81800幻の酒米と呼ばれた『雄町』の現在と未来。『岡山蔵元大集結〜お江戸に再び、雄町どうさまです!〜』へ漫才師にほんしゅが潜入!

幻の酒米と呼ばれた『雄町』の現在と未来。『岡山蔵元大集結〜お江戸に再び、雄町どうさまです!〜』へ漫才師にほんしゅが潜入!

にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)

みなさんこんにちは! きき酒師の漫才師にほんしゅです! 8月1日、今年で2回目となる「岡山蔵元大集結〜お江戸に再び、雄町どうさまです!〜」が行われました。

■『「雄町の酒」その真髄と岡山地酒のブランディングを語る』がテーマ!

『「雄町の酒」その真髄と岡山地酒のブランディングを語る』をテーマに、室町酒造 花房利宇氏、菊池酒造 菊池大輔氏、白菊酒造 渡邊秀造氏、辻本店 辻総一郎氏、辻麻衣子氏、十八盛酒造 石合敬三氏、きき酒師/ライター 市田真紀氏によるトークセッションが行われ、雄町が生まれた岡山県の蔵元さんたちによる熱いトークと試飲を楽しんでまいりました!

意見交換も活発。盛り上がる岡山県の酒蔵による試飲会。
岡山県内14蔵による試飲会では、約240名の方が岡山の日本酒を愉しみました。

また、同日にホテル椿山荘東京の別会場で開催された雄町米で仕込まれた日本酒のみが出品できる「第14回雄町サミット」では、第一部で酒販・酒造関係者や料飲店といった酒類業界限定のきき酒会。第二部で、審査員11名による歓評会発表/講評が行われました。

第三部の試飲懇親会では、優等賞を受賞した酒蔵や生産者からのご挨拶などが行われる中、参加者は、審査会に出品された206点ものバラエティに富んだ雄町の味わいを愉しみ、親睦を深めました。

第14回雄町サミットは昨年を上回る計800 名が参加し、イベントは大盛況で幕を閉じました。

暑い夏の日、ホテル椿山荘東京が雄町に染まった1日。

▶︎岡山の酒蔵も数々受賞した『 第14回雄町サミット 』 歓評会 優等賞受賞酒一覧

岡山県の蔵元さんたちによるトークセッション。

岡山県原産の酒米「雄町」や一般米「朝日」は原種であり、様々な酒米、一般米の先祖にあたることもあり地元のお米への思いが強い蔵元さんが多い印象です。

トークセッションでは印象に残る様々な議論が闊達に行われました。

原種である雄町は背の高さも特徴的。

・仕込みは難しいが甘味や旨味が独特で、じゃじゃ馬気質ならではの想像を超える味になることがある

・やわらかい米で、心白がしっかりあるから精米時に割れやすい。割れるから一概に悪いわけではないが、できるお酒の再現性が低い。

・割れる方が表面積が大きくなり、もろみで米が溶けやすく、味が出て雄町らしい味になる面もある

・岡山県内の赤磐、真庭、高島などそれぞれの地区で砂状や粘土質など土壌の違いがあることで味わいにも影響がある

・古い杜氏集団の備中杜氏が繁栄したのは杜氏仲間で情報交換が盛んだったと言われているので現代でもそういう関係で蔵同士が情報交換できれば。

・仕込みに使う酒米を全量雄町にした「御前酒」の辻さんは「岡山が雄町の里だということをもっと知らしめたい」という思いがある

・「燦然」の菊池さん自然栽培の雄町でお酒作ると、自然栽培などに興味のある層が手にとってくれる。こういう角度でPRするのもありだと思う

・「大典白菊」の渡邉さんは雄町と山田錦、朝日の一級品が手に入るのは岡山ならではのこと。こうしたところもブランディングに繋げられれば

などなど、会場に集まった日本酒通も唸るトークが展開されました。

トークセッションで勉強後はいざ試飲!
室町酒造の「櫻室町 瀬戸雄町 旨味辛口純米酒」甘味・酸味・キレが良い!現代の日本酒によくあるフレッシュ・ジューシーな甘酸っぱさではなく、雄町らしいコクのある甘味・酸味。
山成酒造の「桜渓 純米吟醸」(写真中央)はきれいな飲み口とスムーズな甘味で、軽やかな味の日本酒が好きな方にオススメ
菊池酒造の「木村式奇跡のお酒」シリーズにも注目!「木村式奇跡のお酒 純米雄町 黒ラベル」無農薬で作られた雄町は軽やかな味わいが楽しめる。
宮下酒造の「独歩 雄町米ラガービール」は雄町を副原料に使った贅沢なビール。スッキリかつコクがある味わい。
三冠酒造の「三冠 雄町純米 無濾過生原酒」は青リンゴのようなさわやかな香り、フレッシュでラムネ感もある爽やかでライトな甘味・酸味。コクと甘味のある典型的な雄町らしさとはまた違う魅力で、「雄町でもこういうタイプが造られるのか!」と岡山の日本酒のバリエーションを感じます。
十八盛酒造の「多賀治 純米無濾過生原酒 雄町」はフレッシュな味わいで、無濾過生原酒ならではのシュワっとくるガス感を楽しめる。
絶滅寸前だっ雄町を復活させたと言われる「酒一筋」利守酒造。深い旨味・甘味を楽しみたい方にオススメ。
現代の多様な雄町の日本酒の味わいに驚きつつ「にほんしゅ」2人の利き酒のペースも上がります!

酒米の元祖と言われつつも、多様な酒米品種の登場で一時は「幻の酒米」と呼ばれるほど栽培量が減少した雄町。しかし、より「地酒らしさ」が求められ、こだわりの一本を求める日本酒ファンが増えてきた現代においてその人気は高まる一方。

その原産地である岡山県の酒蔵さんたちの熱い思いを聞き、多様な味わいの雄町を飲み、「雄町の現在と未来」が見える素晴らしいイベントでした! 熱狂的な雄町ファンのことを「オマチスト」と呼びますが、オマチストがさらに増えることを確信する一日となりました!

雄町の素晴らしさ…大吟醸!

みなさんもぜひ雄町の日本酒を色々と飲んでみてください。

お酒の仕込みは全量雄町に!「御前酒」の辻本店。

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にほんしゅ(あさやん、北井一彰)
にほんしゅ(あさやん、北井一彰)

世界で唯一⁉のきき酒師漫才師「にほんしゅ」。酒漫才披露や司会、セミナー講師、テレビやラジオ、雑誌やWEBなどの各種メディア出演等全国の日本酒にまつわるイベントや日本酒セミナーを開催するなど日々奮闘している。日本酒を学び探究する真摯な姿勢から、全国の酒蔵、酒造組合からの信頼は厚い。

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