたいものだ。そのため、不動産売却は時間をかけて知識を付け、準備するのが大事。

この記事では「不動産売却」について解説していく。

不動産売却のタイミングや、不動産売却の流れ、査定依頼のコツ、囲い込みの回避方法、税金および確定申告を紹介しよう。

不動産売却のタイミング

不動産売却のタイミング

最初に不動産売却のタイミングについて解説する。

市況によるタイミング

中古住宅は市況が好調なタイミングで売却すると高く売れる。

以下に、過去10年間における首都圏の中古住宅価格の推移を示す。

首都圏中古住宅の価格推移

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」

ここ数年は、中古住宅価格が上昇しているため、売り時といえる

気になるコロナ禍以降の値動きであるが、最初の緊急事態宣言が終了して以降は、マンションも戸建ても価格が回復し、上昇傾向は続いている。

直近でも引き続き売り時は続いている状況だ。

コロナ禍以降の首都圏の住宅の値動き

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watch(2021(令和3)年04月度)」

築年数によるタイミング

不動産は築年数によるタイミングも存在する。

以下に、首都圏におけるマンションと戸建ての築年数別平均価格を示す。

首都圏中古の築年数別平均価格

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」

中古住宅の価格は、築年数が長くなるほど下がっている。

中古住宅で売りやすいタイミングは、マンションなら築25年以内、戸建てなら築20年以内となる

理由としては、築25年超のマンションや築20年超の戸建ては、買主が一定の要件を満たす住宅ローンを組んで住宅を購入すると、所定の額を所得税から控除できる住宅ローン控除を原則として利用できないためである。

住宅を売却するなら、買主が住宅ローン控除を利用できる築年数以内で売却することが望ましい

シーズンによるタイミング

シーズンによるタイミングとしては、毎年2~3月は売却しやすい

参考までに、2020年~2021年の首都圏における月別住宅取引件数を示す。

月別住宅取引件数

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watchサマリーレポート (2021年 10月度)」

毎年2~3月は4月の移動シーズンに先駆けて取引件数が伸びるため、売却しやすくなっている。

不動産売却の3つの方法

ここまで見てきた前提を踏まえて、ここからは不動産売却の3つの方法を紹介する。

仲介

仲介とは、不動産会社に買主をあっせんしてもらい、直接、買主へ売却する方法だ。不動産の売却といえば、仲介による売却を指すことが一般的となっている。仲介は市場価格で売却できるため、高く売れる点がメリットである。

ただし、売却に時間がかかる点がデメリットとなる。また、仲介で売却した場合には、仲介手数料が発生する。

買取

買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことを指す。不動産会社が下取り価格で購入するため、買取による売却価格は安い。買取の価格は、仲介の価格の80%程度が相場だ。

買取は、不動産会社に直接売ることからすぐに売却できるメリットがある。不動産会社にもよるが、3日~2週間程度で売却が可能だ。

また、仲介ではないため、仲介手数料もかからない。ただし、買取は売却価格が安くなることがデメリットだ

任意売却

任意売却とは、住宅ローンを滞納した場合や、売却額で住宅ローン残債を完済できない場合の売却方法

債権者(銀行のこと)のための特殊な売却方法であるため、任意売却には債権者の合意が必要だ。

メリットとしては、住宅ローンを完済できない状況でも売却できる点である。

一方で、デメリットとしては、住宅ローンを完済できないため、債務不履行を発生させたことになり、ブラックリスト(信用情報機関の事故情報名簿のこと)に名前が載ってしまう点だ

任意売却は、経済的に困窮している場合等の例外的な状況でない限り選択しない特殊な売却方法となる。

不動産売却の流れと売却に要する期間

不動産売却の流れを示すと、以下の通りである。

不動産売却の流れと売却に要する期間

最初に価格査定を行い、依頼したい不動産会社が決まったら媒介契約(仲介の契約のこと)を締結する。

売却活動を開始して、約3ヶ月で買主が決まり、売買契約を締結。不動産の売却では、 売買契約と引渡を別日で行う点が最大の特徴だ

売買契約は書面だけの締結であり、売主は買主から手付金を受領する。その後、引渡までの間に買主が住宅ローンの本審査を通す。

買主の住宅ローンは引渡時に実行され、引渡時に手付金を除く残金が入金される。

確定申告が必要なら、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をしよう。

買主の事情で売買契約や引渡日は後倒しすることもあるため、スケジュールはトータルで6ヶ月程度を見込んでおくことが望ましい

査定依頼のコツ

この章では、より高額で売却するための査定依頼のコツについて解説する。

事前にローン残債を確認しておく

住宅ローンが残っている不動産を売却する場合、事前にローン残債を確認しておくことがポイントだ。

ローン残債がある物件は、引渡と同時に売却代金でローン残債を一括返済することが原則となる。

査定依頼のコツ

住宅ローン残債が売却額を上回っていることをオーバーローン、下回っていることをアンダーローンと呼ぶ。

仲介または買取で不動産を売却するには、アンダーローンとなっていることが原則で、オーバーローンの場合は任意売却を選択することになる。

不動産査定は売却予想価格を算出することであるから、アンダーローンかを確認するためにも、査定前にローンの残額をしっかり確認しておきたい。

複数の不動産会社に依頼する

不動産の査定は、複数の不動産会社に依頼することがポイントだ

売却前の不動産査定は必ず無料であり、査定価格に納得がいかなければ依頼しなくても問題はない。

近年は、複数の不動産会社に査定を依頼できる一括査定サイトを利用する人が増えてきた。不動産一括査定はあらかじめ査定が依頼できる不動産会社が分かっていると安心だ。

以下の一括査定サイトは、査定依頼ができる不動産会社が分かるサイトである。

すまいValueは、査定依頼できる不動産会社が「三井のリハウス」や「住友不動産販売」等の大手6社に限定されている。

LIFULL HOME’SやSUUMOは、依頼操作の最後に近所の不動産会社が選べるようになっている。地元の不動産会社に査定を依頼したいときは、LIFULL HOME’SやSUUMOが便利だ

複数の不動産会社に査定依頼するメリット

複数の不動産会社に査定依頼を出すメリットは、物件情報や個人情報を入力するだけで複数社の査定額を比較できる点だ。

一戸建てを売却する場合は不動産会社によって一戸建てが得意、○○沿線が強いなど、得意な物件が異なるため、売却金額も大きく変わる。あなたが売りたい物件に強い不動産会社を選ぶためにも、複数の会社に依頼するといいだろう。

なお、マンション売却の際の査定額も同様だ。

実は、同じマンションでも提示される査定額は不動産会社によって差が生じるものです。不動産会社によっては仲介契約を獲得するため、あえて相場価格よりも高い査定額を提示することもあり得ます。数の査定依頼を出すことで売りたいマンションの適正な価格をチェックすることができ、相場価格と乖離する恐れを防ぐことにつながります。

引用:マネーポスト不動産売却

媒介契約の種類と特徴

媒介契約の種類と特徴

この章では、媒介契約の種類と特徴を解説する。

媒介契約の種類

媒介契約には、「一般媒介契約」と「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類がある。

契約一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他業者への依頼重ねて依頼ができる重ねての依頼ができない重ねての依頼ができない
自己発見取引 ※認められる認められる認められない

※自己発見取引とは、売主が自ら買主を見つけてくること

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約だ。

それに対して、専任媒介契約または専属専任媒介契約(以下、「専任媒介等」と略)は1社の不動産会社にしか売却を依頼できない契約

専属専任媒介契約では、自己発見取引も禁止されているため、売主が自分で買主を見つけることもできない契約となっている。

専任媒介等に向いている物件

専任媒介等は依頼できる不動産会社が1社となるため、スケジュール調整がしやすくなる点がメリットである。

そのため、専任媒介等は売却と購入を同時に行う「買い替え」を行う場合に向いている

【専任媒介等に向いている物件例】

・買い替えを行うケース

特に住宅ローンが残っている物件を買い替えする場合には、住みながら売却することが多く、売却と購入のタイミングを合わせることが難しくなる。

1社の不動産会社だけに依頼する専任媒介等であれば、売主の事情を把握して動いてくれるため、スケジュールの調整がしやすい

一般媒介に向いている物件

一般媒介は複数の不動産会社に売却を依頼できるため、早く売れるというメリットがある。

不動産会社に支払う仲介手数料は成功報酬であるため、一般媒介で複数の不動産会社に依頼しても、支払いは買主を決めてくれた1社だけで良いことになっている。

一般媒介で売却を依頼された不動産会社は仲介手数料を得るために、他社に先駆けて良い条件の買主を決めようとする。

不動産会社同士で競争原理が働くことから、一般媒介では早く売れるようになるのだ。

【一般媒介に向いている物件例】

・条件の良い物件を単純売却するケース(買い替えのようなスケジュール調整を要しない場合)
・離婚の財産分与で売却するケース
・相続した不動産を売却するケース

駅からの距離も近く、築年数の浅いような条件の良い物件は、不動産会社が仲介をしたがるため、一般媒介だと早く売れる。

また、離婚の財産分与や相続した不動産では、早く売らなければならないケースも多いため、一般売却が向いている。

囲い込みの回避方法

囲い込みの回避方法

ここでは、厄介な不動産会社による囲い込みの回避方法について解説する。

囲い込みとは

囲い込みとは、売却依頼を受けた不動産会社が他の不動産会社からの買主のあっせんを断り、自社で買主を決めようとする行為だ。

囲い込みは専任媒介等で依頼した場合に、不動産会社が両手仲介にこだわることで発生する。

不動産の仲介には、両手仲介と片手仲介の2種類がある。

両手仲介と片手仲介

両手仲介とは、売却を依頼した不動産会社が買主も見つけてくる仲介のこと。

それに対して、片手仲介とは売却を依頼した不動産会社とは別の会社が買主を見つけてくる仲介だ。

日本の不動産仲介では、両手仲介も片手仲介も認められている。両手仲介になると、不動産会社は売主からも買主からも仲介手数料を受領することができ、手数料収入は2倍となる

囲い込みが行われたとしても、売主の希望価格で売却される場合は特に問題はない。

しかし、囲い込みによって売主が損をするケースもあり得る

例えば、5,000万円の物件をA社に売却依頼したとする。A社が5,000万円で買う買主を見つけてくれば、囲い込まれても問題はないだろう。

ところが、A社が自力では5,000万円の買主を見つけられず、4,800万円で買う買主しか見つけられないときがある。

そのような状況で、B社が5,000万円の買主を見つけて紹介しようとしても、A社がB社の申出を断ってしまうことがある。

A社にとってはB社と5,000万円で片手仲介するよりも、自分で見つけてきた4,800万円の買主で両手仲介をした方が得られる手数料が高くなるからだ

このように囲い込みがなされると売主が損をしてしまう可能性があるため、売主は囲い込みの回避策を意識する必要がある。

囲い込みの回避方法

囲い込みの回避方法には、以下の2つがある。

【囲い込みの回避方法】

・一般媒介で複数の不動産会社に売却を依頼する
・専任媒介等ではレインズの取引状況管理機能で取引状況を確認する

1つ目は、一般媒介で複数の不動産会社に売却を依頼するという方法。

囲い込みは「1社に囲い込まれる」状態を指すので、そもそも複数の不動産会社に依頼すれば囲い込まれる状態にはならない

一般媒介になると、各社は競い合って買主を決めるようになるため、売主の希望価格の買主をできる限り早く探そうと努力する。よって、一般媒介で複数の不動産会社に依頼すれば、囲い込みの心配は不要となる。

2つ目は、専任媒介等のときはレインズの取引状況管理機能で取引状況を確認する方法だ。

専任媒介等で売却を依頼すると、不動産会社はレインズと呼ばれる不動産会社しか見ることのできないデータベースに売り物件を載せることが義務付けられている。

売却を依頼した売主は、レインズで自分の物件がきちんと他の不動産会社に情報公開がなされているかを確認することができる。

この確認機能のことを、「取引状況管理機能」と呼んでいる。

レインズ上では、取引状況が以下の3つに分類されている。

取引状況内容
公開中情報が他社に公開されている。他社が買主をあっせんすることが可能であり、囲い込まれていない状態。
書面による購入申込あり買主からの購入申し込みがあり、売却活動がストップしている状態。他社からのあっせんはできない。
売主都合で一時紹介停止中売主が売却を取り止めた状態。他社からのあっせんはできない。

売主は、専任媒介等で売却を依頼すると、不動産会社からレインズの取引状況管理機能を利用できるIDとパスワードが付与される。

レインズ上で情報が「公開中」となっていれば他社が買主をあっせんできる状態であるため、囲い込まれていないと確認できる。

一方で、まだ購入希望者がいないにも関わらず、「書面による購入申込あり」となっていれば他社が買主をあっせんできない。

また、特に売却を取り止やめていないにも関わらず、「売主都合で一時紹介停止中」となっている場合も、他社が買主をあっせんできない状態だ。

身に覚えがないのに「書面による購入申込あり」または「売主都合で一時紹介停止中」となっていれば、囲い込まれている可能性がある。

専任媒介等で売却を依頼した場合には、必ず取引状況管理機能を使って情報が「公開中」となっているかをチェックすることをおすすめする

不動産売却に必要な費用

不動産売却に必要な費用

この章では、不動産売却に必要な費用について解説する。

仲介手数料

仲介で不動産を売却する場合、仲介手数料が発生する。不動産売却にかかる最大の費用が仲介手数料だ。

不動産会社が受領できる仲介手数料は、売買金額に応じて上限額が定められている。

上限額は、以下の速算式で求められる。

取引額 (売買金額)速算式(上限額)
200万円以下売買金額 × 5%
200万円超から400万円以下売買金額 × 4% + 2万円
400万円超売買金額 × 3% + 6万円

仲介手数料には、別途消費税が発生する。

都市部の不動産では、取引額が「400万円超」となるため、仲介手数料の上限額は「売買金額×3%+6万円」。

不動産会社は仲介手数料を上限額で請求してくることが一般的であるため、仲介手数料の「相場イコール上限額」が一般的だ

例えば、売却した不動産の価格が5,000万円の場合、仲介手数料は156万円(=5,000万円×3%+6万円)となる。

仲介手数料の支払いのタイミングは、商習慣によって売買契約時に50%引渡時に残りの50%となることが通常である。

印紙代

不動産の売買契約書は印紙を貼らなければならない課税文書であるため、印紙代も必要だ。

契約書に記載する売買金額本則軽減税率 ※
10万円超50万円以下400円200円
50万円超100万円以下1,000円500円
100万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円超5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円超1億円以下60,000円30,000円
1億円超5億円以下100,000円60,000円
5億円超10億円以下200,000円160,000円
10億円超50億円以下400,000円320,000円
50億円超600,000円480,000円
金額の記載のないもの200円200円

契約書に記載する売買金額と、印紙税額の関係は上表の通りである。また、軽減税率適用期間内は、軽減税率の額が適用される。

なお、令和4年4月1日に「所得税法等の一部を改正する法律」が施行されたことで、適用期限が延長された。

軽減措置の対象となる契約書は、不動産の譲渡に関する契約書のうち、記載金額が10万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成されるものになります。

引用:国税庁

登記費用

売却する不動産に住宅ローンの借入金が残っている場合は、不動産に抵当権が設定されている。

抵当権とは、債権者(銀行のこと)が優先的に弁済を受けることができる権利のこと。抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消のための登記費用が必要となる

抵当権抹消のための登記費用には、「登録免許税」と「司法書士手数料」の2つがある。

抵当権抹消の登録免許税は、不動産1個につき1,000円。マンションは、通常、土地1筆(筆とは土地の単位のこと)、建物1個であるため、抵当権抹消の登録免許税は2,000円となる。

また、抵当権抹消の登記手続きは、司法書士に依頼することが一般的。司法書士手数料の相場は5万円~10万円程度となる。

尚、売主から買主への所有権移転登記費用については、商習慣で買主が全額費用負担することが一般的だ。

測量費用

土地または戸建ての売却において、土地の境界が確定していない不動産を売却するときは、確定測量を行うための測量費が必要だ。

確定測量とは、全ての境界を確定するための測量のこと。確定測量費は、隣接する土地の地権者や道路の反対側の地権者の数が多いほど金額が高くなる。

一般的には、確定測量は50万円~100万円の範囲の金額となることが多い。

境界が確定している不動産、つまり既に確定測量図を持っている場合、確定測量は不要である。

マンションは土地全体の境界が確定していることが通常であるため、売却のために確定測量を行う必要はない。

また、マンションの売却では売主が買主へ確定測量図を引き渡さないことから、売主が確定測量図を持っていなくても問題ない。

一方で、戸建ての場合、建売住宅なら土地の境界が確定していることが一般的。そのため、売主は確定測量図を持っているはずであるため、売却前に確認して欲しい。

相続した不動産等の古くから持っている土地は境界が確定していないことが多いことから、売却前に確定測量が必要となるケースがよくある。

不動産売却に必要な資料

不動産売却に必要な資料は下記の通りである。

目的タイミング資料名
買主へ渡す資料引渡時(戸建て)
・測量図、筆界確認書、越境の覚書等の土地関係の書類
・建築確認済証、検査済証、設計図書等の建物関係の書類
・近隣との覚書・建築協定等の地域関係の書類
・固定資産税・都市計画税納税通知書
・設備取扱説明書、保証書、アフターサービス基準書
(マンション)
・分譲時のパンフレット
・管理費・修繕積立金の額の確認書等
・管理規約・使用細則
・マンション理事会の最近の会計報告書や議事録の写し等
・固定資産税・都市計画税納税通知書
・設備取扱説明書、保証書、アフターサービス基準書
所有権移転に必要な資料引渡時・登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
・印鑑証明書(3ヶ月以内に発行の物)
・固定資産税評価証明書
・住民票
・本人確認書類(免許証等)
・委任状(司法書士に委任する場合)
・抵当権の抹消に必要な書類(銀行から受領)
確定申告で必要な書類確定申告時・除票住民票
・売ったときの売買契約書の写し
・買ったときの売買契約書の写し
・媒介報酬や印紙代などの金額が分かる書類
・利用する特例によって必要となる書類

不動産売却で生じる税金

不動産売却で生じる税金

ここからは、不動産売却にかかる税金を解説する。

譲渡所得と税率

個人が不動産を売却すると譲渡所得が発生し、税金が生じる。

譲渡所得とは、給与所得や事業所得などの個人が得る所得の名称の一つであり、不動産を売ったときの売却益のことを指す。

譲渡所得は、具体的には以下の計算式で求められる。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは売却価額を指す。

取得費は、土地は購入額、建物は購入額から減価償却費(会計上の費用)を控除した価額のこと。

譲渡費用は、仲介手数料や印紙税、測量費などの売却に直接要した費用のこと。

譲渡所得は売却益のことであるため、売却価額のことではない点がポイントだ。

例えば、バブル時代に購入した不動産などは取得費が高いため、譲渡所得がマイナスとして計算されることが多い。

譲渡所得がマイナスとなれば、売却しても不動産所得は発生していないものとされ、税金は発生しない

したがって、不動産を売却したときの税金は、「発生するとき」「発生しないとき」があるということになる。

譲渡所得がプラスの場合、税金は譲渡所得に税率を乗じて求められる。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率は、不動産の所有期間によって異なる。

売却する年の1月1日時点において所有期間が5年超のときは長期譲渡所得、1月1日時点において所有期間が5年以下のときは短期譲渡所得と分類され、それぞれの税率は下表の通りだ。

所得の種類所有期間所得税率住民税率
短期譲渡所得5年以下30%9%
長期譲渡所得5年超15%5%

土地等を譲渡した場合、譲渡所得(※譲渡の対価の額-譲渡経費)に対し、表のとおり課税されます。

引用:国土交通省

税金の計算方法

マイホームを売却したときの税金の計算方法について解説する。

税金を計算では、取得費を求めることがポイントだ。取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額のこと。

そのため、取得費を計算するには、購入当時の売買契約書より購入額の土地と建物の内訳価格を調べておく必要がある。

以下の条件で取得費を計算する。

【前提条件】

不動産の種類:マンション
建物構造:鉄筋コンクリート造
購入価額:5,000万円(消費税別)
内訳 土地購入価額:3,000万円
   建物購入価額:2,000万円(消費税別)
経過年数:15年(購入から売却までの所有期間のこと)

マイホームは非事業用不動産と呼ばれ、減価償却の計算式は以下のものを用いる。

減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

償却率には、建物の構造によって下表のように決まっている。

鉄筋コンクリート造の場合は、「0.015」を用いる。

構造非事業用の償却率
木造0.031
木造モルタル0.034
鉄骨造(3mm以下)0.036
鉄骨造(3mm超4mm以下)0.025
鉄骨造(4mm超)0.020
鉄筋コンクリート造0.015
鉄骨鉄筋コンクリート造0.015

経過年数は築年数ではなく、購入から売却までの所有期間を指す。

あくまでも売主が保有していた所有期間であるため、中古マンションを購入していたとしても過去の築年数は関係しない

経過年数は年単位で表し、6ヶ月以上の端数が出た場合は切上げ、6ヶ月未満の端数が出た場合は切捨てとなる。

上記の条件で取得費を求めると、以下の通りである。

最初に減価償却費を求める。 減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数       = 2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 15年       = 405万円   よって取得費は以下のようになる。 取得費 = 土地購入価額 + (建物購入価額 - 減価償却費)     = 3,000万円 + (2,000万円 - 405万円)     = 3,000万円 + 1,595万円     = 4,595万円

取得費を求めることができたら、譲渡所得と税金を計算する。

税率は長期譲渡所得(所有期間5年超)のものを用いる。

(前提条件) 売却価額:4,900万円 取得費:4,595万円 譲渡費用:145万円   (税金) 譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用      = 4,900万円 - 4,595万円 - 145万円      = 160万円   所得税 = 譲渡所得 × 所得税率     = 160万円 × 15%     = 24万円   復興特別所得税 = 所得税 × 復興特別所得税率         = 24万円 × 2.1%         ≒ 0.5万円   住民税 = 譲渡所得 × 住民税率     = 160万円 × 5%     = 8万円   税金 = 所得税 + 住民税 + 復興特別所得税    = 24万円 + 8万円 + 0.5万円    = 32.5万円

確定申告

確定申告

ここからは、売却終了後の確定申告について解説する。

確定申告が必要な人と不要な人

不動産売却では、原則として譲渡所得が発生している人は確定申告が必要だ。確定申告では譲渡所得を申告し、所得税を納税する。

譲渡所得が発生していない人は、原則として確定申告は不要

ただし、不動産の売却では節税や税金還付を受けることができる特例がある。特例を利用する場合には、例外的に譲渡所得が発生していない場合でも確定申告が必要となる。

マイホームの売却では5つの特例が定められており、一定の条件を満たすと特例が利用できる。

特例の性質特例名称国税庁HP
譲渡所得が生じたときの特例3,000万円特別控除No.3302 マイホームを売ったときの特例
所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
特定の居住用財産の買換え特例No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
譲渡所得が発生しなかったときの特例居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例No.3370 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

マイホームの売却では、譲渡所得が発生しなかったときに一定の要件を満たすと、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」等の税金還付を受けられる特例が利用できる。

そのため、譲渡所得が発生しない場合でも、特例を利用するなら確定申告が必要。

確定申告が必要なケースと不要なケースをまとめると、以下のようになる。

確定申告が必要なケース確定申告が不要なケース
・譲渡所得が生じている場合 ・特例を利用する場合・譲渡所得が発生しておらず、かつ、特例を利用しない場合

尚、買い替えで購入した家で新たに住宅ローン控除を利用する場合、住宅ローン控除の適用を受けるために確定申告が必要だ。

確定申告をしないと「お尋ね」が来るときがある

少し不安に感じるかもしれないが、何もしなくても特に問題ない

売却で譲渡所得が発生しないなら、特例を利用しない限り売却にかかる確定申告はしなくてよい。

ただし、確定申告しない人のうち、一部の人に対して売却後に税務署から「お尋ね」というアンケート調査が届くことがある。

お尋ねとは、税務署が譲渡所得を発生させている可能性のある人に対して、念のために売却価額等の確認をするための調査のこと。

税務署は、法務局から所有権の移転情報を得ているため、確定申告をしない人も不動産の売買があったことを把握している。

また、税務署は不動産の価格相場も把握しており、購入時期や売却時期から譲渡所得の発生の有無を推測することもできる。そのため、譲渡所得を発生させている可能性のある人を絞りこんで、念のため、申告漏れがないかの確認をしているのだ。

譲渡所得が発生していないことで確定申告をしていない場合、特に悪いことをしているわけではないので、お尋ねに正直に回答すれば問題はない。

回答して譲渡所得がマイナスであることを証明すれば、それで終了である。

また、お尋ねが来ない人もたくさんいる。

お尋ねが来ない人は、税務署が恐らく譲渡所得は発生していないのだろうと把握されている人たちなので、お尋ねによる事後確認すらない。

いずれにしろ、確定申告の必要性を把握するためにも譲渡所得の計算は必要なので、売却が終了したら必ず譲渡所得の有無の確認は行ってほしい

まとめ

まとめ

ここまで、不動産売却についてさまざまな面から解説してきた。

保有物件をより高値で売るには、複数の不動産会社に査定依頼を出して、より高く売却してくれる不動産会社を探すことがポイントだ。

不動産売却に関する概要がわかったら、早速に査定依頼から始めていただきたい。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る