日本酒用語の基礎知識を学ぼう

石数(こくすう)
酒造の規模を表す単位。一石は10斗(1斗=10升)で180リットルに相当する。

酒米(酒造好適米)
我々が普段口にする米(粳米)とは別種の酒造りに適した米のこと。大粒でタンパク質・脂肪が少なく、心白(でんぷんの少ない中央部分)が大きく、吸水率が良いなどの性質が求められる。山田錦、五百万石、美山錦ほか全国で数十種類が栽培されている。

麹(こうじ)
蒸した米に種麹(黄麹菌の胞子)を増殖させたもので、でんぷんを糖化させる役割をもつ。30℃以上の高温の麹室で酒母麹と掛麹を製麹する。

酵母(こうぼ)
自然界に散在する菌で、清酒酵母は糖分をアルコールに変える働きをする。当然ながら酵母の種類によって酒質に違いが生じる。日本醸造協会で培養し配布する協会酵母のほか、広島酵母、静岡酵母など、各地で独自の酵母も開発されている。

酒母(しゅぼ)
蒸米、麹、水を仕込み、更に純粋に培養した酵母を加えこれを酸性にし多数の酵母を培養したもの。一定の乳酸を含むが、この乳酸の「発育方法」の違いで速醸系と生 系に分かれる。前者は醸造用乳酸を添加、後者は自然発生させる。

醪(もろみ)
清酒酵母を含んだ酒母に麹、水、蒸米を3回に分けて仕込む(3段仕込み)。この仕込んだ状態が醪。漉す前の状態のもので、糖化と発酵が並行して進むという日本酒独特の発酵状態となる。

上槽(じょうそう)
醪を酒袋に入れて槽で搾るか、連続搾り機で個体(酒粕)と液体(原酒)に分けることをいう。荒い布で漉したものが「濁り酒」、圧力をかける前にに槽の口から出てくる原酒を「あらばしり」と呼ぶ。

火入れ
火落ち(好アルコール乳酸菌による劣化)防止のための殺菌と貯蔵中の品質劣化を防ぐため、酵素を破壊する目的をもって60~65度に酒を過熱すること。

醸造アルコール
普通酒の増量や特定名称酒のキレの良さ、軽やかさを助ける原料として添加されるエチルアルコール。でんぷん物質や含糖物質を発酵させ、連続蒸留して作られている。ホワイトリカーや甲類焼酎と同様のもの。

特定名称(原材料&精米歩合で規定される呼称)
原料が米・米麹のみのものを純米酒と呼び、原料米の精米歩合が60%以下のものを純米吟醸酒、50%以下のものを純米大吟醸酒と呼ぶ。また、米・米麹のほか醸造アルコールを白米の総重量の10%以下添加したもので精米歩合70%以下のものを本醸造酒と呼び、本醸造のなかでも60%以下のものを吟醸酒、50%以下のものを大吟醸酒と呼ぶ。

その他の表示(醸造方法や貯蔵管理など製法による呼称)

酒母の発育方法の違いでは生酛仕込み、山廃仕込みがあり、後は醸造後の処理の違いでさまざまな表示がある。代表的なものは次の通り。

生酛仕込み=酒母をつくる際、自然発生した乳酸菌を生育し、これによって乳酸を生成させた酛(酒母)で造られた酒。一般的な速醸系酒母(仕込み時に少量の乳酸を加え酒母を酸性におき、雑菌の繁殖をふせぐ方法)よりも酒母づくりに時間がかかる。

山廃仕込み=生 系酒母の一種で、生酛づくりから「山卸(酛摺り)」という作業(蒸米、水、麹を桶の中で数時間かけてすり潰す作業)を省略し造られた酒母で醸された酒。

原酒=醪を搾ったままで加水していないもの。

生酒=火入れをしないもの。

生詰酒=瓶詰前に火入れをしていない(貯蔵前には火入れをする)もの。

生貯蔵酒=貯蔵前に火入れをしていない(瓶詰め前には火入れをする)もの。

無濾過=濾過の工程を省いたもの。

濁り酒=醪を搾るときに粗く漉し、米の成分が残っているもの。

活性清酒=酵母菌が活性している(生きている)、生の濁り酒。

中取り=醪を搾る際、タンクを上から「荒・中・せめ」と分けて搾る。この「中」の部分を搾った酒のこと。

斗びん取り=袋吊りで醪を搾った最良の部分を一斗(18リットル)入りの瓶に入れたもの。

古酒=一般的には3年以上熟成させたものをいう。

日本酒度/酸度/アミノ酸度
日本酒度とは甘い辛いの指標となる数値で、平均は「+2」くらい。「+」の数値が大きいほど辛口、「−」が大きいほど甘口となる。酸度とは甘辛、濃淡をみる指標で、平均が1.3~1.5。これより低い場合は端麗、高い場合は濃醇に感じる。アミノ酸度も味の濃淡をみる指標で、平均はほぼ1.2~1.5。数値が低いほどすっきりと軽く、高いほど濃厚な味わいに感じる。

秋あがり
冬から春に醸した酒を翌年の秋まで貯蔵・熟成させることで、酒質が向上すること。新酒の荒さが消え、丸みがでる。この「秋あがり」を出荷することを「ひやおろし」という。

精米歩合
精白米の玄米に対する重量度合い。例えば精米歩合が40%なら、玄米の表層部分を60%削り取ったものということになる。

並行複発酵
日本酒独特の発酵形態。醸造酒(ワイン・ビール・清酒など)のうち原料に糖分を含まないビールや清酒は、原料(麦・米)を糖化させてからアルコール発酵させる。この時、糖化した原料を別のタンクに移し、そこからアルコール発酵させるビールなどは「単行複発酵酒」であり、日本酒のように糖化とアルコール発酵を同じタンクの中で並行して起こす状態を「並行複発酵」と呼ぶ。ワインやシードルのように原料に糖分が含まれ、それを発酵させるものは「単発酵酒」である。

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