64392生ハム原木の魅力とは? 購入するメリット・デメリットを徹底解説

生ハム原木の魅力とは? 購入するメリット・デメリットを徹底解説

男の隠れ家編集部
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「生ハム原木(げんぼく)」の魅力を知っているだろうか? スーパーやデパートなどに売られている生ハムは、基本的にカットされ小分けになっている。美味しい生ハムをすぐに楽しめるのが魅力だ。

その一方、コストコやネットショップで販売されている生ハム原木は、スライス(カット)されず骨付きのまま提供されている。小分けで売られている生ハムとは異なる利点があるものの、初めて生ハム原木を購入する方は不安に感じることもあるだろう。

そこで今回「男の隠れ家デジタル」では、生ハム原木の特徴やメリット・デメリット、おすすめ商品を解説する。最後まで読めば、生ハム原木について深く理解できた上で、自分好みの商品が見つかるはずだ。

生ハム原木(げんぼく)とは?

一般的な「生ハム」は骨付きの豚ももを燻製加工して薄くスライスしたものだが、その一方で「生ハム原木」は、スライス(カット)されず骨付きの肉の塊のまま販売されているものを指す。

この生ハム原木はとにかく大きく重たいため、保管場所に困るという難点がある。また、届いてからの処理工程が多いなど、やや大変な部分も見受けられるのだが、長年にわたって愛される魅力が存在する。

ちなみに、一括りに生ハムと言っても、いくつかの種類に分類される。燻製しない「ドライハム」は、長期にわたってじっくり自然熟成させることにより、ねっとりとした味わいを楽しめるのが特徴だ。主に、イタリアやスペインの商品はこのタイプのものが多い。

一方、ドイツ系生ハムである「ラックスハム」は、乾燥させながら発酵させたあとに冷温で燻製することで、塩気が効いたどっしりとした重厚な味わいになる。日本の生ハムもこのタイプに含まれる。

原木ができるまでの工程

生ハムの原木ができるまでの工程はご存知だろうか? 我々が購入できる生ハム原木は、主に以下のような工程で製造されている。

  1. 飼育している豚の屠殺、血抜き、洗浄、成形をする
  2. 塩漬けを行う。このときの塩の量は原料となる豚肉や気候に応じて異なるため、職人の絶妙な匙加減で行われる
  3. 塩分が中心部まで浸透した頃に冷水で洗浄して水切りを行う
  4. 適切な温度と湿度が保てる状態で生ハムを吊るし、塩分を安定させることにより乳酸菌や球場菌など、公園菌を活性化させて腐敗菌の増殖を防ぐ
  5. 塩分が安定したら乾燥させる
  6. 乾燥を終えた生ハムは熟成に適した環境下で長期の成熟が行われる
  7. 丁寧に包装されたあとに出荷される

原木1本から生ハムを食べられる量

生ハム原木の総重量は豚の部位などによって前後するが、小さいもので約4〜5kg、大きいもので10kg以上だとされている。生ハム原木の総重量はかなり大きいものの、余計な脂分などをカットすると減少するため、実際に食べられる量は総重量の50%前後である。

赤身を覆っている余分な脂や骨はそのままでは食べられないため、多くの場合はカットして処理する。

原木を置いている飲食店では、一人前を25g前後として提供している店舗が多い。仮に9kgの生ハム原木を仕入れたとしても、実際に取れる量は4.5kg程度であり、その場合は180皿分を提供できる計算になる。

飲食店経営者が生ハム原木を仕入れた場合は、数ヶ月程度でなくなってしまうものの、個人で生ハム原木を購入した場合は、たとえ毎日生ハムを食べたとしても半年以上は楽しめる。

カットされている生ハムをその都度購入するケースに比べて、かなりコストパフォーマンスに優れていると言えるだろう。

生ハム原木を購入する3つのメリット

わざわざ生ハムを原木で購入する人が一定数いるのは、何かしらのメリットがあるからだ。考えられるメリットは以下の3つが挙げられる。

  1. カットされている商品に比べて割安
  2. 切りたての味・風味を楽しめる
  3. オブジェクトになる

それぞれを1つずつ解説していく。

メリット1.カットされている商品に比べて割安

1つ目のメリットは、カットされている商品に比べて割安で購入できるためだ。先ほども解説したように、生ハム原木で購入すれば処理する部分は多いものの、コストパフォーマンスはかなり高い。

最初の購入金額が大きいので高いように見えてしまうが、一度購入すれば半年以上は楽しめるはずだ。「毎日生ハムを食べたい」という方は、スーパーやデパートで売っているカット生ハムに比べて、かなり割安で生ハムを購入できるだろう。

メリット2.切りたての味・風味を楽しめる

切りたての味・風味を楽しめる、というのもメリットに含まれる。スライス後に真空パックで販売されているカット生ハムと、原木からカットしてその場で味わう生ハムではまったくの別物だ。

スライスパックの生ハムの場合、真空によって圧がかかったり、空気に触れてしまっていたりするなどの理由から、食感や風味が失われてしまう可能性が高い。

その一方、原木から切り出された生ハムは、まさに生ハム本来の姿であり、艶やかで香りの良い上品な味わいを楽しめる。

メリット3.オブジェになる

3つ目のメリットは、生ハム原木自体がオブジェになることだ。バルやレストランに生ハム原木が置いてあると、ついつい目がいってしまうだろう。原木にはそれほどの存在感があり、人々を惹きつける魅了が存在するのだ。

自宅で生ハム原木を飾っているだけでも、遊びに来た知人から興味を持ってもらえる。さらに、その場でカットして生ハムを提供してあげれば、みんなでパーティーを盛り上げることができる。

ちなみに、最近の結婚式では、ケーキではなく生ハム原木に入刀する演出も行われているとのことだ。

生ハム原木を購入する3つのデメリット

生ハム原木を購入するメリットを解説したが、その反対のデメリットも一部存在する。

  1. 保存方法に気を配る必要がある
  2. カットするのが手間となる
  3. 購入した直後に食べられない場合がある

メリット・デメリットの両方を理解した上で、生ハム原木の購入を検討しよう。

デメリット1.保存方法に気を配る必要がある

デメリット1つ目は、保存方法に気を配る必要があることだ。通常のスライスされた生ハムの場合は、冷蔵庫で保存するのが基本となる。その一方、生ハム原木は基本的に常温で保管する必要がある。

元々は保存食として作られていたため、生ハム原木は菌の繁殖が比較的抑えられているのだ。理想の保管環境は20度前後の暗所で、あまり温度変化がない場所に保管するのがベストである。

また、ワインと同じくハムを痛める恐れがあるため、高温多湿の場所はもちろんのこと、直射日光の当たるところもできるだけ避けなければならない。

デメリット2.カットするのが手間となる

カットするのが手間となるのもデメリットだと言える。原木を取り扱うにあたって、カッティング方法を学ぶことは決して避けられない。巨大な肉の塊から赤身部分をカットするのは、当たり前だがある程度のスキルが必要になるのだ。

また、カッティングの良し悪しによって、生ハムの食感が大きく変わってくる上、可食部の割合にも影響してくる。

スペインには「コルタドール」と呼ばれる生ハムカットの職人が存在するほど、カッティング技術は専門性の高い分野なのである。一般人が試みる際には、かなりの手間となるはずだ。

デメリット3.購入した直後に食べられない場合がある

生ハム原木は、購入した直後に食べられない場合があるため注意が必要だ。生ハム原木をネットショップで購入すると、ほとんどの場合が真空パックの冷凍(冷蔵)状態で送られてくる。

その状態で届いた場合はすぐにカッティングできないため、最低でも1日以上は常温で置いておく必要があるのだ。また、無理にカッティングしようとすると、生ハム原木の状態が悪くなり、保存期間や味に影響を与えるリスクがある。

購入してすぐに生ハムを楽しみたい方は、コストコに売られている生ハム原木をおすすめする。すでに温度管理がされているため、購入したその日に食べることができる。

生ハム原木をカットする際のポイント

生ハム原木はカッティング技術によって食感や風味が変化するため、より美味しい生ハムを食べるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要となる。重要ポイントは以下の5つが挙げられる。

  1. 足首部分に包丁でV字に切り込みを入れる
  2. スライスナイフに持ち替えて表面を削いでいく
  3. 表面の茶色い部分などにカビがあった場合はカットして捨てる
  4. 表面を削いだら脂身に当たるためカットして取っておく(炒めものなどに使える)
  5. 赤身部分に到達したら食べたい分だけカットする

骨の部分に包丁が当たった場合、骨の周辺に切込みを入れて骨自体を取り除こう。再びカットしやすくなるはずだ。

生ハム原木のおすすめ商品3選

最後に、生ハム原木のおすすめ商品を3つ紹介する。これから生ハム原木の購入を考えている方は、以下の詳細を確認した上で、自身の状況に合った商品を選択しよう。

1.パレタセラーナ・グランレセルバ

パレタセラーナ・グランレセルバ

1つ目に紹介する商品は、スペイン産の「パレタセラーナ・グランレセルバ」だ。生ハム原木のほかにカッティング用のナイフが付属しているので、初心者の方でも安心して購入できる。

放牧飼育された豚を原料に、塩蔵や熟成など伝統的な製法によって作られている。塩分は強めで、濃厚な風味と豊かな香りが魅力的だ。

また、基準が厳しいことで知られるエクストレマドゥーラ州のD.Oが認めているほど、高品質かつコストパフォーマンスに優れている。

  • 原材料:豚肉、食塩、砂糖、クエン酸ナトリウム、発色剤(亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウム)
  • 原産地:スペイン
  • 総重量:4.5kg
  • 熟成期間:18〜24ヶ月
  • 参考価格:16,800円

2.生ハムの原木 パレタセラーナ

生ハムの原木 パレタセラーナ

2つ目に紹介する商品は、「生ハムの原木 パレタセラーナ」だ。原材料は豚の前足部分が使われており、口当たりが柔らかくあっさりとした風味が特徴である。

季節・熟成度合いに合わせた温度調節を行うなど、厳しい品質管理のもと製造されている。ワンランク上の贅沢を味わえる生ハム原木であるのにも関わらず、購入価格はお手頃だ。

今回紹介する生ハム原木のなかでは最安値であることから、初めて購入する方におすすめの商品だと言える。

  • 原材料:豚肉、食塩、砂糖、発色剤(亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム)、酸化防止剤
  • 原産地:スペイン
  • 総重量:4kg
  • 熟成期間:-
  • 参考価格:11,664円

3.生ハム生活・パレタセラーノグランレセルバ骨付生ハムセット

生ハム生活・パレタセラーノグランレセルバ骨付生ハムセット

トレビエッハの海塩を使い、ぬか床のような継ぎ足し製法によって熟成された塩で塩漬けしたことにより、まろやかでピュアな味わいに仕上がっている。

脂の質が良く、甘みが含まれジューシーである点が特徴だ。また、生ハム原木だけでなく、専用ナイフやトング、ホルダー、カバー、手引き書など、初心者にも優しい道具がセットになっている。

  • 原材料:パレタセラーノ(豚の前脚・海塩)
  • 原産地:スペイン
  • 総重量:4.5キロ
  • 熟成期間:16ヶ月
  • 参考価格:24,800円

まとめ

本記事では、生ハム原木の特徴やメリット・デメリット、おすすめ商品を解説した

生ハム原木は、スライス(カット)されず骨付きのまま提供されている塊肉だ。とにかく大きく総重量が大きいため、保管場所に困るなどのデメリットはあるものの、カット生ハムにはない魅力がたくさん詰まっている。

「カットされている商品に比べて割安」「切りたての味・風味を楽しめる」「オブジェになる」など、複数のメリットがあるため、それらを認識した上で商品の購入を検討してみてほしい。

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