81977韓国の若者の間で日本酒人気が爆発!?驚異の熱気!アジア最大級の日本酒イベント『SEOUL SAKE FESTIVAL 2023』に漫才師にほんしゅが潜入レポート!

韓国の若者の間で日本酒人気が爆発!?驚異の熱気!アジア最大級の日本酒イベント『SEOUL SAKE FESTIVAL 2023』に漫才師にほんしゅが潜入レポート!

にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

■『SEOUL SAKE FESTIVAL 2023』とは?

会場となった大型コンベンション・センター「COEXホール」

「SEOUL SAKE FESTIVAL」は今年で4回目の開催。韓国で日本酒を輸入する会社が集まって結成した「韓国地酒輸入業協会中央会」の主催で4年ぶりに開かれ、漫才師にほんしゅも4年ぶりに参加。2日間で5000人近くが訪れ大盛況。

「来場者の平均年齢が20代じゃないか!?」と思うほどの若い熱気で溢れた会場。コロナ禍以前よりお酒の知識もパワーアップした若者中心の多くの来場者に、出展した多くの蔵元も驚きを隠せない様子でした!

会場では日本全国から130を超える蔵元が約700種類にも上る日本酒や本格焼酎、泡盛を出品し、熱心な地酒ファンと交流しました。

試飲会場の前には出展酒蔵の酒樽がずらり!

韓国では関税の高さもあり、日本酒や本格焼酎は高級品。その価格差は何倍にもなります。日本では美味しい純米酒の4合瓶が1,500円もあれば買えますが、同じ純米酒を韓国で買おうすると5,000円! という世界なのです。そんな中「SEOUL SAKE FESTIVAL 2023」では1日券が事前購入25,000ウォン(約2,700円)。この価格で日本酒が思う存分試飲できるとあって大人気のイベントなのです!

また、普段はライバル関係にあるとも言える輸入業者同士が手を組み、日本の地酒のファンを増やす、というイベント形態も他国の日本酒イベントと比べてなかなかに珍しいのです。

久しぶりの韓国というだけでテンションが上がる漫才師にほんしゅですが、想像を超える会場内の熱気にさらに気持ちが昂ります。蔵元や来場者の声を聞きつつ、韓国の日本酒事情の今を漫才師にほんしゅが徹底レポート! 日本のお酒はマシッソヨー!

■韓国で高まる日本酒人気! 熱気溢れる試飲会場。お隣韓国で今何が起こっている?

人! 人! 人! 日本のお酒を求め会場を埋め尽くす多くの来場者。ここが韓国だなんて信じられない!

2016年に第1回が開催された「SEOUL SAKE FESTIVAL」ですが、初回は80蔵程度の参加だったところ回を重ねるごとに参加蔵が増え、今や130蔵超の参加になりました! これは日本酒蔵でいうと日本中の蔵のおよそ10蔵に1蔵が来ている計算です! 多くの酒蔵が韓国市場に期待しているのが伺えますね!

韓国でも有名な「獺祭」のブースに多くの人が詰めかける。

日本語通訳の方が各酒蔵のブースを専属で担当するため、コミュニケーションが問題なく取ることができます。「もっと日本酒のことを知りたい!」という熱心なファンには嬉しい限りですね!

さらにはイベント会場でお酒の購入ができるのも嬉しいポイント! というのもお酒の情報はSNSやネットで色々と得られても、実際に試飲ができて、さらにはその場でボトル購入もできるなんて韓国内では滅多にできないことなのです。事実、お酒のボトル購入もすごい本数になっていました。

山田錦へのこだわりで有名な姫路の地酒「龍力」と兵庫・灘の大手メーカー「白鹿」のブース。参加する酒蔵のバリエーションも豊かです。
日本酒だけではなく、芋焼酎「宝山」のブースも人気です。
泡盛「残波」のブースもあるなど、日本酒・本格焼酎・泡盛。日本の地酒の全てが韓国に揃います! こんなイベント、日本国内でもありません!
リキュールも人気!「あらごしシリーズ」が有名な梅乃宿酒造ブース。韓国料理にもよく使われる生姜を使ったリキュールが特に喜ばれたようです。
日本酒に精通するフリーアナウンサー・近藤淳子さん(写真左)と2023 Miss SAKEの山田琴子さん(写真右)。艶やかな和装とお酒の知識で会場を盛り上げられていました!

■こんなに日本のお酒に詳しいの!? イベントに訪れた韓国人のお客さんの声を聞く

こ、こんなに飲んだの!? 積み重ねられる試飲カップ。韓国の若いお客さんは試飲量もすごい!

来場者にインタビューをするといろんな声が聞こえてきました!

●すごい試飲量の26歳の男性2人組の声

「よく日本に行くので、そこで美味しさを知ったからこのイベントが嬉しい」
「笑四季などフレッシュなガス感がある日本酒も好き」
「ドライな辛口のお酒が食事に合うから好き。でもお酒単体なら甘口も好き」

いや、めっちゃレベル高いコメント!! ガンガン飲んでるだけじゃなくて知識もすごくあるのね! 心強いです!

●20代〜30代前半の男女6人組のグループの声

「日本酒好きだけど、まだよくわからないから、このイベントはいい経験になると思って友達に情報シェアして連れてきた。Instagramの情報が大きいです」
「獺祭以外は知らなかったけど、色々美味しいお酒に出会えた」
「日本酒は香りが良い。味わいがまろやかだと思った。麦焼酎『兼八』の香りもすごく良かった」

ありがとう! カムサハムニダ! 日本の呑兵衛としてこんなに嬉しい言葉たちはありません! これからも色々な日本のお酒と出会ってくださいね!

●職場の同僚の50代前半の男性3人組の声

「日本への旅行や出張で日本酒を好きになってよく飲むようになりました。免税で買って帰ることも多いです」
「韓国では久保田、獺祭が有名だけど、今日初めて飲んだ豊永蔵(熊本県)の『麦汁(麦焼酎)』がとてもおいしかった」

こうした歴戦の韓国の呑兵衛さんの存在もありがたい! 引き続き飲んでいってください!

勉強のために訪れたというソウル在住のソク・ジェホさん(30歳)。普段は日本料理店で調理とお酒の提供をしている。「鍋島(佐賀県)」「篠峯(奈良県)」が好きだというジェホさん、この日新たに出会ったお酒で印象に残っているのは「稲田姫(鳥取県)」。「こうしたイベントが韓国でもっと増えてほしい」と笑顔で語ってくれた。

■出展した酒蔵のみなさんからも驚きの声が続々!

赤穂浪士も飲んだと言われる「剣菱」の剣菱酒造(兵庫県)の白樫政孝社長(写真中央)。衣装もバッチリです!

「オープンからお客さまが途切れることなくブースに来てくれて驚きだった。前回(4年前)参加時より質問のレベルも高く、韓国での日本酒熱の高まりを感じる」

「天美」の長州酒造(山口県)の杜氏・藤岡美樹さん(写真左)。

「天美のシュワっとくるガス感が大好評でした。かなりマニアックな知識を持ってる方も多く、インスタのフォロワーです! みたいな方もいらして嬉しかった」

「御前酒」の辻本店(岡山県)の辻総一郎社長。

「初回と比べてお客さんがすごく増えているし、とても専門的な質問も多く、飲み手のレベルも上がってる。岡山の酒米、雄町もすごく浸透してきて、韓国にもオマチスト(雄町のお酒のファン)が増えて嬉しい。韓国の若いお客さんはSNSの使い方がうまく、そこで情報をキャッチしていると感じる」

芋焼酎「宝山」の西酒造(鹿児島県)の山下いのりさん。

「原料の風味が豊かな日本の本格焼酎の認知度が初回(2016年)と比べて格段に上がった。ソジュ(韓国の焼酎)とはまた違うものと認識してもらっている。特に熟成した芋焼酎の『天使の誘惑』が、ウイスキーのような香りがして良い! と好評です」

麦チョコのような香りと評される麦焼酎「兼八」の四ッ谷酒造(大分県)の四ッ谷岳昭社長。

「兼八へのリアクションが面白いです。香りでまず1度目の驚きがあって、飲んで2度目の驚きがあって嬉しい。食中酒としてソジュを飲む文化があるので、日本の本格焼酎を飲んで『香りを楽しむ、料理とのペアリングを楽しむ』という文化も作っていけたらありがたい。韓国料理にも日本の焼酎は合うと思う」

「鍋島」の富久千代酒造(佐賀県)の飯盛日奈子さん。

「初の韓国でのイベントですが、20代の同年代のお客さんが多くて驚きです。佐賀の隣の福岡に旅行したことがあるお客さんも多く「鍋島知ってるよ!」と写真を見せてくれる。鍋島のフルーティで甘い味わいに好リアクションが多くてとても嬉しい。これからも韓国の同年代にどんどん飲んでいってもらいたい」

などなど、今回のイベントの盛り上がりへの驚き、喜び、今後の韓国市場への期待が表れるコメントをたくさんいただきました。

他にも共通する感想として多かったのが

・熟成焼酎への関心が高い
・お客さまだけではなく、輸入業者のスタッフやイベントの運営スタッフまで若く、日本のイベントとはまた違った空気があって新鮮
・韓国のお客さまは日本のお客さまより1.5倍ぐらいお酒に強いと感じる
・「ドライ(辛口)をください」というお客さまも日本のイベント同様にいるが、甘口好きも、フルーティ好きも、熟成好きもいる。それぞれ好みがあるのはどこの国でも変わらないのではないか

などなど。日本との違いもあれば共通点もあり、造り手、売り手、飲み手の皆さんからリアルな声がたくさん聞けて本当に面白かったです!

■まとめ。韓国での日本酒・焼酎の未来は明るい!

美味しいお酒は国境を越えて人を繋ぐ。

我々にほんしゅは3度目の「SEOUL SAKE FESTIVAL」の参加でしたが、以前にも増して来場者の若さや日本酒熱の高さを感じ、蔵元さん同様驚きの連続でした!

日本国内でももちろん熱心な日本酒ファンや若い飲み手はたくさんいるのですが、若い世代の中で、SNSもうまく活用した売り手と飲み手の一体感のある盛り上がりは「日本以上! 学ぶこと多いな!」と率直に感じました。

今30代後半の我々にほんしゅも隔世の感を覚えるほどの20代のパワーでした!

日本のお酒がより愛されるたくさんのヒントをいただきました!

主催者のお一人、熊谷酒類の熊谷さんが言っていました。

「韓国では日本酒は3倍くらい、焼酎・泡盛は5倍くらいの値段がします。だからこそ、大学生など若い人がこのイベントで出会った日本酒に感動して、数年後自分で稼ぎ出したときに『あのイベントで飲んだ日本酒をまた飲みたいな!』と思い出して飲んでくれることが目標です」と。

2023年現在、本当にそうなってきているのが素晴らしい!

イベントの仕掛け人の一人、熊谷酒類の熊谷謙社長(写真中央)。徹底した日本酒の商品管理で日本で飲む日本酒と変わらぬ鮮度・クオリティを韓国で実現している。

「SEOUL SAKE FESTIVAL」などで日本のお酒を広める韓国の輸入業者さんたちの奮闘にも感謝です!

もちろんどんな年齢層も飲んでくれるのが一番ですが、これだけ多くの若い層が日本酒に興味を持って飲み始めている韓国は未来が明るい! 蔵元さんたちも韓国市場の拡大に確信を持っているのではないでしょうか。

韓国での日本のお酒の未来はまさに…、大吟醸!!!

美味しい日本のお酒が今後さらに韓国で飲まれますように! 韓国のみなさん、素晴らしい刺激をたくさんくれてカムサハムニダー!

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