記事一覧 | 男の隠れ家デジタル https://otokonokakurega.com/ いくつになっても、 男は心に 隠れ家を持っている。 Wed, 27 Mar 2024 05:00:50 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.1 https://otokonokakurega.com/wp-content/uploads/2019/09/d02a42d9cb3dec9320e5f550278911c7.png 記事一覧 | 男の隠れ家デジタル https://otokonokakurega.com/ 32 32 195504444 龍神様と出会う「開運の旅」 https://otokonokakurega.com/meet/curiosity/97155/ Wed, 27 Mar 2024 05:00:50 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=97155 – Latest Issue 最新号 –

|Featured Story|

多くの人が思い浮かべる龍はーー鋭い眼光と鋭い爪、長い胴体に鱗を有す姿。日本では風、雲、嵐、天候を自在に操る、恐れ多い、神のような存在であった。

今も各地に龍神信仰や龍の伝承が残っており、神社仏閣以外にも、龍穴や龍脈など龍神様は自然の中に広く存在している。

龍神パワーがみなぎる神秘的なスポットを巡り、 パワーチャージの開運旅へ出かけよう。

第一特集は「龍神伝説を旅する」。

まずは、大河の源流となる山々の間に幻想的な風景が広がる奈良県・宇陀。数々の龍神伝説が伝わる秘境の地で、 目には見えぬ龍神の姿を追った。

第二特集は、出羽三山を訪ねる。

自然への感謝と崇拝が深く結びついた山岳信仰の聖地。新たな自分と出会うため、死と再生をたどる旅へ。

そのほか全国各地に広がる龍神伝説や福を招く縁起物のコラムなど、旅に出たくなる春にぴったりの特集となっている。

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親しみのある接客と確かな技術「Bar Cocktail Book 新宿」(新宿)|カクテルを愉しむBAR https://otokonokakurega.com/meet/secret-base/97080/ Sat, 23 Mar 2024 08:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=97080 ■たゆまぬ努力で技を磨くカクテルの名手

BARTENDER
岡村 朗さん(バーテンダー歴24年)

すっと伸びた背筋、静かに笑みをたたえながらカクテルを作る優美な所作には、歌舞伎の型のような様式美がある。

オーナーバーテンダーの岡村朗さんは「H.B.A.CLASSIC 創作カクテルコンペティション2023」のチャンピオン。20代の頃から、多くのコンペで優勝を重ねてきた。

カクテルコンペで優勝し「とがっていた」若い頃、当時の勤務先の店長に贈られた言葉は「初心、謙虚、自信」だった。今はそこに「感謝」を加えて、自分の軸にしているという。

京王プラザホテルのバーで12年の経験を積み、自身の店を持って13年目。白いバーコート姿に、整髪料で艶やかに固めた髪型はホテルスタイルだ。だが「肩肘張らないバー」がコンセプト。

試行錯誤するカクテルの創作は、理科の実験のようだと話す。使用するレモンも味に個体差があるため、計量せずに舌と経験で量を変える。良いカクテルができると“余韻”が生まれるのだという。

「毎日仕事後に必ずカクテルを作って、自分が今どんな味を出しているのかを把握するんです」

“おもてなし”を最も大事にしている岡村さんがコンペで披露したオリジナルカクテルはホスピタリティ。グラスに注がれた緑色が新宿の喧騒を忘れさせる。

50種類近いアレンジジントニックのメニューがある。

■冬の一杯

ホスピタリティ
(1600円)

千利休の精神「一期一会」に着想したオリジナルカクテル。抹茶リキュール、国産のジン、ライムジュースなどを使用する。

Bar Cocktail Book 新宿
東京都新宿区西新宿7-5-5 プラザ西新宿201
TEL:03-5332-3075
営業時間:18:00~翌1:00(土曜は17:00~)
チャージ:600円 席数:13席
定休日:日・月曜
アクセス:都営地下鉄「新宿西口駅」より徒歩2分

文/中村さやか 撮影/むかのけんじ

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【ウェグナーの代表作】Yチェア(CH24)が永遠の定番たる理由 https://otokonokakurega.com/furniture/y-chair/ Sat, 23 Mar 2024 02:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=furniture&p=96541
この記事では、Yチェアが気になっている人へ
・ Yチェアをおすすめする理由
・ Yチェアの選び方
について解説。名作家具を住まいに迎えるにあたり、失敗・後悔のない選択肢を見つけることができます。

Yチェアとは?

1950年にハンス J. ウェグナーによってデザインされた「CH24」。Yの字に見える背もたれの形状から「Yチェア」の愛称で世界中で親しまれている、北欧デンマーク生まれの名作椅子である。

後脚のしなやかなフォルムや、丸棒を曲げて形作られた笠木(背もたれ)の優美なラインが特徴的。いつの時代にも馴染むタイムレスなデザインと、張替えなどの手入れをすることで経年変化を楽しみながら長年使い続けられる品質の高さが魅力だ。

Yチェアのデザイナーとメーカー

デザイナーはハンス J. ウェグナー

デザインしたのは、デンマークの家具デザイナー「ハンス J. ウェグナー」(1914-2007)。20世紀を代表とする家具デザイナーの1人であり、北欧デザイン界に多大な影響を与えた人物。

17歳で家具職人の資格を取得し、1943年には自身のデザイン事務所を開設。92年の生涯で1000作以上の作品を手掛けた。その中で、Yチェアは最大のベストセラー作品と言われている。

ハンス J. ウェグナーの作品には、家具職人としての高い技術と知識、そして木材に対する愛着と理解が注ぎ込まれている。シンプルで美しいデザイン、生活に馴染む使いやすさ、優れた耐久性を実現させた作品の数々は、今も世界中の人々から支持され続けている。

メーカーはCARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン)

Yチェアを販売しているのは、デンマークの家具メーカー「CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン)」。

1908年に創業し、1940年代後半からはデザイナーとタッグを組んだ商品開発を始め、多くの名作を発表。小さな家具工房から始まり、王室家具などの製造を行っていたが、より優れた家具を多く生産するため、当時ではいち早く機械加工を取り入れた。職人による伝統技術と機械加工による最新技術を組み合わせた革新的な家具をデンマーク国内で製作している。

ハンス J. ウェグナーが初めてカール・ハンセン&サンに椅子をデザインしたのは1949年。Yチェアは1950年にデザインされ、現在でもカール・ハンセン&サンが生産・販売している。

Yチェアの特徴

造形美と機能性を両立したシンプルなデザイン

インテリアや空間を問わずに使いやすいシンプルなデザインのYチェアは、模様替えや住み替えをしても買い換えが不要。使う人の体に馴染むため、自分だけのオーダーチェアのような感覚で使えて愛着が湧くのも魅力だ。

曲線を描くアーム

柔らかな曲線を描くアームから背もたれにかけてのパーツが目を引くYチェア。蒸気をあてながら木材を曲げていく「曲木加工」を用いて作られている。継ぎ目のないなめらかで美しい仕上がりに魅了され、Yチェアを購入するに至る人も多い。

Y字型の背もたれ

愛称の由来ともなっているY字型の背もたれ。1枚板ではなくY字型に加工されたパーツを使うことで力が分散され、安定性を高め、快適な使用感につながる。

ペーパーコードの座面

デンマーク産の天然のパルプから出来たペーパーをねじり合わせて作る「ペーパーコード」。蝋でコーティングされたペーパーコードを1脚に120m使用し、張り込みは職人の手作業。しっかりと張り込まれた座面は皮革と同等の頑丈さがある。

Yチェアが選ばれる理由

どこから見ても美しいフォルム

繊細な曲線が描くタイムレスなフォルムはどこから見ても美しく、どんな空間にも調和する。部屋にさり気なく置き、その姿を見るだけでも満足感を得られる。

ダイニングチェアとしてはもちろん、ソファの横のサイドチェアとして、寝室でくつろぐマイチェアとしてなど、どこで使っても絵になるだろう。

座り心地を追求した座面

最初はギュッと固く張ったペーパーコードの座面だが、座る人のお尻の形に合わせてだんだんと変形する。座るごとに体に馴染み、包まれるような座り心地になっていくのも魅力だ。

夏は蒸れにくく、冬は暖かいため、長時間座っていても快適に使える。

1本1本が蝋でコーティングされているため、多少の水分は弾くため汚れがつきにくいのも特徴。普段のお手入れが簡単なのもうれしいポイントだ。

自由な姿勢でくつろげる形状

短めのアームを採用しているため、食事や作業の際には、テーブルや机にしっかりと引き寄せて使うことができる。

アームを使ってゆったりと座ることもできるので、くつろぎのひとときにもぴったり。後ろに傾いたYの背板に寄りかかったり、アームに肘を掛けてラクな姿勢をとったり、斜め向きにも座ったりと、ラウンジチェアのように自由な姿勢で座ることができる。

自分好みで選べる素材・仕上げのバリエーション

樹種や仕上げにより数多くのバリエーションが存在するYチェア。数多くの選択肢から、インテリアや部屋に合わせたお気に入りの一脚が選べる。

経年変化を楽しみながら長く使える素材

年月を経ることで木肌の表情は味わいを増していき、木部のクリーニングや座面の張替えなどのメンテナンスをしっかりと行えば、一生涯に渡って使用できるという。

Yチェアの選び方

Yチェアは、樹種や仕上げにより数多くのバリエーションから選べる。個々の仕上げや木材の特徴についてきちんと知ることで、後悔のない選択肢を見極めてほしい。

【迷ったらこれ】定番&鉄板のビーチ・ソープ×ナチュラルペーパーコード

好みやインテリアに合わせて、たくさんの組み合わせから選べるYチェア。どの仕様を選んだらいいのかわからない場合は、定番&鉄板の組み合わせから始めてみては?

Yチェアの正規取扱店であるインテリアショップ「CONNECT」のおすすめの組み合わせは「ビーチ・ソープ×ナチュラルペーパーコード」。ビーチ素材はいろいろな家具に合わせやすいだけでなく、価格もリーズナブル。ペーパーコードは明るい色の「ナチュラル」を選ぶと王道の組み合わせになるだろう。

CONNECTで「Yチェア」をチェック

フレーム木材を選ぶ

ビーチ材(ブナ)

木肌は白くなめらかで、全体に小さな斑点が入っている。デンマーク国内では、家具に使われる木材の中で最も需要が高いと言われているポピュラーな樹種で、Yチェアの定番素材でもある。

ビーチ材の詳細をチェック

オーク材(ナラ)

美しい木目に斑点のようなものが見られるのが特徴。密度が高いため強度があり、ヴィンテージ市場にも豊かな風合いのオークの家具が多く見られる。

トラの毛並みを思わせる文様を持つ木目のものは「虎班(とらふ)」と呼ばれ、高級家具にも多く採用されるなど珍重されている。

オーク材の詳細をチェック

アッシュ材(タモ材)

白色〜淡い黄褐色のライトな木色が特徴。経年での色の変化が少ないため、購入時の印象をなるべく変えたくない人におすすめだ。並行に走るはっきりとした木目も美しい。

アッシュ材の詳細をチェック

ウォルナット材(クルミ材)

重厚感のある質感と、茶褐色で紫がかった色味。硬質なウォルナットは衝撃に強いことから、長年使い続ける椅子に最適な素材と言える。経年変化により、濃い茶色から白っぽく味わいが出てくるのも特徴。

ウォルナット材の詳細をチェック

マホガニー材(サペリマホガニー)

「黄金色」を意味するマホガニー。光の感謝により、「リボン杢」と呼ばれる美しい縞模様の紋様が浮かび上がる。経年により深みある色合いに変化することから、長年使い続けられる上質なインテリアに選ばれる。

マホガニー材の詳細をチェック

仕上げ方を選ぶ

ソープ仕上げ

木部に石鹸水を塗り込んで仕上げた「ソープ仕上げ」は、木目の美しさと自然な風合いが特徴。洗浄やサンディング(ヤスリがけ)をすることで、比較的容易にメンテナンスが行える。

オイル仕上げ

「オイル仕上げ」は、使い込むほどに落ち着いた光沢が出現する。植物油をベースにしたオイルを染みこませているため、フレーム表面を汚れから守ってくれる。

ラッカー仕上げ(カラー塗装)

樹脂塗装を施した「ラッカー仕上げ」は日常のメンテナンスがとても簡単。木部の表面に塗膜を作って木を湿気や汚れから守ることができる。白や黒、赤系、青系など全9色のバリエーションがあり、カラーにこだわりたい人におすすめだ。

座面を選ぶ

ペーパーコードの座面は、ナチュラルとブラックのカラーバリエーションがある。チョイスしたフレームとの組み合わせを考えて選択しよう。

Yチェアに関するQ&A

Yチェアはどこで買える?

Yチェアはその人気の高さから、非常に良く似せた別商品やリプロダクト品も多いので注意が必要。正規販売店での購入がおすすめだ。アクタスやCONNECTなどのセレクトショップのほか、大塚家具やコストコなどでも購入できる。

ペーパーコードの張替えは必要か?

優れた強度を誇るペーパーコード張りの椅子だが、ペーパーコード自体は消耗品のため、長く使えば張替えが必要。目安は10~15年と言われている。

張替え価格は?

ペーパーコードの張替え価格は、コードのカラーや編み方、工房により異なるが、1.5万円前後〜で対応してくれることが多い。

Yチェアに合うテーブルは?

特徴的なアームを持つYチェアは、ダイニングテーブル下に収納が難しいため空間の確保が重要。ダイニングで使用する場合は、40cmほど外側に膨らむことを想定して、動線の確保ができるサイズを選ぶのがおすすめだ。

デザイン的には、角に丸みを持たせたテーブルや木製の円形テーブルなどと相性が良さそう。Yチェアのカーブしたアームとのコーディネートが楽しめそうだ。

座面のお手入れ方法は?

座面にホコリや小さなゴミが溜まったときは、アタッチメントを付けた掃除機でペーパーコードに沿って吸い取るだけでOK。ホコリなどが溜まったままで座り続けると、摩擦が生まれ座面が傷みやすくなってしまうので、日々の掃除のついでに取り除くのがおすすめだ。

飲み物などの液体を座面にこぼしてしまったときは、染み抜きの要領でポンポンたたくようにお手入れ可能。濡れた状態のペーパーコードは摩擦に弱いので、擦らないように注意が必要。お手入れ後は、完全に乾いてから座るようにしよう。

レプリカ(リプロダクト)について

多くの名作家具と同様に、ハンス J. ウェグナーの椅子にもリプロダクト品(ジェネリック)がある。一見、本物とほぼ遜色ないデザインで安く買えることから一定の需要はあるが、購入はおすすめしない。

オリジナルのデザイナー・ブランドが手掛ける正規品や、本家から正式に技術と権利を継承した家具メーカーが製作するプロダクトは品質と系統の両面で資産価値がある一方、安価なリプロダクト品はデザイン性や品質が劣る、耐久性に難がある、リサイクル時に値段が付かないなどのデメリットがある。

ハンス J. ウェグナーの椅子を購入するなら、カール・ハンセン&サンの手掛ける正規品がおすすめ。正規輸入代理店や、カール・ハンセン&サンの製品を取り扱っていることを明示している家具ショップで購入することで、安心の保証が受けられる。ヴィンテージ品を買う場合も状態の良い良品を取り扱うショップで購入することで、新品より少しお得に買うことができ、売却する時も価値が下がりにくくなる。

Yチェア 商品詳細

生産国デンマーク
サイズ幅55cm × 奥行き51cm × 高さ76cm × 座面高さ45cm
材質本体:ビーチ材・オーク材・アッシュ材・ウォルナット材・マホガニー材
座面:ペーパーコード
ブランドCARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン)
価格100,100円〜

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モルト好きが足繁く通う隠れ家「Bar Fingal」(神楽坂)|whiskyを愉しむBAR https://otokonokakurega.com/meet/secret-base/97073/ Thu, 21 Mar 2024 09:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=97073 ■定番からレアボトルまで 選り好みのボトルが揃う

BARTENDER
谷嶋 元宏さん(バーテンダー歴25年)

神楽坂で育った谷嶋さんは地元で開業した。

神楽坂の本多横丁にあるオーセンティックバー。オーナーバーテンダーの谷嶋元宏さんが提供するのは「琥珀色の酒」。

スコッチのシングルモルトを中心に、ジャパニーズ、ブランデー、ワインまでと幅広い。スコッチはスタンダードの10年、20年ものから、さらに古いもの、スモールバッチ、ボトラーズまで幅広く揃える。

ワインセラーもあり、奥のワイン専用の個室では最大5人が座れる。

「スコットランドは最近蒸留所が増えて、新しいブランドも出てきています。とくにアイラ系は世界的なブームが続いていますね。スモーキーなモルトは2回目、3回目でハマるお客さまが多く、やはりスコッチは奥深いと思います」

冬の一杯に選んでいただいたミッシェル クーヴレイ ベリーシェリードのように、美味しさは折り紙付きの、マニアックでレアなウイスキーにも巡り合える。

カウンターの上にはスタンダードのボトルが並んでいる。

「どのバーテンダーよりも美味しいと思っていただけるように所作にも気を配っています。ウイスキーの陶酔感のある香りと味を愉しみながら過ごしていただきたい」。

今宵、谷嶋さんが注ぐ一杯は琥珀色が一層美しく見える。

神楽坂のBARの中でもモルト好きが通う指折りの一軒。

■冬の一杯

ミッシェル クーヴレイ
ベリーシェリード(4000円)

良質なシェリー樽で20年寝かせた。ドライフルーツの香りとコクのある甘みが冬にぴったり。一人の男のこだわりから生まれた。

Bar Fingal
東京都新宿区神楽坂3-1
TEL:03-3235-2378
営業時間:19:00~翌1:00(土曜は~24:00)
チャージ:1000円 席数:16席
定休日:日曜、祝日
アクセス:東京メトロ「飯田橋駅」より徒歩約5分

文/阿部文枝 撮影/遠藤 純

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酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは? https://otokonokakurega.com/weekend/79483/ Tue, 19 Mar 2024 08:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=weekend&p=79483 震災や戦災、バブルやコロナ禍といった様々な変化を乗り越え、いまも続いている酒場があります。長く続く店は、愛され続けてきた理由がある。それを探しに、タイムカプセルのような老舗酒場の暖簾をくぐってみませんか?

今回ご紹介する店は、酒場に興味がある方ならぜひ訪ねて欲しい名店中の名店です。

【コーディネーター:塩見なゆ】
年間2,000軒もの“はしご酒”を楽しむ酒場案内人。杉並区で生まれ、幼少期から作家の両親に連れられて都内の酒場を楽しんできた異色の背景を持つ。東京を中心に北から南まで酒場を訪ね歩き、お店の魅力を丁寧に紹介する。
▶︎Twitter「塩見なゆ/Syupo公式

【東京・神田】 みますや

「みますや」は東京で最も古い居酒屋のひとつで、1905年の創業。銅張りの建物は、関東大震災後に建てられ、昭和初期の風情を感じさせます。店内は広々としており、拡張された部分は違った作りになっているため、座る場所によって異なる雰囲気が味わえます。座敷でゆったり宴会をするのもよし、相席のテーブル席で活気を感じて飲むのもよし。

日替わりのお通しとして出されたおからは、しっとりと甘みがあり、お酒が進みます。肉豆腐も看板メニューのひとつで、初代が考案したすき焼き風の牛煮込みはちょっと甘めで、固めのお豆腐との相性が抜群です。

また、ここの穴子も絶品で、プリッとした身が箸の通りがよく、口の中で広がる食感がたまらない美味しさです。江戸の味を大衆酒場価格で楽しめる「みますや」は、酒場好きなら一度は訪ねてほしい一軒です。

住所:東京都千代田区神田司町2-15-2
アクセス:JR「神田駅」徒歩8分

【東京・町田】 柿島屋

柿島屋は、町田で最も古くから続く飲食店であり、創業は1884年。物流の主役は荷馬車で馬喰の業者が活躍していた時代です。柿島屋は浜街道・神奈川往還の馬喰でしたが、物流が鉄道に移り、馬肉料理店に転身しました。

現在でも、柿島屋の料理の8割以上が馬肉を使った料理であり、変わらないメニューの肉皿や肉そば、馬刺しが定番です。肉皿は馬肉の煮込みで、こんにゃく、ごぼう、ねぎが控えめに入り、主役の馬肉は大量に盛られます。馬肉は国産で、山梨で育った4歳以下のメスの馬を一頭買いしているそうです。

大箱で美味しい料理を独り占めする楽しさもありますが、気心の知れた間柄の飲み友達や家族とわいわい過ごす楽しさもあります。また、夏でも人気の肉なべも必食!

住所:東京都町田市原町田6-19-9 アーバン柿島2-1F
アクセス:JR・小田急電鉄「町田駅」徒歩約3分
公式HP:柿島屋

【東京・森下】 山利喜

「山利喜」は、大正時代から続く東京森下の老舗酒場。戦後の復興めしとして煮込みを出したところ評判となり、以来名物となりました。店舗は2009年に建てられ、地上5階建ての建物になりましたが、店内の雰囲気は老舗酒場のムードがそのまま残っています。

おすすめは、煮込み鍋と焼き台を目の前にしたカウンターの一人飲み。名物の煮込みは、セロリ、パセリ、ローリエのブーケガルニが出汁になり、赤ワインも入っています。欧州のシチューに近い風味があり、日本の牛モツ煮込みとも異なる味わいです。野菜や豆腐はなく、ギアラ、シロ、そして琥珀色に染まった玉子が入っています。ビールや酎ハイとの相性が良いだけでなく、ワインとの相性も抜群です。

住所:東京都江東区森下2-18-8
アクセス:都営地下鉄「森下駅」徒歩すぐ
公式HP:山利喜

【東京・十条】 斎藤酒場

「斎藤酒場」は1928年に酒販店として創業しました。戦後、二代目が酒場に業態を変更し、現在は三代目の女将さんが店を切り盛りされています。

この酒場の魅力は、なんといっても“建物”。大正末期の建物で、築100年を越える天井の高さはどこか銭湯のような雰囲気を感じさせます。長い年月、人々が集い続けたことで飴色に染まった空間にかかる黒い短冊札が実にかっこいいです。

ここで味わえる名物は、国産大豆100%のヤッコとうふとポテトサラダ、串かつです。女将さんの丁寧な接客も魅力の一つです。「斎藤酒場」は、東京に残る価値の高い酒場遺産ではないでしょうか。この素晴らしい酒場が、いつまでも変わらずに残り続けることを願っています。

住所:東京都北区上十条2-30-13
アクセス:JR「十条駅」徒歩すぐ
公式HP:斎藤酒場

編集部からひと言

長年愛されてきた味や雰囲気は、その酒場でしか楽しめません。「まだ行ったことがない」という方は、ぜひ塩見さんおすすめのお店を訪ねてみてください。

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【男の隠れ家】「awa酒シークレットイベント」レポート!予想を上回る大盛況! https://otokonokakurega.com/meet/ippin/96992/ Fri, 15 Mar 2024 02:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=96992 男の隠れ家スピンオフ「こだわり日本酒リスト デジタルブック」の発売に合わせ、awa酒協会とコラボした女性限定スペシャルシークレットイベントが、3月9日、立ち飲み居酒屋「ドラム缶」大塚店にて開催された。今回は特別にその模様をレポート。

■貴重な「日本のAWA SAKE」で乾杯!

都電荒川線がのどかに走り抜ける午後、線路沿いでは早咲きの桜が花を綻ばせている。今回のイベント会場である「ドラム缶」大塚店は、そんな荒川線の鉄路を店内から望む素晴らしい立地。

暖かな日差しが店に差し込む土曜の15時、続々と店に集結したのは日本酒を心から愛する女性たち。定員いっぱいの予約はこのシークレットイベント情報をリリースして間も無く埋まったのである。

反響の良さに「まさか」と言葉が漏れる。それが正直な感想だ。なんせ我々の媒体名は「男の隠れ家」。挑戦ともいえる「女性限定」の「男の隠れ家」イベントが、こんなスムーズに進むものか? そう思うのも仕方ない。

とはいえ今回のイベント、男の隠れ家デジタルでお馴染みの“きき酒師の漫才師”「にほんしゅ」の2人が軸となり、「awa酒協会」の惜しみない協力を得て実現。

参加者は厳選された「awa酒」の利き酒が美味しい料理とともに楽しめ、さらにお土産付き(なんと1本5千円のお酒)というもの。参加費の5500円はお土産で回収できるという圧倒的なコスパの良さ。

今回、利き酒したawa酒たち。左から「天山 スパークリング」「開華 AWASAKE」「MIZUBASHO PURE」「ひとすじ ロゼ」「陸奥八仙 8000 DRY SPARKLING 2021」「人気一 あわ酒スパークリング 純米大吟醸」「CHIYOMUSUBI SORAH」「UZUME SPARKLING awa」。

日本酒に目がない酒豪のお姉様が続々と来店し、立ち飲みスタイルで始まったイベント。

「はじめまして」の挨拶もそこそこに、杯を交わしあっという間に打ち解けていく様は、日本酒好きに共通する阿吽の呼吸のようで、見ているこちらも気持ちが良い。

イベントはにほんしゅの挨拶からスタート。そして、このイベントのためわざわざ埼玉の深谷から駆けつけて下さったのは、awa酒協会の副理事長である滝澤酒造の代表・滝澤英之さんも朗らかな笑顔でawa酒の魅力をわかりやすく説明してくれる。

乾杯に先立ちawa酒について説明する滝澤さん(右)と、にほんしゅの2人。

代表銘柄「菊泉」で知られる滝澤酒造は、1863年創業の老舗酒蔵で特にこの30年あまり目覚ましい評価を受けている酒造。

1993年の全国新酒鑑評会での金賞受賞を皮切りに、2013年にはインターナショナルワインチャレンジで金メダル受賞、2016年からはシャンパンの製法を応用した瓶内二次発酵による透明な発泡性日本酒「菊泉 ひとすじ」を発売するなど、伝統を守りつつ革新的なチャレンジを続けている。

常に朗らかに対応する滝澤さん。笑顔が素敵である。

awa酒協会はそんな滝澤酒造はもちろん、「陸奥八仙」の八戸酒造や「開華」の第一酒造など、名だたるおよそ33の酒蔵が参加する協会だ。それぞれに「awa酒」の定義を守り、旨い酒を醸している。

▼awa酒についてはこちら

滝澤さんとにほんしゅのサーブで、参加者それぞれのグラスに注がれていく乾杯酒は滝澤酒造の「ひとすじ ロゼ」(9900円)である。世界初、透明に自然発酵されたロゼタイプのスパークリング純米酒。

乾杯酒の「ひとすじ ロゼ」。華やかな味わいは乾杯にぴったり。

この単語の並びだけで、どんな味なのか想像も楽しいし、きっと旨いと確信する。その味わいを伺えば「イチゴのような甘い香りと食欲をそそる爽快さ」があるという。

間髪入れずに提供された「本日の海鮮カルパッチョ」との相性も抜群だ。

ちなみに本日の海鮮カルパッチョは、高級魚ホウキハタとトラウトサーモンがメイン。それが1人前の提供価格550円というから(今回は料理も会費に含まれているので参加者は実質無料でご賞味)、「ドラム缶」大塚店を切り盛りする田村夫妻の気前の良さにもシビれる。

提供された料理の数々。どれも旨い!
「ドラム缶」大塚店を切り盛りする田村夫妻。

乾杯の後はしばし、今回提供いただいた様々な銘柄のawa酒と料理で、自由な歓談タイムが始まる。好きな日本酒談義に華咲くテーブルもあれば、にほんしゅや滝澤さんと交流したり、ずらり並んだawa酒の撮影に余念のない方もちらほら。

参加者の皆様、それぞれが自分のスタイルで自由にイベントを楽しんでいただけているのが見ていてわかる。

さらに助っ人スタッフとしてイベントを盛り上げてくれたのは、にほんしゅの後輩芸人・藤井21。料理芸人・クックパッド芸人としてコンスタントにちょいバズしているピン芸人で、会場である「ドラム缶」大塚店のご常連。

本人曰く、ほぼ毎日通うほど愛してやまない店とのことで、料理のサーブや参加者との会話で会場を和ませてくれた。

テキパキ働く“シンプルな常連”藤井21。
勢い余って貴重なawa酒を噴射させてしまう藤井21…。

このイベントのために提供していただいたawa酒全16本を、ほぼ全て飲み尽くす勢いで利き酒イベントは進み、終了時刻17時には「店内みな兄弟(いや姉妹か?)」の盛り上がり。

開始の乾杯で撮影した写真と、終わりの乾杯で撮影した写真を見比べても、その楽しさが伝わってくるのであった。

メイン写真の最初の乾杯に比べ、皆様良い笑顔が弾ける〆の乾杯!

最後にこのイベントのため東へ西へと奔走し惜しみなく尽力してくれた、にほんしゅの2人からイベントを終えてのコメントを掲載しよう。

▼にほんしゅコメント

にほんしゅの2人(左/あさやん、右/北井一彰)。

北井一彰

特集記事と連動して素晴らしいイベントができました!
お酒を愛するたくさんの女性に楽しく、美しく、そして豪快に飲み進められたawa酒。ほとんどが空ボトルになり、あっという間に終わったイベント。
イベント中には高揚感があった分、イベント終わりガランっとなった店内には寂しさも。

松尾芭蕉ならこう詠むでしょう。
「awa酒や兵どもが夢の跡」

手軽に飲めるリーズナブルなものから、今回の企画の主軸となったawa酒など高級でラグジュアリーなものまで、日本酒の世界の新たな扉を開くスパークリング日本酒!
スパークリング日本酒の魅力はこれからもシュワっと弾けていくでしょう! ぜひ一度本格スパークリング日本酒「awa酒」を飲んでみてください。

あさやん

ドラム缶 大塚店さんの通常営業時間前である15:00〜17:00の時間でイベントを行わせていただき、終了後に近隣の居酒屋で打ち上げをして二次会でドラム缶さんに戻ると、参加者だった人たちもドラム缶さんに戻ってきててまた一緒に呑みました笑

松尾芭蕉ならこう詠むでしょう。
「お、また会いましたな。ほなまた一緒に呑みまひょか」

次回開催する際は15:00-23:00で行いたいと思います。 awa酒もドラム缶さんもお客さんも最高!

今回、利き酒が楽しめたawa酒は下記の通り。

《awa酒リスト》(※順不同)
・八戸酒造株式会社 8000 DRY SPARKLING2021
・第一酒造株式会社 開華 AWASAKE
・伊藤酒造株式会社 鈿女SPARKLING
・人気酒造株式会社 人気一あわ酒純米大吟醸
・千代むすび酒造株式会社 CHIYOMUSUBI SORAH
・天山酒造株式会社 天山スパークリング ドサージュ・ゼロ

イベントで提供された料理はこちら。

《ドラム缶おすすめおつまみリスト》
・本日の海鮮カルパッチョ
・油淋鶏
・ピスタチオ
・きたあかりのポテトグラタン
・ルイベ生ハム
・白だしで食べる そば刺し

「おすすめawa酒〜老舗酒造とうまい酒まで こだわり日本酒リスト」

このイベントの起点となった男の隠れ家スピンオフ デジタルブック「おすすめawa酒〜老舗酒造とうまい酒まで こだわり日本酒リスト」(dマガジン、楽天ブックス、Amazonなど電子書籍ストアにて発売)。

にほんしゅが選ぶオススメのawa酒や、awa酒の魅力をはじめ、過去に発売した本誌「男の隠れ家」の酒蔵特集、自宅で楽しむ酒肴レシピ38選など全90P、盛りだくさんの内容で絶賛発売中。

ぜひ、お手にとって読んでいただきたい一冊となっている。

▼詳細はこちら

男の隠れ家 特別編集 こだわりの日本酒リスト 電子版
「おすすめawa酒から老舗酒蔵と旨い酒まで」

協賛:一般社団法人awa酒協会
https://awasake.or.jp/

企画・協力:きき酒師の漫才師「にほんしゅ」
http://nihonshu-sakemanzai.com/

文/田村巴、きき酒師の漫才師「にほんしゅ」 撮影/東海林和幸、小林賢太、田村巴

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悠久の時を彷徨い、歩くーー。「昔町逍遥」 https://otokonokakurega.com/meet/curiosity/97018/ Wed, 13 Mar 2024 04:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=97018 – Latest Issue 最新号 –

男の隠れ家ベストシリーズ「昔町逍遥」が絶賛発売中!

ぽつりぽつりとひとり歩く。時の降り積もった町角。その土地その土地で営まれ、今なお変わらない人々の暮らし。激しく移り行く幾代を越え現代に受け継がれる伝統――。

美しい〝日本の昔町〞を歩けば、私たちは一瞬にしてその町が刻んだ深い歴史に迷い込むことになる。木々が芽吹くこの季節、日本の原風景を彷徨い、そして歩き、迷宮を静かにたゆたう旅に出たい。

巻頭特集は江戸時代、その繁栄ぶりが「江戸まさり」とまで謳われた、水郷の町・佐原。

小野川沿いの地区では、今でも当時の隆盛ぶりを伝える立派な商家がずらりと並んだ光景が見られる。

本特集では宿場町のほか、港町、門前町、城下町、産業町と、さまざまな形で発展して今に面影が残る昔町を数多く掲載。

宿場町はその雰囲気に浸りながらのんびり歩くだけでも楽しい。 

さらに町の仕組みや歴史を知れば、きっと往時の賑わいに包まれるだろう。

東国と西国を結ぶ中山道のほぼ中間地点に位置する木曽路の宿場町・妻籠。

奇跡的ともいえるその美しさは、地元住民の町を愛する思いが保存活動へとつながったものだった。

さらに雰囲気たっぷりのビジュアルで旅情を感じられる一冊だ。

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500種類以上のモルトを堪能する「もるとや」(池袋)|whiskyを愉しむBAR https://otokonokakurega.com/meet/secret-base/96983/ Mon, 11 Mar 2024 09:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=96983 ■肩肘を張らずにシングルモルトを嗜む

BARTENDER
髙橋 克幸さん(バーテンダー歴47年)

池袋の路地にひっそりと佇むバー「もるとや」。ひらがなで「もるとや」と書かれた看板と大きなウイスキー樽が目印だ。

バックバーに並ぶシングルモルトウイスキーは圧倒的な品揃え。

ドアをくぐると左手に5席ほどのバーカウンター。右手に小さなテーブル席。小ぢんまりとしているが、山小屋をイメージしたという店内は天井が高く、店内のあちこちに飾られた小物に遊び心が感じられる。

圧巻はバックバーにずらりと並んだモルトウイスキーのボトルだ。

「肩肘を張らずにお酒と食事を愉しんでほしい」と髙橋さん。

「数えたことがないので正確な数はわかりませんが」とオーナーの髙橋克幸さんは笑うが、その品揃えは500本以上。ほとんどがシングルモルトだという。

髙橋さんが平成9年(1997)に「もるとや」をオープンしたきっかけは、一本のシングルモルトとの出合いだった。それがグレンタレット1966。

当時、池袋のバー「椿」に勤めていた髙橋さんは、モルト好きの客と出かけた酒場でグレンタレット1966を飲み、「こんなウイスキーがあるんだ」と衝撃を受けたという。それが「もるとや」の原点だ。

フードメニューも充実。この時期のお勧めは「生牡蠣のボウモアかけ」(1個600円)。

シングルモルトと聞くと奥が深く、ハードルが高いと思う向きもいるだろう。だが、ここに来れば髙橋さんと同じように、一杯の幸せな出合いがあるかもしれない。

「シングルモルトを飲み慣れていない方は、口当たりの良いものから入るのが普通ですが、あえてスモーキーなものをお勧めすることで、シングルモルトの面白さ、奥深さを知ってもらうこともあります」と話す髙橋さん。

フクロウのラベルが印象的な「マクダフ2013 9年 バーボンホグスヘッド」は池袋の若手バーテンダーが選樽したオリジナルボトル。

ストレートやオンザ・ロックはもちろん、ウイスキーと常温の水を1対1で割った「トワイスアップ」やソーダ割りもお勧めだという。

「シングルモルトの中には、少しの水ですごく甘く変わるものがあります。また、アイラ島で造られるスコッチはスモーキーな香りが特徴ですが、ソーダで割るとより一層香りが引き立つんです」

店の目印は当時小学生の息子さんが書いた看板。

「もるとや」の看板の文字は、開店当時、小学一年生だった息子さんが書いたもの。時は過ぎ息子の康祐さんは「もるとや」の2代目店主を経て、2023年に湯島で姉妹店「THE WALTZ」をオープンした。

「もう我々世代の時代ではないんですよ」と穏やかに微笑む髙橋さん。「もるとや」のアットホームな雰囲気には、そんな髙橋さんの人柄があふれていた。

最高の一杯との出合いを予感させるバックバー。
シガーも販売している。

■冬の一杯

グレントファース 2009
クリスマスエディション (2800円)

スペイサイド産のシングルモルト。2種のシェリー樽で熟成した深みのある香りとフルーティな味わいが特徴のシングルカスクだ。

もるとや
東京都豊島区東池袋1-8-6 DKY12ビル1-A
TEL:03-5952-9277
営業時間:16:00~翌1:00(日曜、祝日は15:00~24:00)
チャージ:なし 席数: 14席
定休日:無休
アクセス:JR「池袋駅」より徒歩約5分

文/田端広英 撮影/米屋こうじ

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旅する本屋お勧めの「車中泊で読みたい本」 https://otokonokakurega.com/meet/curiosity/96970/ Sat, 09 Mar 2024 00:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=96970 車中泊をする静かな夜には本を読もう。旅に関する本を扱う書店の店主に車中泊で読みたい名著を伺った。

■約1400冊の旅にまつわる本が並ぶ「街々書林 Books & Gallery」

街々書林 Books & Gallery
「旅先への興味と敬意を持っていたい」という思いから、2023年6月に旅に関する本を集めた人文系書店としてオープン。さまざまな旅の本と出合える。

街々書林 店主
小柳 淳さん

東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-9
営業時間/12:34~18:00
定休日/月・火曜、年末年始
アクセス/JR「吉祥寺駅」より徒歩約8分

八百屋、輸入雑貨店、カフェなどこれぞ「吉祥寺」というような個性あふれる店が並ぶ中道通りに、2023年6月にオープンした「街々書林」。途絶えることなく客が訪れるこの店の店主・小柳さんは、明るく親しげに客を招き入れる。

旅に関する本を集めた同店のコンセプトは「旅先への興味と敬意」。せっかく訪れるのであれば、できるだけ事前に下調べをしておきたい。そんな小柳さん流の旅先への「敬意」から、この旅する本屋は生まれた。

旅に特化したこの店には、参考書もビジネス書もない。「代わりにそのスペースに、旅に関する変わった本、面白い本が置けます」と小柳さんは話す。

この店では客はただ棚の本を眺めるだけではない。「旅の本のコンシェルジュ(小柳さん)」が繰り広げるトークにも、思わぬ本との出合いがある。

本と人が偶然出合う、ネット上では難しいからこそ小柳さんはリアル書店にこだわったそうだ。本屋であり、カフェやバーのように人が集い、交流する場所──それが「街々書林」なのだ。

■小説

●名文が踊る夏目漱石初期の傑作『草枕』

夏目漱石 新潮文庫 473円

山で出会った謎の美女を描こうとする青年画家の探究を描く。「熊本の山の中を歩く中で、美術と文学を重ねたような名文とドラマチックな展開は何度読んでも飽きません」。

●『星の王子さま』著者の名作『夜間飛行』

著/サン=テグジュペリ 訳/堀口大學 新潮文庫 605円

航空黎明期の「夜間郵便飛行」に挑む者たちの物語。「代表作『星の王子さま』とは異なり、ストイックで、自然の恐ろしさや美しさ、人間の気高さに驚かされます」。

■写真集

●昭和末期のローカル線を映す『旅のたまゆら』

寺下雅一 現代書館 4950円

昭和の終わりの地方社会と鉄道を捉えた写真集。「鉄道風景の写真集ですが、駅やその周辺で働く人々の表情など鉄道ファンだけでなく旅好きな人の心にも刺さる本だと思います」。

●心の荷を解く小さな仏の姿『てのひらの みほとけ』

序文/高橋睦郎 訳/マイケル・ジャメンツ PIE International 1650円

掌に収まるサイズの仏像46体を収録。「念持仏など、ポータブル仏像ともいえる仏たちの写真と簡単な解説や和歌なども載っていて、ボーッと眺めるのに最適です」。

■エッセイ

●現役パイロットが紡ぐ空への憧れ『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅』

著/マーク・ヴァンホーナッカー 訳/岡本 由香子 早川書房 968円

パイロットが語り尽くす空と飛行機にまつわるロマン。「雲の形、海の色の変化などを綴った美しいエッセイ。技術論ではないので読みやすく旅にぴったりです」。

●チェコの人気作家が見たスペイン『スペイン旅行記』

著/カレル・チャペック 編訳/飯島 周 ちくま文庫 858円

チェコ人ジャーナリストの旅行記のスペイン周遊編。「鋭い着眼点、深い洞察力を感じる反面とても楽しそうに旅や植物への関心を綴っていてただただ楽しい」。

■実用書

●生粋の境界マニアが世界を紐解く『奇妙な国境や境界の世界地図』

著/ゾラン・ニコリッチ 訳/松田和也 創元社 2750円

世界の複雑な境界線を集めた世界地図集。「海や山の中、さらに飛地まで存在する訳ありで不思議な境界線をビジュアルで紹介していて、就寝前にお勧めです」。

●歴史と文化を形作った言語集『図節 世界の文字とことば』

編/町田和彦 河出書房新社 2090円

世界から45言語を選び、文字の面白さを伝える。「文字をグラフィックからアプローチ。また、文法の類似性などを平易明快に解説していて読みやすいです」。

■一人の世界に没入できる物語

●日本SF界屈指の宇宙叙事詩『百億の昼と千億の夜 完全版』

著/萩尾望都 原作/光瀬龍 河出書房新社 2750円

神の名前を冠した登場人物たちを壮大なスケールで描いたSF漫画作品。「読んでいくプロセスに意味がある、まさに余計なことを考えずに没入できる作品です」。

●生物学者と謎のキツネの日々『キツネとわたし──ふしぎな友情』

著/キャサリン・レイヴン 訳/梅田智世 早川書房 3630円

生物学者の前に突然現れた不思議な雰囲気を持つキツネ。「かなり詩的な作品で、頭で理解するというより生き物との関わりに思いを馳せることができる本です」。

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宮崎県で仕事終わりに1人打ち上げ「九州元祖ブルーパブでクラフトビール三昧の巻!」 https://otokonokakurega.com/meet/ippin/96842/ Thu, 07 Mar 2024 01:00:00 +0000 https://otokonokakurega.com/?post_type=meet&p=96842 男の隠れ家の神出鬼没な編集者・田村巴は年がら年中〝休肝日〟がない生粋のお酒好き。そんなほろ酔い編集が美味い酒を求めて今宵もぶらりと旅に出る──。

ふらりと訪れた旅の客にも心底優しいブルーパブ「青空エール」で最高に美味しいクラフトビールを1人でたらふく呑んできました。

ほろ酔い編集・田村巴のちょっと一杯やらないか? 第2杯

2024年2月号では田中ケンさん、翔さん親子と共に宮崎県でアウトドア取材をしました。久々の宮崎にテンション爆上がりの呑んだくれ編集・田村はお二人を宮崎空港まで送った後、一人で打ち上がるべく市内の繁華街へ出向いたのです。

通称・ニシタチと呼ばれる歓楽街から徒歩5分、訪れたのは平成29年(2017)に九州初の“ブルーパブ”として誕生した評判のブルワリー「青空エール」さん。

ブルーパブとは“醸造所が併設されたビアバー”のこと。アルコールが入っていれば何でもOKな田村ですが、中でもビールは格別に愛しています。

故に焼酎のメッカ九州に居ながらクラフトビールをいただきにやって来たのです。だってどうせ一人で呑むんだし、好きにさせてよね。

店内は8割ほど席が埋まった状態。え、まだ16時前ですよ? オーナーの前田康生さんに問えば「背徳の昼飲み、楽しいでしょう?」との素敵な返答が。はい! YES! その通り!

前田さんのご好意で醸造室を見学。
鍋4つを使用して週に1回醸造する酒量は120ℓとのこと。フルーツエールの原料も全て自分の手で抽出する。

「宮崎県庁を定年退職し、セカンドライフとしてビール作りに挑戦しました。埼玉県の麦雑穀工房さんなどさまざまなブルワリーで話を聞き、栃木マイクロブルワリーさんで修業させてもらい、8年前にオープンしたんです」

その行動力には驚くばかり。店内を見渡すとタップから5m、カウンターのすぐ後ろで醸造するビールの年間製造は6000ℓ。

前田さんやご常連の皆様と乾杯し、おすすめのネイパ(650円)を一口。トロピカルフルーツの華やかな風味が、ロケ仕事に疲れた体を颯爽と駆け抜けていきます。

それもそのはず「ジャパンビアアウォード」の金賞を獲得した自慢の一杯。

隣り合わせたご常連によれば、青空エールではフルーツエールを始め、牡蠣などの変わり種ビールも積極的に醸造し、地域おこしの一翼も担っているとのこと。

見知らぬ一見客にも優しい皆様に囲まれ会話も弾み、ビールが止まらない最高の夜になりました。しっかり打ち上がりました!

ここで出会った人は皆、気さくでノリが良く温かい方ばかり。
「若者からご年配まで落ち着いた方が多いです」とは前田さんの言葉。その通りです。

ビール4種類から3つを選べる「テイスティング4」(1000円)を注文。左からブラウン、スタウト、IPA。定番銘柄を並べてこの顔である。すっかりただの酔っ払い。でも味は最高に美味い!

神話の国・宮崎を題材に、地産食材を使用した「ひむかの女神とフルーツエール」も販売中。

今月の相棒

国内外で評判のブルワリー「青空エール」で乾杯!

手作りにこだわり丁寧に醸造したクラフトビールが味わえる名店。宮崎食材のおつまみも豊富だ。

青空エール
宮崎県宮崎市橘通西2-7-7 2F
TEL:0985-86-9252
定休日:月曜
営業時間:HP参照
http://www.aozoraale.com/

【著者プロフィール】
田村 巴(Tomo Tamura)

1979年北海道出身、フリー編集者。長年「男の隠れ家」に携わり現在は「男の隠れ家デジタル」編集長も務める。毎日の晩酌が人生をより良くすると信じて疑わない。

文/田村 巴 撮影/Nory.k

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