沖縄の伝統的なお酒である「ハブ酒」。見たことはあっても詳しくは知らないという人も多いだろう。ハブ酒はその名前の通り、ハブをお酒で漬け込んだ飲み物だ。そもそもハブは、主に沖縄県で生息する全長100〜200cm程度ある大型のヘビである。
大型のヘビを漬けたお酒であるため、「毒はあるのか?」「どうやって作るのか?」「どんな効果があるのか?」など、さまざまな疑問があるはずだ。そこで今回は、ハブ酒の基礎知識からおすすめの銘柄まで詳しく解説していく。
沖縄が育んだ薬膳酒「ハブ酒」の特徴
そもそもハブ酒は、なぜ造られるようになったのだろうか。ハブ酒を製造する南都酒造所によると、その製法は16世紀の進貢貿易時代に中国から伝わったという。中国では古来より「蛇酒」として蛇を酒に漬け込む文化があるようだ。
ハブ酒の製造方法|毒はあるのか?
ハブ酒の製造は、ハブを捕まえて血を抜き、臭腺(ニオイを分泌する腺)・内臓を取り出すところから始まる。このように特殊処理をしたハブを59度のアルコールに10年間漬けて熟成させ、エキスを抽出する。
その後8~13種類もの薬草を漬けた泡盛と先ほどのエキスをブレンドし、さらに熟成を重ねる。気になるのはハブの毒だが、アルコールに漬けている間に解毒され、無害化される。
ハブ酒の味・香り
このように熟成を重ねたハブ酒は、まろやかでほんのり甘味があり、クセのないブランデーのような味わいになる。最近では、ワイン風味のハブ酒も販売され、常飲する人も増えている。
とはいえ、ハブ酒独特のクセは多少なりともあるため、「あまりおいしいと感じない」という人がいるのも事実だ。ハブ酒のクセが気になる方は、できるだけ長期熟成された銘柄を選ぶと良い。
ハブ酒のアルコール度数
ハブ酒はアルコール度数の高い泡盛やブランデーで漬けているため、一般的なハブ酒はアルコール度数が40〜50%程度ある。
ハブのエキスはアルコール度数50%前後が最も引き出せると言われているため、度数の高いお酒がベースに使われているのだ。ハブ酒はアルコール度数が高いため、飲み過ぎには注意しよう。
ハブ酒の飲み方
飲み方は一般的な酒と変わらない。ストレートにロック、水・お湯割りなど、好きな飲み方で楽しめる。また、ハブ酒を使った「ガンガラー」「ウージ畑」というカクテルもある。
ガンガラーはハブ酒とコーラを1:3で割りレモン汁を合わせる、ウージ畑は半分にカットしたライムと砂糖小さじ2~3を合わせたものなので、自分でも簡単に作れるだろう。
男の活力を満たす。ハブ酒の効果・効能を知る
水だけで100日も生きるといわれるハブ。ハブには豊富なアミノ酸が含まれており、滋養強壮にもよいといわれる。そんなハブ酒の栄養素と効能について詳しく見ていこう。
・アミノ酸
アミノ酸は、タンパク質を構成する要素であり、ヒトに欠かせない物質である。そのアミノ酸がハブ酒には14〜19種類も含まれるとされる。
・ミネラル
ハブ酒にはカルシウム、鉄分など豊富なミネラルも含まれる。ミネラルは体の構成要素であり、身体機能の維持にも使われる。
・アルギニン
アンモニアを除去し、血管を広げる効果を待つ。血行を促進し、冷え性の改善にも役立つ。
・タウリン
コレステロールの吸収を抑え、肝機能の改善を促す。
このようにハブ酒には体にいい成分がいくつも含まれる。そんなハブ酒は、一度購入すると継ぎ足しをして飲むことができ、栄養も引き続き得ることができる。継ぎ足しには専用の酒も売られているので、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
通販で購入できるハブ酒のおすすめ銘柄11選
最後に、通販で購入できるハブ酒のおすすめ銘柄を11通り紹介する。
- 泡盛 うるま ハブ酒
- 南都酒造所 ハブ入りハブ酒
- 南都酒造所 億万長蛇 ハブ入りハブ酒
- 南都酒造所 琉球ハブボール
- 南都酒造 琉球の酒 ハブ源酒 プレミアム
- 南都酒造 琉球の酒 夫婦ハブ入りハブ酒
- 琉球の酒 ハブ源酒
- 八重泉 ハブ酒
- HABURA 金のハブ酒
- 龍泉酒造 龍泉ハブ酒
- 小正醸造 奄美ハブ酒 強力印
各銘柄を1つずつ解説する。自分好みのハブ酒を見つけてみてほしい。
泡盛 うるま ハブ酒
はじめに紹介する「泡盛 うるま ハブ酒」は、一大ブームを巻き起こしたハブ酒の元祖として有名な銘柄だ。サトウキビから作るラムがベースになっており、丁寧にハブのエキスを抽出したことで、甘くまろやかな味わいを実現した。
1日30〜60mlを目安に飲めば、ハブ酒の効能が見込めるとされている。ストレートやロックはもちろんのこと、水割りやアレンジなど、多彩な飲み方で楽しむことが可能。
- 液体容量:720ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:-
南都酒造所 ハブ入りハブ酒
本物のハブがまるごと入った「南都酒造所 ハブ入りハブ酒」。泡盛をベースに13種類のハーブと特殊製法によって、ハブの旨味とエキスを余すことなく引き出している。
また、ハブを生け捕りにした際は、丁寧な手作業で臭みを除去している。そのため、ハブ酒独特の臭みが少ないという特徴を持つ。クセがなくスッキリとしているので、初めてハブ酒を飲む方にもおすすめできる。
- 液体容量:800ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:9,500円
南都酒造所 億万長蛇 ハブ入りハブ酒
続いて紹介するのは、泡盛をベースに作った高級ハブ酒「南都酒造所 億万長蛇 ハブ入りハブ酒」だ。動物性のハブエキスと、植物性のハーブエキスをバランスよく配合。果実ハーブを多分に含んでいるので、ブランデー風味を思わせる味わいと香りに仕上がっている。
- 液体容量:800ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:14,300円
南都酒造所 琉球ハブボール
「南都酒造所 琉球ハブボール」は、ハブのエキスと13種類のハーブエキスをブレンドした新感覚のハイボールだ。鮮度のいいハブを特殊処理し、サトウキビから造った高度数のアルコールに漬けたことで、爽やかで飲みやすいお酒に仕上がった。
甘酸味のあるシークヮーサー風味もほのかに感じられる。「そのままのハブ酒だと飲みづらい」という方は、ぜひ本商品を一度飲んでみてほしい。
- 液体容量:350ml×24本
- アルコール度数:6%
- 参考価格:5,980円
南都酒造 琉球の酒 ハブ源酒 プレミアム
国産リキュールの「南都酒造 琉球の酒 ハブ源酒 プレミアム」は、ハブエキスとハーブエキスを2倍増量したプレミアムなハブ原酒だ。ワンランク上の高級ハブ原酒が味わえる。
飲み口は爽やかで、芳醇で心地の良い香りを感じられる。値段はそこまで高くなく、コストパフォーマンスに優れているのも嬉しいポイント。
- 液体容量:950ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:4,170円
南都酒造 琉球の酒 夫婦ハブ入りハブ酒
「南都酒造 琉球の酒 夫婦ハブ入りハブ酒」はその名前の通り、夫婦のハブがそれぞれ入った華やかでおめでたい逸品だ。深い味わいをかもし出す泡盛に高濃度のハブエキスをブレンド。その上、13種類のハーブエキスを混ぜ合わせた最強のハブ酒だ。
ハブ酒特有の臭みをほとんど感じない、そしてブランデーに似た豊かな風味を感じることができる。とはいえ、値段は60,000円以上するため予算と相談した上で検討しよう。
- 液体容量:3000ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:61,370円
琉球の酒 ハブ源酒
次に紹介するおすすめのハブ酒は、「琉球の酒 ハブ源酒」だ。ブランデーのような口当たりが特徴的なハブ原酒で、贅沢な飲み心地を味わえる。
贅沢な特別仕立ての注ぎ足し用ハブ源酒は、ストレートでも十分おいしく、ハーブ風味と泡盛が織りなすハーモニーが絶妙だ。もちろん、アレンジを加えてもおいしく飲むことができる。
- 液体容量:500ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:2,849円
八重泉 ハブ酒
赤と黒のパッケージが印象的な「八重泉 ハブ酒」。薬用に最適な石垣島特産の赤ハブを原料に使用し、45度の泡盛に生きたまま漬け込んだ。そして長年貯蔵を施したことで、ハブ特有の臭みを軽減した。
それでもハブの臭みが気になる場合は、ハチミツやレモン汁を足せばより飲みやすくなる。ほかの酒類で割るのも効果的だ。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:36%
- 参考価格:4,399円
HABURA 金のハブ酒
爽快なミント風味でスッキリと飲める「HABURA 金のハブ酒」。いま話題のハブハイボールとも相性がよく、男性だけでなく女性からも人気が高い。
キンキンに冷やしてショットとして飲むのもおすすめ。パーティーやイベントを「HABURA 金のハブ酒」が盛り上げてくれるだろう。ガツンとくるハブ酒独特の風味をぜひ味わってみてほしい。
- 液体容量:720ml
- アルコール度数:30%
- 参考価格:8,800円
龍泉酒造 龍泉ハブ酒
続いて、高品質なハブ酒を安価で購入できる「龍泉酒造 龍泉ハブ酒」を紹介する。300mlと容量は控えめだが、値段は約1,500円と比較的安価で購入できる。泡盛に高濃度アミノ酸ハブエキスがブレンドされており、ストレートでもしっかりおいしい。
とにかくコストパフォーマンスに優れる銘柄。「少量だけハブ酒を飲んでみたい」「安価で購入できるハブ酒を探している」という方におすすめだ。
- 液体容量:30ml
- アルコール度数:25%
- 参考価格:1,510円
小正醸造 奄美ハブ酒 強力印
最後に紹介するのは、高麗人参やクコなどの高貴薬草をふんだんに使用した「小正醸造 奄美ハブ酒 強力印」だ。薬味酒として飲みやすく仕上がっており、アルコール度数も比較的低めでクリアな味わい。ハブ酒の効能を体感してみたい人におすすめ。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:29%
- 参考価格:2,510円
まとめ
ここまで、ハブ酒の基礎知識と効能、おすすめの銘柄を解説した。
さまざまな健康効果を持つハブ酒。自身で作ることも可能だが、ハードルが非常に高いため、初めて飲む方はメーカー品のハブ酒を購入しよう。
ハブ酒には独特のクセがあり、アルコール度数は約40〜50%だ。最初は抵抗があるかもしれないが、飲んでいくうちに次第に慣れていく。飲むのをためらっていたという人も、この機会にぜひ味わってみてほしい。
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